プロローグ
「ねぇ春、今泉のやつ今日はハイヒール履いてきてるよ」
「しー、声が大きいよ秋、今泉は心のお病気なんだから」
となりのjkが俺の悪口でなにやら楽しんでいるようだ。
「なんて冷静でいられるかぁー! おいお前ら! ……う、なにキョロキョロしてんだ! お前だよ、そこのブス二人組!」
俺は現役大学生で名前は今泉狂谷。
名前に『狂』という字が入っているということで小さないじめが始まり、今となっては今泉=いじめ対象になっている。
認めたくはないが、実際に俺は狂っているとまでは言わないがおかしくはある。
1日の三分の二はなんかぼーとしているのだ。
意識が飛んでいくような感じだ。
しかし、大学の講義ではメガジャキを飲みまくり、できるだけ意識を保っている。
ちなみに、ぼーとなると夢遊病患者の睡眠時みたいになり前文のように母さんのハイヒールを履いてきてしまったり、ランドセルで学校に来てしまったこともあったな。
何度も病院に行ったのだが異常なしといわれてしまう。
「はぁ!? ブスにブスなんて言われたくないしぃー!」
「そうよ、そうよ! 今泉の方がよっぽどブスだしー!」
普段は言われっぱなしで大人しい俺が突然どなりだしたせいで、ギャルたちはとても気が動転しているようだ。
全く、本当にギャルはうざい。
ギャルが世界で一番狂っていると思っているのは俺だけなのだろうか。
人を見下すことと遊ぶことしか目にないくせに大学なんて来んなよ。