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第零世界・第■世界線
私は、自身が利己的で、自己中心的な性格であると分析している。
ついでに、欲深で、衝動染みた刹那的なものではあっても嫉妬深いという性質も持ち合わせてしまっている。
ほんとうに、救いようがない。
他人のことは、意識の外。それか二の次に追いやって、己が抱える心情、己に流れる利益を優先する。
自分以外の人間が建前というヴェールを以て本音を隠匿し、世間を上手く生き抜いているなかで、私だけが不器用に心を曝して日常を送る。
私は、自身が卑しい人間だと自覚している。
もちろん、本心ではそう思ってなどいない。
思っていないクセに、そう装って。〝そうだ〟と言われたときのダメージを、少しでも軽くしようと小賢しくも自身を偽る。
彼女なんていらない。面倒なだけだ。そうやって、また、心を守るための虚言を吐く。
望んでいるくせして、恐がって手を伸ばさず踏み出さない。
そんな醜く臆病な私を、それでも好ましく思ってくれるような娘と添い遂げたい──そんな理想を抱いて、今日も生きていく。
この物語に〝続き〟なんて、ありません。
しかし、明確な〝終わり〟もありません。