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其の男、異世界の木鐸となる  作者: 岩佐茂一郎
【第一部】第七章 ホーフエーベネ奪還
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7-13 鱗がありますから

テレポート(瞬間移動)



転移した先に管を伸ばされたりしては回避できないので使いたくはなかったが、今はそんな事を言っている場合ではない。


ゾンビドラゴンの前へ出るターロ。



ケシャアアアアア!!!



案の定、直ぐにブレスが飛んでくるので、



マジカルシールド(魔法の盾)



と障壁を張るが、


ビシイッ!


破られた。


「うわ!」



ブースト(噴射)



上へ避けて難を逃れる。


ブレスにのせられた魔力量が多かった。


ゾンビドラゴンも、この機を逃してはもう勝ち目はないと、必死なようだ。


《ターロ様!》


まだ繋ぎっぱなしだったテレパシーでのキュアーノからの呼びかけ。


急降下してくるプロクス。


「おおっと!」


更にブーストで横に避けるターロ。


至近距離まで近付いたプロクスが、ブレスを放った。



グララァゴァガアアアアーーーッッッッ!!!!!



炎はゾンビドラゴンを捉えるが、ゾンビドラゴンの管もプロクスを捕える。


体をブスブスと燃やしながらも、プロクスを引き寄せて取り込もうとしている。


ゾンビ化して自我は残っていないはずなのに自分を殺した相手だと認識できているのか、執拗に大量の管をのばしてくる。


プロクスが全力で逃れんとしても管はそれをゆるさなかった。


何とか逃れようとプロクスは至近から更にブレスを浴びせるが、管で締め付けられている所為か、まとまった数の管を焼き切れる程の大きいものを吐けなかった。


「きゃああッ!」


暴れるプロクスから振り落とされまいと、鞍に必死にしがみつくキュアーノ。


「近づきすぎだって!」


ターロは炎の右手を剣にして、プロクスとゾンビドラゴンの間に転移し、剣を振り回して管を焼き切っていく。


管の数が減ると、プロクスは残りを引き千切って自力で離脱することが出来たが、今度はターロが捕まった。


「痛ってー!!」


管の先端の牙に噛みつかれて、絶叫するターロ。



テレポート(瞬間移動)



ターロが転移でプロクスの上に逃れてきて倒れ込む。


噛まれた太腿を見ると、肉が抉れていて、その周りはおかしな色に腫れ上がっていた。


『ごめんなさいターロ。足を引っ張ってしまったわね。でも助かったわ、ありがとう』


「いいって。 それより、、、マジで、痛ってー。ライン王子の魂力があってもこの痛さって、何なんだよ、、、」


どうやらあの管の牙は毒をもっているようだ。


「プロクスは噛まれた所、なんともないの?」


『鱗がありますから』


「ええ〜〜、いいな〜〜」


『うふふふ』


この状況で、何故、こんなにも呑気な会話ができるんだ、という顔のキュアーノ。


ターロは、



【デトキシフィケ(解毒)イション】【ヒール(治癒)



と二重にかけて、更にキュアーノにもヒールを上がけしてもらう。


「よし、何とか動けるぞ」


脚を曲げ伸ばしして具合を確かめるターロ。


ゾンビドラゴンを見ると、まだ体の煙を燻ぶらせながらも、ケパレー軍のいる方へ飛んでいる。


カルテリコスや、メトドたちも追撃しているが、さっきのプロクスをみて、近づきすぎるのは危険と判断したらしく、大した痛手を与えることは出来ていない。


ゾンビドラゴンの進む先を見ると、彼方に小さくだがもうケパレー軍が見えてきた。


「ええ! なんで?!」


ターロが思わず叫ぶ。


先程、退避の合図を出したのに、ケパレー軍はこちらに向かって進んでいる。


「駄目だって!」



照明弾(フレア)】【照明弾(フレア)



もう一度合図を出すが、それが上空に届いて発光すると、更にケパレー軍の進行速度が上がった。


「な、なんでやねーんっ!!」

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