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超人さんの転生譚〜人間超えて鬼になる(旧題:超人さんがいく!異世界転生)  作者: 羽狛弓弦
第二章:よくあるかもしれない王都学園生活(仮)
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25 続・入学パーティー

「これはこれはシアン様、相変わらずお美しい」


 そう言ってやってきたのは一人の男子生徒だ。

 その姿を見たシアンは露骨に嫌そうな顔をする。


「なんのようです? チェスター侯爵子息。あなたに名前を呼ぶことを許した覚えはないのですが?」


 おお、この人が俺のお兄さんか。

 俺と全然似てないな。

 まあ当然か。

 俺は前世と同じ容姿だし。

 方やとても珍しい黒髪黒目の人物、方やこの世界ではよくある髪色の色んな意味で貴族らしい容姿の人物。

 誰もこの二人を兄弟、ましてや双子などとは思わないだろう。

 それにしても、シアンこの人のこと露骨に嫌ってるな。

 珍しい。

 まあ、俺のことを殺そうとした家の息子だしな。

 それ以外でも嫌っている節があるが。


「これは無礼をご容赦を。ところであの件のことはお考えになってくださいましたかね?」

「それはお断りしたはずです。それよりも私は彼と話をしているのですが?」

「おっとこれは気が付きませんでした」

 

 これはなんとわざとらしい。


「失礼、たしか主席の方で? よろしければ紹介してもらっても?」

「あなたに紹介する必要は「ああ、シアンいいよ」…そうですか」


 俺はシアンの言葉を遮った。


「スズ・ロゼリアだ。知っての通りこの学年の主席だよ。よろしく、チェスター侯爵子息?」

「っっ! 貴様! 私はチェスター侯爵家の嫡男だぞ! なんだその態度は!?」


 そう挨拶すると、何が気に入らなかったのか、突然怒り出した。

 癇癪持ちか?

 自分の方が身分は上と思っているのかな?

 他国の貴族の可能性は考慮していないのかな?

 周りからの俺についての考察がたくさん聞こえてくるのに。

 まあ、実際は他国の貴族でも王族でも無いからこいつの方が身分は上なんだけど。

 チェスター侯爵家子息が続けて言葉を口に出そうとした時。


「シアンに主席のスズではないか。チェスター侯爵家の嫡男もいるようだな。トラブルか?」


 ハルさんがやってきた。


「こ、これは、陛下、違うのです、この者が私とシアン様に無礼を」


 なにが違うのだろうか?

 シアンのことを呼び捨てにしたのが気に入らなかったのか?

 しかし、さっきシアンに名前を呼ぶなと言われたばかりなのにもう名前を呼んでいるし。


「今日は無礼講だ。それにお前たちは同じ学び舎の生徒なのだ。あまり目くじらをたてるな。シアン、少し疲れているようだな。バルコニーで夜風にでも当たってきなさい。スズもシアンについて行くといい。主席と次席同士で話すこともあるだろう」


 ハルさんはそう言ってチェスター侯爵家子息の話を打ち切り、彼と俺たちを離れさせようとした。


「そうですね。それでは少しバルコニーの方まで行ってきます。スズも来てくれますか?」


 俺は頷き、二人でバルコニーに向かった。

 後ろからチェスター侯爵子息に睨まれながら。

 

 バルコニーには人が少なく、話すにはもってこいの場所だった。

 もっとも人が多くても話す内容を聞かれないようにするくらいはできるが。


「いやー、あれが俺のお兄さんか。全く似ていないね」

「似ていなくて良かったですよ。はあ、本当にあの人何なんですかね」

「お前、あの人のこと相当嫌いだろ?」

「ええ、ただでさえチェスター侯爵家は嫌い

 ですし、あの嫡男はしつこいくらい私に婚約を迫ってくるのです。もちろんお断りしていますよ」

「へぇー、そうなんだ」

「……ちょっとくらい嫉妬してくれてもいいじゃないですか?」

「あれは嫉妬するような存在じゃないだろ?それに、お前が俺以外を好きになるとは思えないし。10年くらいの付き合いなんだ。それくらいは分かるよ」

「……スズ」


 シアンはうっとりしたような表情で俺を見つめてくる。

 ていうか、あの程度じゃそもそもハルさんが許さんだろうしな。

 あれじゃ何百年かかってもハルさんに勝つこと出来ないだろうし。


「早くSランクになってお父様に勝ってくださいね。」

「あー、はいはい。がんばりますよ」

「はい、頑張ってください。それでは、そろそろ戻りましょうか」


 俺とシアンはバルコニーを後にして再び会場に戻ることにした。

 


 会場に戻り、シアンと別れると再び食事を始めた。

 しかし食べ始めてすぐの頃、学園長が俺の元にやってきた。


「やあスズくん、入学おめでとうございます」

「ん? 学園長か、ありがとう」


 学園長、フェアラス・イズレンディア。

 彼は、エルフから進化したハイエルフであり、この学園の学園長だ。

 さらに、この国で3名しかいないSランク冒険者の一人でもある。

 幼い頃から会っていて魔法を教えてくれたりした事もある。

 何故かその時から学園長って呼んでいる。


「さっきは、チェスターくんに絡まれていたようですね」


 そう言えばそのチェスターくんの名前知らないな。

  一応血の繋がった兄らしいがマジでどうでもいいみたいだな俺。


「あー、なんかね。まあ、別にどうでもいいよ」

「それをチェスターくんが聞いたら余計に怒りそうですね。それではまた、学園で」


 そう言って学園長は去っていった。

 その後も俺はパーティーが終わるまで食事をし続けた。

 途中、料理が無くなりかけるてシアンに怒られるというアクシデントがあったが、パーティーは無事終了した。



 翌日、登校した際に、生徒たちが俺を見るとひそひそと話始めた。

 聞こえてきた内容は主に俺の胃袋についてだ。

 まあ、パーティーの料理なんか無くならないようにかなり多く作っているにもかかわらず大半が俺の胃袋の中に収まったからね。

 みんな驚くのも無理は無い。

 別に俺はその事について恥ずかしがるような性格でもないのでどうでもいいが。


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― 新着の感想 ―
[一言] 転生者でありチートな主人公が敵をゴミ扱いする典型的ななろう小説ですね
[気になる点] 誤記でしょうか? 無くなりかけるて
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