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其の男、異世界の木鐸となる  作者: 岩佐茂一郎
【第一部】第二章 海の国 ”ブラキーオーン”
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2-28 課題克服:アウロ

「先生! 出来ました!」


メトドが高威力のファイヤー(火の矢)ダーツに成功してすぐ、


バフッ!


という音とともにアウロの叫ぶ声が聞こえた。


横でちょこんと座って練習を見ていたドーラはアウロの成功にパチパチと手を叩いている。


「お、あっちもすぐに出来るようになったじゃん」


一度できてしまえばもう何度でもできるだろう。


ターロはメトドと、アウロたちの方へ行くと、


「じゃあ、アウロ。それを俺に()ててごらん。俺、避けるから」


「え?  大丈夫ですか?」


「もちろん避けるし()たったとしても、まあ、死にやしないでしょ。俺も特訓が必要だからさ」


「はあ、、、じゃあ、行きますよ!」


ターロに向け魔法を放つアウロ。



【コンプレスド(圧縮空気)エア】



ターロがバッと横へ体をさばくと、今いたところの砂が跳ね上がった。


「どうした?  当たらないよ。これじゃ実戦で使えんよぉ?」


ターロはアウロを挑発する。


「くっそ〜!」


悔しがって連発するが、一向に当たらない。


空気は目に見えないので、普通なら避けるのは難しい魔法だ。


しかし一直線で飛んでくるので、来ると分かっているターロには発動のタイミングと距離から割り出して簡単に避けることが出来る。


魔法の連発で、息が上がるアウロ。


「もう終わり?」


ターロが巫山戯(ふざけ)て、盗塁の時のように手を広げ、左右に移動する。


勿論、アウロには何をしているのかは分からないだろうが、おちょくられている事は伝わっただろう。


しかし、アウロは挑発には乗らなかった。


「むぅ〜、、、あっ!」


何かを思い出したアウロが今までとは違う構えをとる。


手を前に出して打ち出すのではなく、頭上に掲げてから振り下ろした。



【コンプレスド(圧縮空気)エア】



「!!」


ターロの”野生の力”が告げる。


(前じゃない!)



マジカルシールド(魔法の盾)



ターロが体を捻って真後ろに魔法の盾を創ると、


バン!


「おお!  軌道が!」


驚きの声を上げるターロ。


「ああー、これも避けられた!  せっかく先生の言ってたこと思い出したのに!」


アウロは悔しがっているが、


「すっげーな、アウロ!  出来たじゃないか!」


ターロはそう褒める。


アウロの所に皆が集まった。


「何が起こったのですか?」


見ていてもメトドとドーラには何だか分からなかったが、


「メトドさん!  新魔法だよ!」


「え?」


「今アウロがやったのはね、自分で打ち出した魔法の軌道を風の精霊を使って変えたんだ。こりゃ恐ろしい技だよ。だってどっから飛んでくるのか見えないんだもん」


「おおー!  だからターロ様は後ろに盾を出したのですね。凄いじゃないかアウロ!」


理解したメトドもアウロを褒める。


「でもぉ、、、当たらなかったし、、、」


そう言うアウロに、ターロは眉を八の字にして言う。


「ええー、そこは避けさせてよ。()たったら痛いじゃん」


そんなターロの言葉に、そりゃそうか、と笑うアウロ。


しかしメトドはいう。


「ターロ様はご自分の特訓のためではなく、アウロに精霊と協力することを考えつく様にとご自身が的役を買って出られたのですね?」


「そうね。動かない的だと、簡単に()たるからあんまり工夫しないでしょ?  だから、避ける的で練習したら何か思いつくんじゃないかな〜って。想定の何倍も越えてきたけどさ。やるじゃ〜ん。アウロ。」


そう言われてやっと、自分のしたことの凄さを実感してきたアウロは照れながらこう言った。


「いや、、、凄いのは僕じゃなくて、精霊です」


「ふふふ。そう言う気持ちを忘れなければ、いつまでも精霊は味方してくれるだろうよ」


と、ターロはアウロの頭を撫でるのだった。

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