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第3話 ゴーストタウンにガチャガール

 再び、我が街のゴーストタウンこと商店街に戻る。ニュースの騒ぎ見たからっといって別段何かが変わってはいない。寂れていて人なんぞいない。


 最後にコンビニで電子マネーを買ってから帰宅して再度戻る時間を合わしても小一時間ぐらいたっているのかな? 我ながらズクがあるな……って、この言葉は方言だったことに最近気づく。地元LOVEじゃないのに使用していたとは……。

 

 どうでもいいけど……出身がわかるな。で、ズクってのは面倒で、ズクがあるは面倒臭いと思わず行動することかな。余談で頭の思考をうめたくないが思い出してしまう。


 いい加減な俺がわざわざ出向くほどガチャ騒ぎには興味があった。単に電子マネー買っても使い道がなくなったので暇になったからが本音でもあるけどね。つうか、無理だろうけど返金して欲しいよな。


 夜の風情として観ても、なんの感慨もわかない商店街を歩くとしては愚痴かどうでもよいことしか浮かばない。夜風が気持ちいいくらいだ。


 ひとけが全くない。時間が時間というのもあるけど。昔はメインストリートだったんでしょ? 


 おや? 一人人影が近づいてくる。大の男でも、少々不安になる。危ない人間じゃないよな? 俺は少し戦闘的に構える。あまり、意味がないが……。喧嘩しても負けるだろうし。その影は俺を素通りせずに近寄ってくる。


「よう! こんばんわーす。雷徒(らいず)


「誰かと思えば光羅(こうら)かよ! ビックリしたわ」


 やたらと軽薄で中身のなさそうな容姿をした奴は八木光羅(やぎ こうら)という。名付け親のセンスには恐れ入る。雷徒よりましだが……。


 カテゴリー的に幼馴染みだ。しかし、すこぶるどうでもいい。


 ご都合主義のストーリみたいに同じ高校に通っていない。あだ名はストレートにコーラ。どうでもいいあだ名だ。ハイハイ、邪魔、邪魔、失せろ! 


 まぁ、親しみやすいというかどうでもいいから気を使わずに話やすい野郎ではあるけどね。


「久しぶり~雷徒、元気か? ちょうど会いたいと思っていたら遭遇だよ。俺スゴくね?」


「どうでもいいわ。お前、生きていたのかよ? お前の学校荒れているだろ? デス・ゲームで死んでたと思ってたわ」


「ひでぇ~。で、デス・ゲームって何?」


「知らなきゃいい」


「でさ、ひでぇと言えば、例の騒ぎでどんなもんかとコンビニ行ったよ」


「俺はこれからだ」


「雷徒は連絡先を教えないからな。赤外線受信しねえ? 一人だと盛り上がらないからさ。知ってたらお前誘ったのに」


「呼びたければ、俺ん家の門を叩けよ」


 奴はまるで演技のように間の抜けた表情で驚く。


「それ、考えてなかったわ!」


「で、どうだった?」


「これ、戦利品」


 光羅は手下げているレジ袋を取り出す。まあ、いろいろある感じだ。


「ジャジャン!」


「ふむ、牛乳にカフェオレ、ミルクティー、チーズキャンディーか……」


 なんだかまともだな。乳臭いものばかりだが。


「千円だして若干儲け! いらないけど」


 何を欲しがっていたんだ? こいつは。


「そうか? 食料が一番だと思うぞ」


「そう、らしいな。これから、食料問題が深刻の一つだってニュースでいっていたよな」


「まだ、俺は体験してないけどな。だけど、想像しただけでもわかる。必要とするものを手に入らないって大問題だぞ」


「そのわりには雷徒は楽しげな表情をするな~」


「まぁな、ちょっとそこの自販機でジュース飲もうぜ」


「雷徒……ヒデエよ。俺っちが、飲料あるって今、言ったじゃんか。とりあえず、こっち飲もうぜ」


「いらないものを人によこすな。ちょっと、実験してみたいことがあってね」


 俺は見落としていたことを今気づいたのだ。


 全てがガチャシステムになるのなら、自販機もそうなるだろう。仮に間違えていたら、多分これからは自販機で商売に移行するかもな。あるいは通販とか、考える要素は多い。


「まぁ、やってみるか」


 自販機くらいは辺鄙なところでもある。俺は店をたたんでいるくせに自販機だけはある、もとは何屋か知らないが、その店の自販機に向かう。


 自販機を触ろうと近づく唐突に人影が現れる。なにコレ、転送したの? 的な現れ方だ。


「ガチャガール参上なのです!」


「?」


 ガチャガール。そういえば弟がガチャに関わる仕事していると言ってたな。奴は男だが、股間をまさぐらないでもわかる。こいつは女だ。おっぱいだ。いや、豊胸手術ってのもあるだろうが。で、ガチャに女の子が出てくるのって演出やらサポートだな。


 驚くことに俺がやっていたソシャゲー、アラディアの継承にでてくる、ナビのマスコットキャラとコスチュームが同じだ。格好はエナメルコスといった具合だ。単にエロいだけ、神話の女神キャラとか設定お構いなしだ。


 で、何もない空間から出てきたもんだ。 超常現象? 


 向こうは気にせず進行してくる。


「マスターさん、初めましてで、よかったですか?」


 プレイヤーをマスターと呼ぶのも同じだ。社会的に日本では女の子は見も知らず一般人にはマスター呼ばわりはあまりしない。だよね? だよね? お客さまか名前に様をつける、だよね? つうか、これゲーム感覚? それとも異世界とかのその女の主人でもなっちゃたの? 俺は。


 まあ、向こうが勝手に進行してきたのでどうしようもない。強引である。誰でもああやるの?


