掌編小説 其之肆
私は、車に乗っていた。
車は橋を渡っている。
窓からは、海が見えた。
突然、海から、超巨大イカが現れ、橋を壊してしまった。
慌てて車から脱出した。
海に投げ出される。
海水が冷たい。
頭の中はパニックだ。
私を突き動かす恐怖が、逃げろと言っていた。
イカから逃げようと、必死で陸へと泳ぐ。
イカは、いつの間にか三体に増えている。
陸に着き、さぁ、逃げようとすると、地面からイカが現れた。
私は、橋の方へと駆け戻る。
橋に着いた。
また、海からイカが現れた。現れたのは私の目の前。
触手が私の方へと勢いよく降ってくる。
視界の端でカーブミラーに映った私の顔は絶望していた……