2-17 未確認生命体襲来?
「ふむ、共に来ぬというのであれば、やはり殺すしかあるまい」
天使は、大きく回り込みながら、両手から魔力の衝撃波を連発する。
連発なので威力は落ちるが、手数が尋常ではない。
(ぐっ、、、まるで、嵐じゃねえか)
バリアを張っても、移動しながらの攻撃には対応しきれない。
ターロは何発か食らってしまってうが、ライン王子から引き継いだ魂力”抗う者”のおかげでなんとか動ける。
「ゾンビ化しているのか? 何故倒れん?」
天使が不思議がり、攻撃が少し緩んだ隙きをついてターロが仕掛けた。
【マジックトーレント】
放った魔法は二メートル程の幅で地面を抉りながら天使へと走る。
攻撃を避けている間ずっと魔力を込め続けていたので、かなりの威力があるはずだ。
それを天使も察知したのか、翼を広げ上空に逃げる。
天使が目線を魔力の流れからターロに戻したその瞬間、
「 !! 」
眼前に木刀を上段に構えたターロの姿。
ターロは天使が上空に逃げると読んで魔法攻撃を放った後、間髪入れずにテレポートで空中へ移動。
可能な限り重く、堅くした精霊樹の木刀を、裂帛の気合と共に振り下ろす。
「おおおおおおおおっ!!」
ドッゴッンッ!
天使は辛うじて交差させた前腕で受け止めるも、その威力に地面に叩きつけられる。
「ゴフッ」
息をつまらせている天使。
ターロは、着地と同時に追撃をかけた。
魔力と体重をのせて繰り出す突き。
生半可な防御では躱せぬ重い一撃、、、しかし、
ガッ!
硬い音と共に木刀が払われる。
「、、、我にこれを使わせるとは、 驚いたぞ」
見ると天使の右腕が大きな鉈のように硬化している。
それは禍々しいまでの魔力を纏っていた。
(あれは、、、ホントに洒落にならんぞ、、、)
ターロの冷や汗が止まらない。
”野生の力”が、逃げろ、と警告を発している。
ターロは構えを解かぬまま、退いて距離をとった。
天使は泰然と立ち上がる。
その時、建物に空いた穴から、
「ターロ様!」「先生!」
メトドとアウロが出てきた。
(しまった! 最悪のタイミングだ!)
出て来ないよう指示を出す余裕がなかったとは言え、己の迂闊さを悔いるターロ。
「駄目だ! 逃げろ!」
声をかけるが間に合わない。
天使が無言で二人へ衝撃波を放った。
【マジカルシールド・テレポート】
ニ重詠唱をして、盾ごと二人の前へ移動するターロ。
「ぐううっふっ!」
盾は破られ、余波をまともに浴び、血を吐く。
「ターロ様!」
「先生!」
「い、いいから逃げろ! 頼むから建物の中へ!」
寄ってこようとする二人を制して、天使へと正眼に構える。
「ほー、転移魔法か」
余裕を見せる天使の腕の傷は、いつの間にか塞がりつつある。
(ちっと、ヤバイぞ、、、どうするこれ?)
感じる焦りの陰に違和感を感じる。
(?)
魂力”野生の力”が、何かが迫ってくる事を告げていた。
(本気でマズイぞ! 天使の味方か?)
強大な気を感じる。
目の前の天使だけでも持て余しているのに、あれが加わったら、万が一にも勝ち目はない、、、。
それは、あっという間に近づいてきて、商会館の敷地外から飛び込んできた。
「ぬししゃま〜〜!!」
誰?