「俺っちの時はこの娘じゃなかったな。君のほうが好み」

 

 容姿はどうでもいいが、可愛い部類にはいるのか? なんとなく気が弱そうな感じだけどな。それが顔のタイプにでている。


 光羅は別の形でガチャガールにあっているのか。ブサイクなのか。どこで? あ、コンビニでね。コンビニで出てくるかよ。自販機でもでているけどね。廃れた街の自販機で男二人組相手に女の子がいるけどね。ポン引きじゃないよね? こいつは。 


 あっちもそうだが俺たち未成年だぞ。問題なしか? いかがわしいわけではないか。三次元女に興味ないけどな。


 で、光羅のコメントに付き合ってくれそうだ。


「そうですね。チュートリアルを嫌うマスターが多いので……では、今説明しますが担当によってガチャガールは違います」


「いいや、説明は……」


 親切なのはいいが、俺は初見プレイが好きでやりながら覚えるがいい。だから、どうでもいい。


「そうですか、それではガチャを召喚します。えい!」


 ガチャガールがガチャを召喚するという。2次元女の子が可愛い仕草で変身するみたいなことやっているけどね。正直痛いポーズだね。で、突然にこれまた脈絡なくなにもない空間からガチャガチャが出現する。スゴいな! どういう仕組み? 


「これは、どこにコインいれるの?」


「あっ、電子マネーで対応しています。どこのメーカーでも大丈夫ですよ」


「ちょうどいい、一万円分もっているから回してみよう」


「1コイン1円プラス八%です。1000コインでしたら1080円ですよ。ネットでクレジット払いですと」


「ちゃっかり、税金とるのな」


*この世界では消費税は10パーセントではないです*

【天の声】


「うーん? なにか言ったか?」


 さておき、ガチャを回してみる。ジュースの自販機くらいは何がでても泣くことはないはず。しかし……。


「これ、明らかに飲料とは違うものはいっているよね?」


 見本で選ぶジュースだけではない。何かのチケットがる。玩具のようなものが脈絡なくある。そして、言葉に出したくないものもある……。


「まあ、雷徒っちはガチャ初めてっしょ? 見本がある内はまだイージーだぜ。つうか、何かうにょうにょした気色悪いのは…鰻だよね? コエエ! 鰻だよね? コンビニでも置いてないものあったわ~鮮魚つうか、マグロ一匹もある。うけるわ~」


 コイツはよく喋る。あの不気味な生ものについてはふれるな!


「マグロかコンビニじゃ、扱えないよな」


 多分。


「まぁ、いいや、とりあえずやってみよ」


「では、マスターさん、コインをお願いします。私に電子マネーをお渡しくだされば、コインに替えますよ。それか、ネット内のクレジットでお支払下さい」


「クレジットって年齢考えろよ! 携帯での通話料金合切でも支払えそうだけど、熱くなってとんでもない金額使って後払いは怖すぎるからな。それじゃあ、電子マネーで全部コインにかえてくれよ」


「一万円ですね。じゃあ、計算すると……えーと、えーと?」


「電卓でもつかえよ」


 アプリゲームで電子マネーの不便なところは、一万なら一万八百で支払われないところ。あれ、不満。税金とるにしても、指定した金額の中から税をひくからややこしいし、やりにくい。妙な端数のコインになる。


「では、9259コインになります」


「よくねえよ! 計算したら、30銭損している」


「そ、そこは、私のスマイルで。エヘ!」


「いらねえよ」


「おーい、雷徒っち。30銭って何?」


「0.3円」


「こまけえ~いいじゃん。それくらい」


「俺個人ならな。よく考えろよ。0.3を一億人が妥協したらどうだ?」


「0円しか残らないでしょ? 俺スゴイ」


「バカか、手元には30銭なんて紙幣も硬貨も現在はないが、データ上ならどうよ?」


「えっと……3000万?」


「許せないだろ?」


「すみません、すみません、謝りますから許して下さい」


 ガチャガール弱すぎるな。この仕事やっていけるのか?


「どうにもならないから、いいけどな。」


「代わりにサービスしますから。チラチラ☆」


 ちょっと露出してくるが別に嬉しくない。隣の光羅はちゃっかり、視姦しているけどね。


「わーい、わーい、これは、いきそうになりますわ!」


 光羅は大喜びではしゃいでいる。うざいから死ね。


「ほどほどにしておけな」


 だが、優しい俺は奴をたしなめる。


「やーん☆ ところでガチャは回しますか?」


「さっさとコインに変えろ」


「はい、では9259コインに換金します」


 そこは、9300にサービスしないのか、ぶれないな。


「はい、このカードに9259コインはいっています」


 その、電子マネーのカードはどこからだして、端末を使わずに入金したのかツッコミ満載だが、時間をかけたくないので次に進める。


「で、これどうするの?」


「ガチャガチャにカードを読み込むところがありますのでいれてもらえれば、残コインがガチャ画面に表示しますよ」


 とりあえず、やってみると……。


「色々と選択項目が表示するんだが……」


「マスター、色々ためして下さいよ。チュートリアルが嫌いな方は説明できません」


 いい加減なガチャガールだな……。一応はナビする役目でしょ? まぁ、いいけどな。


 とりあえず、俺は単純に100コインを選びガチャを回す。ガチャを回すのだけはローテクだ。実際に手で握って回した。なんだか、面倒臭い。ボタンでポチッと押せばよくねぇ?


 初めてやるジュース自販機ガチャに何がでるのかオチが気になる。まぁ、ジュースじゃない物もあるしな。

 

 そして、カプセルが落ちてきた。

 

 少々、俺はビビってはいた。周りは気づいていないようだが。何がでることやらだな。

 

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