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第4話 ガッツドリンクという胡散臭いものをてにいれる。

 皆はガチャガチャをやったことがあるだろうか? 拍子抜けもいいところだ。俺のやったガチャも変哲もない普通にカプセルがでてくるやつだ。すこしは凝った趣向でもあるのかと思った。まあ、いい。


 ガチャのカプセルをあけてみる。しかしながら、硬い……。


「なにこれ、びくともしないぞ。手が痛い」


雷徒(らいず)っちが非力だけじゃね?」


 三流雑魚の光羅(こうら)に言われるとムカつく。人並みには握力はあるぞ。


「あっ、それはレアです。レア演出ですね」


 ガチャガールがあっさりと言い放つが、演出って俺がやるのか? 頭おかしくないか? 適当な事言って誤魔化しているだけだろ。


「嘘じゃないですよ。嘘じゃないですよ。本当ですよ」


 殺気が伝わるようで。慌ててはいるな……。


 だが、絶対にデタラメだろ? これで中身がショボかったら、奴を殺す。


 それでも、あきらめずにカプセルを開こうとする。すると、中身が発光して派手な音を誇示する。なにこれ?


「キター! SSSトリプルえすをひきましたよ」


「は?」


 俺は中身を取り出すと何かのチケットがでてきた。これがレアとでも。飲料の自販機ガチャでこんなものでてきてもな。


「やだな~、喜んでくださいよ」


 ガチャガールはおどおどしながら盛り上がらせようとする。


「内容がわからず反応に困る」


「飲料ガチャのSSSレアと言えばあれですよ。24時間の体力が回復するドリンクですよ。ガッツドリンクっていいます」


「ゲームのクエスト続行数が回復するみたいなあれか?」


「その通りです。マスターさんがこれ以上、動きたくない時に飲めば効果覿面ですよ」


「怪我とかも治るの?」


「それはもちろん、難病すら治りますよ」


「すげえな! 嘘だろ?」


 これは、光羅。バカ! 真に受けるな!


 いきなり、チートなアイテムがでてきたが信用したわけではない。


「本当ですよ。しかも10本セット!」


 俺は改めてチケットを除く確かに簡単に説明が書かれている。そして、このチケットをもってガッツドリンク、オープンと言うと出現するそうだ。何かのカードゲームみたいだな。


 しかし、俺は気になることがある。胡散臭いのである。

 

 ガチャガールが落ち着かない素振りをみても不安を煽る。


「被検体か……」


「や、やだな~そんなことないですよ」

 

 だったら堂々としてろよ。


 多少なら、毒味するが得体がしれないから怖いな。光羅に飲ませるか。とりあえず、俺はガッツドリンクを一本出現させた。


「光羅、このドリンク……え~と」


「ガッツドリンクですよ」


 いや、名前を忘れたわけではないが、このバカ女が横から入るんじゃない。


「ガッツドリンクとお前の持っている飲み物交換しないか? つうか、飲んでくれないか?」


「ひっでぇ! 雷徒っち、俺っちで実験するなよ!」


 避難されているが、聴こえようが浅くて軽い。もう、ひと押しでいけるんじゃんないか?


「お前の好きな、ネタだよ。後でウケる~とか言えるだろ?」


「雷徒っち、本当に酷すぎじゃね?」


 こいつでも警戒するレベルの物か……。ガチャガールっていう女に譲ってためしてみるか?


「ところで、ガチャガールさん」


「はい、マスターさん」


 その前に俺は少し考えた。


「名前はないの?」


「口説いているんですか? 利用規則上で本名を名乗るのは禁止なんですよ」


「誰も、お前の本名なんぞ聞いていない。呼びにくいんだよ。この仕事で、なんか横文字の呼び名あるだろ? 無名?」


「ガチャガールメッサリーナが私の名前ですよ。他のガチャに従事している子はまた別ですね。ガチャガールの次にガチャガールの〇〇です、みたいな」


「そうだったな~。俺っちがガチャする時に居た子は。なんつう言ったっけ? 違う名前で名乗っていたよ」


「忘れるなよ」


「人に興味をよせない雷徒っちがいうなよ」


 そう言われると耳が痛い。


 こいつは、メッサリーナかなんか歴史上の悪女がそういう名前だったような。こいつに質問してもわからないだろうがな。このガチャの世界観で勝手に名付けられたんだろう。


「メッサリーナ」


「なんですか? マスター」


「ガッツドリンク一つあげるからお前が飲め」


「えーと……」


 こいつも実際のところ飲まないとわからないんだろうな。下っ端が。


「でた、雷徒っちの強引なやりとり」


「あ、あの~」


「なんだ? メッサリーナ」


「ガチャガールは、マスターものは受け取ってはならない規則なんですよ」


「本当にか?」


 方便じゃないだろうな。向こうは必死だ。拒否している様が見て取れる


「いいんだよ。ガッツドリンクをお前が飲めよ! メッサリーナさん」


「強行されていますし」


「さあ、てめえが安全かどうか見せてみろよ、メッサリーナさんよ」


「酷いですよ、酷いですよ、ガチャガールには……」


「いいから、飲め!」


「許してください。ガチャの出し物の説明はできますが、使用はマスターさんでないとダメなのが禁止事項で……」


 少し、メッサリーナは半べそ状態のような気がする。


 フェミニストではないがその辺にしておくか。俺って優しい? んなわけない。


「まあ、いい。じゃあ、俺が飲む」


「お、雷徒っち。漢だね。くびっ~と一気飲み」


 うるさいな。拒んだくせに調子がいいな。光羅が飲めば揉めなかったのにな。


 味は普通のドリンク剤ってかんじだな。毒って感じがしない。味わいがだけどな。毒物なんぞ飲んたことがないのでわかるはずがない。


 とりあえず、俺はガッツドリンクというよくある手のひらサイズの栄養材に似た瓶を飲みほした。

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