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超人さんの転生譚〜人間超えて鬼になる(旧題:超人さんがいく!異世界転生)  作者: 羽狛弓弦
第二章:よくあるかもしれない王都学園生活(仮)
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23 入学式

 今日は学園の入学式だ。

 学園、学園って言っているが正式名称はセルフォール総合学園だ。

 ここ、王都セルフォールの名前を冠している。

 総合学園って名前だけあって、よくありそうな魔法学校や騎士学校や冒険者学校など様々な学校を足したような学園だ。

 前世での大学見たいなものだ。


 そして、この学園は大陸最高の学園と言われている。

 この学園を卒業することが出来れば将来困る事はない。

 と言われているほどだ。

 他国からも多数この学園に入学しようと人がやって来る。


 しかし、そのレベルの高さもあり入学するためのハードルはとても高い。

 定員は1学年310名だ。

 そして、その倍率は10倍どころでは無い。

 もっと高いのだ。

 正確には知らないが100倍以上とも言われている。

 この学園は貴族だろうが平民だろうが関係無く入れるが、同時に貴族でも入学試験に合格出来なければ入ることはできないのだ。

 実力主義の学園である。

 年齢制限は無いので、たとえ、前世で言う浪人しても入学しようとする人たちは多い。

 それほどこの学園は有名で価値のある学園なのだ。



「あー、めんどい。なんで俺が代表の挨拶しなきゃいけないんだよ」


 俺はシアンに愚痴る。

 シアンと一緒に学園に向かう事になっているためシアンと一緒いるのだ。


「主席なんだから仕方ないでしょう。頑張ってください」


 ちなみにシアンは次席だ。


「なんで、シアンが次席なの? 普通王族を主席にしない?」

「学園は実力主義なので無理ですよ」

「十分過ぎるくらい主席の力あるじゃん。歴代でもトップクラスの成績らしいよ?」


 そう、シアンは入学試験で歴史ある学園の中でもトップクラスの成績を残している。

 ジークも2年前同じくらいの成績で入学し、主席だったそうだ。


「それよりもスズの方が上だっただけですよ」


 そんな感じにうだうだしていると時間になり、馬車に乗り込んで学園に向かう事になった。

 ちなみに、俺とシアンは学園の制服を着ている。

 一応服装は自由だがこの制服はかなり上等な代物なためほとんどの人は制服を着ているらしい。

 俺はこの制服の上にいつもの白衣のような上着を羽織っている。

 結構制服にあっているので問題ない。



 学園に着き、入学式の会場の外の待機場所に向かう。

 外と言っても建物の中だけど。

 クラス別に並んでいるようだ。

 クラスは一組30人のA〜Jクラスまでと、上位10名のみのSクラスがある。

 俺とシアンはSクラスの待機場所に向かう。

 まあ主席と次席だから当然だよね。


 さて、生徒が集まるこの場に王女様が来ました。

 さらに珍しい男性も一緒です。

 二人ともどうやらSクラスだそうです。

 それを見た他の生徒は何が起こるでしょう?


