笛
遠い場所に来ました
気がつけば湖岸にいます
飛魚もときどき飛んでいます
そこで沈んでいく太陽をしばらく眺めました
なんだか名残惜しいほどに
美しい金色でした
たおやかに憧れを誘うのです
それから
明るい名の街を訪れました
公園の砂場でハイハイをしている赤ん坊がいました
その赤ん坊を見ていると
他人事には想えませんでした
よだれを垂らし、一生懸命前に進み
何かを探しておられました
すると、突然、白い太陽を背に
不思議な鳥がやってきました
その不思議な鳥の後をついていくと
今度は火と水の神様が有らせられます
街へやってきました
そこには
神々しい光に包まれた幼子がおられ
母親と遊具や草木、土で遊戯をされており
その子が口にした言葉は
魔法のように、全て実現していくのでした
その声には、創造力がありました
やがて夜を迎えました
月を眺めていると
今度は、月に住む精霊がやってこられて
光の絨毯を賜りました
満天の星空のなか、光の絨毯に乗って
泉が湧いている
とある国まで案内されました
とある国の門をくぐると
ハープのような音色や
ガヴォットのような旋律が流れ
とある部屋にワープしていました
トウセイメリーゴーランド [※濤聲:波の音]
そこには
なにやら筆を走らせている青年がおられました
青年は自身に起きた出来事や感じて止まないこと
喜怒哀楽や閃き、祈りや瞑想、礼拝
自然観、芸術観、宗教観、教育観、社会観、哲学観などを
日常よく触れるアイテムから
連想して書き綴っておられました
その青年は
語りかけてくれました
「きみはきみを書けばいいんだよ。ぼくはぼくを書くからさ。すると、世界が彩りはじめるんだ。その彩りは、ぼくたちの世界を、さらに、実り豊かなものにしていくんだ。」
青年がこう語り終わったあとに
部屋の窓辺から
虹色の滑り台が現れて
そこに吸い込まれていきました
ふと、気がつけば
目を覚ましていました
時刻は4時27分でしたが
ずいぶんと眠っていたような感覚に襲われました
もしかしたら
私の魂は、神様のふところに隠れて
何百年何千年と眠っていたのかも知れません