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はる と なつ と あき と ふゆ と

作者: 天野 進志
掲載日:2019/02/01

  はる と なつ と あき と ふゆ と



 しんとした雪景色の中、ゆっくりと起きてくるのは、春です。


 春はとっても優しくて、力持ちです。


 春は目が覚めると、まだ眠っている種や草木を力強く、でも優しく起こして回ります。


 種は芽を出し、草木は春から元気をもらって、花を咲かせ、若芽を出してお礼を言います。


 春もきれいな花や若葉にお礼を言って、夏を起こしに行きます。



 夏はさみしがりやさんです。


 春が起こしに来ると、決まってケンカです。


 でも春には勝てないので、いつも泣いちゃうのは夏です。


 それが梅雨になります。


 夏は春と一緒にもっと遊びたいのです。


 春が眠ってしまうと、夏は春が起こして元気になった草木の姿を見て、はしゃぎだします。


 そして、どんどん暑くしてしまいます。


 でも時々、春を思い出しては、泣いて夕立を降らせます。



 夏があんまりにもはしゃぐので、むっくりと起きてくるのは秋です。


 秋はお年寄りですが、とっても物知りで、世話好きです。


 夏にあんまりはしゃぐと、草や木が暑くて倒れてしまうよと話して聞かせます。


 そして夏を寝かしつけると、草や木に種の作り方や、美味しい実のなり方を教えます。


 きれいな赤や黄色の葉っぱに変わる方法も教えます。


 木々は赤や黄色の着物に着替え、秋にお礼を言います。


 秋は木々のきれいな姿を見ると、冬を起こしに行きます。



 冬は眠たがりです。


 木々のきれいな姿を見るよりも、もっと寝ていたいのです。


 だから、みんなも早く寝るように冷たい風を吹いて、草木を眠らせようとします。


 草木はその寒さに、葉っぱを落として眠りに入ります。


 それでも寝ない木や動物たちを眠らせようと、冬は雪を降らせます。


 そして辺り一面が雪に覆われて、しんとなるのです。


 冬はまわりが静かになると、大きなあくびをして、春を起こさずに、寝てしまうのです。



 春は、いつ起きるのでしょう。



 おしまい

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