【第24話】アレックside - 辺境の騎士の娘 -
マリーヌ・フォスターを最初に見たのは当時15歳だったと記憶している。
3歳年下の妹リリアーナのお茶会は料理から招待する令嬢のすべてを「社交の薔薇」という異名をもつ母が仕切っているというのに、父が珍しく帰ってきた折に家族が揃ったディナー中にも関わらずリリアーナのお茶会に宮廷騎士に配属されたばかりのフォスター卿の長女、マリーヌ嬢の招待を指定してきた。
今となったら父の意図は理解できるが、王都に籍を持つ由緒正しき騎士の家系ではなく国の外れにある片田舎からやってきた辺境伯によって召し上げられた元平民の騎士の娘ではランディア伯爵家との釣り合いが取れないと母が猛反発していたのを覚えている。
結局は父の決定は覆らずに、生粋の貴族の出自である母の理解を得られないまま招待する事になったのだが、その時は妹のお茶会に興味はなく気にも留めなかった。
辺境の地からやって来た元平民の田舎騎士の娘がお茶会に参加するようになって半年後程経ったある日、幼馴染でもあり仕えている主でもある第一王子のルイドリッヒから、辺境の地より異例中の異例で国王直属の護衛騎士となった人物が宮廷のいくつかある騎士団を取り纏める長に任命されたとあって、当時はかなり驚愕したのを覚えている。
そして、このあたりからルイの剣指導までもフォスター卿が教授する事となり、今まで剣の稽古に興味などなかったルイの剣の腕前は才能を存分に発揮させて日を追うごとに上達していった。
フォスター卿に心頭するルイに何気なく妹のお茶会にフォスター卿の娘が参加している事を伝えると余程に興味を持ったのか偵察を頼まれる事となり、あまりの面倒事に話さなければよかったと後悔した。