 その答えは、ざわざわしはじめる。

「王女様だ!」とか、「王女様と一緒におられるあの方は何方なのかしら」とかいろいろ聞こえてくる。


「お前たち、もう直ぐ入学式だ! 静かにしろ!」


 そして、先生に怒られた。

 しばらくすると、先生から会場に入るように促される。

 Sクラスをトップとして入るようだ。

 クラス内での入る順番はどうでもいいのでシアンを先頭にして会場に入る。

 在校生、教師、保護者、来賓の方々の拍手に迎えられる。


 壇上では来賓や、在校生代表、学院長の挨拶などが行われている。

 非常に退屈だ。

 どこの世界でも言う事同じなのな。

 在校生代表はジークだった。

 ジークも大変だな。


 そんな事を考えていると俺の出番がやってきた。


「それでは続きまして、新入生代表挨拶です。今年度入学試験首席合格者、スズ・ロゼリア君」

「はい!」


 俺は席から立ち上がり、計算され尽くしたかのように優雅に、美しく歩いて壇上に向かう。

 その様はまるでどこかのその容姿も相まってどこかの王子様に見えただろう。

 一応入学式なので先ほど着ていた上着は脱いでいる。


 そして、俺は壇上に上がると新入生代表の挨拶を述べる。

 この挨拶を考えたのはシアンだ。

 挨拶の内容も考えるのが嫌で入学式をばっくれようと思ったがシアンが考えてしまった。

 そこまでされては挨拶をしなければいけなくなった。


 そんなシアンによって考えられた新入生代表の挨拶を終えた俺は再び自分の席にもどる。

 席にもどるとシアンが満足そうな顔をしていた。


 そして、新入生代表の挨拶が終わると今度は国王であるハルさんの挨拶だ。

 まさしく王にして偉大なる聖人の威厳ある雰囲気でハルさんは言葉を述べる。

 その言葉を受ける生徒たちはとても緊張している様子だ。

 しかし俺の目は誤魔化せない!

 あれはかなり面倒に思っている。

 

「ああ、お父様、かなり面倒に思っていらっしゃいますね」


 とシアンは小さく呟いた。

 俺と同じ事を思っているみたいだ。

 ただ、その事に気がついているのはこの場では俺たち以外にジークとリーシアとエシェントさんなどハルさん近しい極々少数の人たちだけだろう。

 何も問題はないとおもうよ。

 

 

 入学式が終わり先生の誘導に従って会場をあとにする。

 そして、向かう先はSクラスの教室だ。

 教室は大陸最高の学園であり、さらにSクラスなだけあって10名しかいないのに広く豪華だ。

 入学試験の順位順に席が予め決められており、みんな自分の席に座る。

  席に着くと男性教師が教壇に着いた。


「さて、改めて入学おめでとう。では、はじめまして、俺がこのSクラスの担任のジョセフだ。武芸の実技も担当しているので宜しくな。さて、この後はお互いの自己紹介をして明日以降の予定を伝えて今日は終了だ。一応夜には入学祝いのパーティーもあるが詳細は後ほど伝えよう。では、俺から始めようか。さっきも言ったが名前はジョセフ・アルバート。この学園の卒業生で5年前に教師として赴任してきた。それまでは騎士団に所属していた。学園の先生が不足してきたので団長からの推薦もあり教師をすることになって今に至るという訳だな。以上だ。よし、それでは主席から順にいこうか。えー、スズ・ロゼリアから、名前と学科とほかは適当に言ってくれ」


 なんか自己紹介することになったので俺は席から立ち上がった。


「えー、俺の名前はスズ・ロゼリア。一応魔法科に所属している。以上、よろしく」

「まてまてまて、それだけか? 他に何かあるだろう?」


 面倒だったのですぐに終わらして座ろうとするが担任に止められた。

 仕方ないな。


  「じゃあ、趣味は料理と食事だ。王都に住むのは今年からなので、もし上手い店があるなら教えて欲しい。…これでいい?」


 担任が頷いたので俺は席に着くと今度はシアンが立ち上がった。


「では、次は私ですね。シアン・グローリアスです。知っての通りこの学園は王家すら身分の貴賤を問いません。ぜひ、皆様も私に話しかけてください。趣味は歌う事ですかね? それでは皆様、一年間どうかよろしくお願いいたします」


 シアンは王女らしく優雅に挨拶した。

 その後も次々と自己紹介をしていく。

 男女半々で、貴族が5人、平民が3人だ。

 その平民の中でも1人が裕福な家の子供らしい。

 まあ、子供の頃から学ぶ機会の多い貴族とかの裕福な家の方が高い教育を受ける事が出来るからな。

 どうしてもレベル高い教育を受けにくい人たちよりも多くなってしまうのだろう。


 そして残った平民の2人、人間の男性とエルフの女性は冒険者でパーティーを組んでおり、若くしてBランクパーティーまで登りつめたのでギルマスから推薦を受けてこの学園に入学することにしたらしい。

 この2人は年上で後はみんな同い年だ。


 自己紹介が終わりこれからの予定を聞いて今日は一応解散だ。

 ただ、夜に入学パーティーがあるので参加は自由だがぜひ参加してくれとのことだ。


 明日の予定はこの学園の案内で、授業などは明後日かららしい。

 今日の学校はこれで終わりだ。

 俺は帰って最近出来た趣味に時間を費やすぞ!


「それではスズ、一旦帰りましょうか」


 まあ、また学園に戻らないといけないんだけどね。


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