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71 シアンとの魂姻

おはようございます。

うーんいい朝!

気分も体もとてもスッキリしていていい調子だ。

この感じ覚えがあるな。

そう確か、キデンサーを倒し、シエルが生まれた次の日の事。


「う、うーん」


隣で寝ぼけたような声がした。

シアンだった。


「って、なんでシアンがここで寝ているんだ!?」


ハルさんに殺されるぞ、俺が。


だか、そんな事よりも目に止まる所があった。


「うーん。あー、スズおはようございます。あれー? なんでスズがここにいるんですか?」


ダメだこいつ、寝ぼけてやがる。

確かに昨日俺はベッドでは寝ていないけど、最後にいたのは俺の部屋だった。

てことは、たぶんシアンがベッドまで運んでくれたのだろう。

それはいい。

でも、その後シアンがベッドに入り込んできたのだ。

だからシアンが俺の横で寝ていた。

しかし、今のシアンにはそんな事よりもすごい事が起こっている。


「シアン、ここ」


俺は自分の額よりも少し上の部分。

角が生えている所を指差す。


「ふぇ? ここがどうしたんですか?」


シアンが自分の同じ所に手を当てるとコツンとぶつかった。


「あれ? 頭に何か付いています?」

「ああ、ほらこれで見てみろ」


俺は鏡を取り出してシアンに渡す。


「ありがとうございます。……え、な、なんですかこれは!?」


シアンは驚きの声をあげる。

当然だ。

そこには今まで無かった二本の白い角が生えていたのだから。


「落ち着けって、別に病気とかじゃないから」

「じゃあ、なんですか角が生えているんですか?」

「おそらく進化したんだろう」

「進化?」

「ああ。それで、進化の原因なんだが……間違いなく俺だな」


まず、俺が進化した。

その時の影響で魂の繋がりがある者たちも進化を促したようだ。

爺やとかセレスとかも進化しているかもしれない。


「魂の繋がりですか?」

「ああ、俺とシアンとの間に明確な魂の繋がりができている。魂の結びつきと言った方がいいかな」

「つまり?」

「俺とシアンの魂姻が結ばれた」

「こ、婚姻ですか!?」

「違う魂姻だ。まあ、同じような物だ。魂をレベルにて婚姻されたと思ったらいいよ」

「ふふっ、そうですか。魂姻ですか、ふふふふ」


シアンは少しトリップしだした。

まあ、嬉しいのもわかるけどな。


「おーい、戻ってこい」

「ハッ! あれ? とても幸せな気分だったのですが」


ヤク中か!


「話を続けるぞ。それで俺も進化したんだけど、その時に一緒に進化したんじゃないか?鬼たる俺の共にある存在として鬼に」

「なるほど、そうですね」


シアンは自分の魂を見るべく目をつむった。


「確かに、進化しているようです。スキルも進化していますし」


どうやらシアンは種族だけでなくスキルも進化しているみたいだ。

そう言えば、まだちゃんと俺も調べていないな。

うーん、どうなっているんだろう。

…………うわっ!

何これ?

めっちゃ進化してる。

オーバースキルとか初めて聞いた。

暴食(グラ)』と『調理師』が統合進化されてオーバースキル『暴食神(ベルゼブル)』に進化している。

基本的に二つの能力が足されたようなスキルになっているけど、その性能が尋常じゃないくらい上昇している。

例えば、『暴食(グラ)』では容量の限界があったけど、『暴食神(ベルゼブル)』ではその限界が無くなっている。

暴食神(ベルゼブル)』の中は無限の虚数の空間になっている。


うわー、容量だけでこの上昇とかやばいな。

他の能力もすごくなっているし。


「スズ、どうしました?」

「い、いや、何でもない」


まさか、自分で自分に驚く事になるとは。


「ところで、何でお前は俺のベッドで寝てたんだ?」

「え? いや、あの、それは……急に眠くなってしまったので。……そ、それに私はスズの婚約者なんです。いえ、すでに魂姻してありますね。だからいいかなーって」

「はあ、まあいいけど」

「いいのですね! だったら今日から一緒に寝ましょう!!」

「やめろ、俺がハルさんに殺される」

「ぶーー!!」


ぶーじゃねーよ。

とりあえず俺達は部屋から出てリビングに行く事にした。


「あっ!」


ドアを開けてばったりとセレスに出会った。


「これはスズ様に、シアン様?」


セレスは俺とその後ろにいるシアンを見てその角に驚き、そして顔を赤らめた。


「その、シーツは変えておきますね」

「何勘違いしてるんだ。昨日はすぐに寝たわ!」

「そうなのですか。ああそうだ、陛下から伝言です。目覚めて動けるのなら城に来て欲しいと」

「わかった。シエルはまだ寝ているのか?」

「ええ、ぐっすりと」

「そうか」


その後、朝食を食べてから王城に向かう事にした。

朝食を食べている最中に、今回の進化についてもいろいろと話した。

どうやら爺やとセレスは種族自体は進化していないが魔力量が大幅に上昇し、ユニークスキルも変化したらしい。

まあ、もともと二人とも受肉しているレイスっていう意味わからん感じだもんな。

多分今回で一番影響を受けたのはシアンだろう。


そして、朝食後、王城に向かった。

案内された部屋はハルさんの私室であった。


「よう、元気か?」

「おかげさまで」

「そう。よかったわ」


ハルさんの部屋にはハルさん以外にリーシアさんもいた。


「髪の色とかも元に戻ったようだな。それに凄まじい魔力を感じる。進化でもしたのか?」

「うん。『半人半鬼』から『鬼神』になったよ」

「神か。すげぇじゃないか」


ハルさんはまるで自分の事かの様に嬉しそうに笑う。


「ハルさんは大丈夫?」

「大丈夫と言いたいところだが昨日の戦闘でかなり疲れている」

「……ごめん」

「気にすんな。もう怪我も無い。それにアーシャに任されたからな。お前はもう俺の息子みたいなもんだ。子供が傷ついていたら助けてやるのが親ってもんだ。それで疲れたからってお前が気にすることは無い」

「そっか。うん、ありがとう。だったらハルさんの義息子になれるように頑張ろうかな」


俺はハルさんに触れて『暴食神(ベルゼブル)』から魔力を分け与えた。


「これは?」

「俺の魔力を分け与えた。馴染むまで少し時間がかかるだろうけど、普通に回復しようとするよりは回復が早いはずだ。その状態でどれだけ動ける?」

「8割程度だな」

「十分。ハルさん、今から俺と戦ってくれ。シアンを貰うぞ」


俺がそう言うとハルさんはニヤリと笑って立ち上がった。


「いいだろう。どれくらい強くなったか見てやる」

「ちょっとここで戦わないでしょうね?」

「リーシアさん、大丈夫だよ」


俺は"暴食結界"を使う。

今回はただ異界化するだけだ。

飢餓感も与えない。

辺りが赤黒く、何も無い空間に変化する。


「ハルさんが全力だった場合の力を超えていると思ったら俺とシアンの婚姻を認めてもらうぞ」

「いいだろう。かかってこいっ!」


ハルさんはいつの間にか槍を取り出して構えていた。

俺も『暴食神(ベルゼブル)』から刀を取り出して構える。


「それじゃあ、いくよ!」




活動報告でも書きましたが更新ペースが遅くなります。

申し訳ない。

7割くらいシャドバが悪い

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