2 状況確認
いつの間にか眠ってしまったようだ。
辺りを見回すと誰もいない。
丁度いいから状況確認をしよう。
第一に俺は死んだ。
落ち着いたら死んだ瞬間の事思い出したよ。
あれで生きていたら怖いわ。
確か、鉄骨に胸やら腹やら貫かれたんだったな。
…思い出さなきゃよかったよ。
まあ、そんな訳でこれが夢っていう事はないだろう。
第二にここは地球では無い。いわゆる異世界ってやつだ。
なぜかって?
だって母さんの耳長く尖っているもの。エルフってやつだろう。
最初、俺が覚醒した時はそれが当たり前と思っていたけど、よくよく考えれば元の世界ならおかしいもんね。
あと、記憶にある父さんも人間じゃない。
身長にして二メートル近くある赤髪赤目の頭から二本の角が生えている鬼人だ。
どう考えても元の世界じゃないだろうな。
やっぱり魔法とかあるのだろうか。そこらへんの記憶はないな。
第三に俺はある程度この世界で過ごした記憶がある。
記憶って言っても確かなものじゃなく、丁度夢を見ていたみたいな、はっきりと覚えているのではなく、なんとなく覚えている、そんな感じだけど。
言語が分かることについては、覚醒して無くてもある程度俺の意識が学ぼうとしたからかな?
あと重要なのは、俺は両親の事を親だと認識していたけど、本当の親じゃないことくらいかな?
ほとんど記憶にないけど、今の両親じゃない誰かと暮らしていた様な気がする。
何があって今の両親の所にいるのかわからないけれど育ててくれている事については感謝するしかない。
……こんな所かな?
あ〜〜、なんかまた眠たくなってきた。
せっかく転生したのだ。
悔いのないように精一杯生きよう。
そう決意して俺は瞼をとじた。