1-21 大賢者の手記1
(なにが書いてあるのかなぁ?)
夜は大賢者イッヒーの方丈から持ってきた日本語で書かれた彼の手記を読んでみた。
気になる見出しが目に留まる。
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『この世界と地球の関係』
ここは、地球の平行世界のようだ。
一日の長さ、一年の長さがほぼ一致している。
人類の容姿も変わりがない。
ただ、地球よりも多様である。ファンタジー作品に出てくるような、エルフ・ドワーフといった種族の特徴を持つ者がいる。
魔獣の類も同様である。
ドラゴン・ペガサス・ゾンビ・ゴーレム、人語を操る獣や精霊、天使までいる。
地球人の中でも感性の鋭い者が、霊的にこの世界と関わりを持ち、そのイメージを作品に反映したのだろうか。
”魔力”の存在も地球との相違点としてあげられるが、地球には本当に魔力は存在しないのだろうか。
太古の昔は存在したが、物質文明が進歩するにつれ、必要なくなり、それを使う力が退化したのではなかろうか。
人類が魔力を操れた時代は、この世界と何らかの繋がりがあったのだとしたら、その時の記憶がこの世界のイメージを地球人に齎しているのかもしれない。
物質文明により魔法が退化したのなら、この世界の人に地球の知識を教えるのは考えものだ。
この世界にはまだ、印刷技術がない。
が、活版印刷を教えてしまってよいものだろうか。
この世界の人が思いつくまで待つことにしよう。
この世界が、物理法則が支配する地球とは違う未来に向かっているのなら、それを妨げるようなことはよすべきだろう。
それとも、物理的な発展をこの世界が欲しているから、私が転生してきたのだろうか?
地球での自然破壊・環境汚染の現状を考えると、そんなことはないと思うのだが、、、。
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手記は、この様につらつらと取り留めのないメモ書きのように続いていく。
疑問が多く、それの答えは示されていないことが殆どだが、色々と示唆に富む。
(確かに、、、)
とターロは思考する。
ライン王子と融合し記憶を得ただけで、こんなにも魔法に馴染めるものだろうか?
地球人であったときの記憶・感覚がもっと戸惑いを覚えてもよいはずなのに、魔法をすんなり受け入れている自分がいる。
実は魔法を使っていた先祖の記憶が魂に刻まれているのだとしたら?
所謂、”気合”というものを、魔力に置き換えれば説明がつくのでは?
弱まってはいるが、いや人類がごく少量しか扱えなくなったといったほうが正確かもしれないが、地球にも魔力はあるのでは?
では、魔力とはそもそも何なのだろう?
ターロは、科学的に検知方法が確立されていないエネルギー、というイメージを持っている。
イッヒーの見解も知りたかったが、そろそろ眠くなってきた。
体調を万全なものにする為に夜ふかしはやめ、寝ることにする。
これから長い旅に出るのだ。
この手記をじっくり読む時間はいくらでもあるだろう。
メトドとも、好きなだけ議論出来るはずだ。
そう考えターロは布団に潜り込んだ。




