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幕間 招待

難産だったぜ。゜(゜´Д`゜)゜。

 神聖国家アーカーシャ。

 世界最大の宗教であるミルセフィア教の発祥地であり本拠地である。

 ここに一柱の神王が存在している。

 天神王ミトラ・ミルセフィアだ。

 名前からわかる通りミトラはミルセフィア教における神である。

 実際に神様が現世に存在しているんだもん。

 そりゃ世界最大にもなるな。


「お待ちしておりました鬼神王様。我が主がお待ちです」


 俺はそんな存在のいる大神殿に来ており、彼の配下に出迎えられている。

 まあ、配下だよな、うん。

 まさか教皇の出迎えられるとは思わなかったけど。

 そんな教皇の連れられて奥の部屋に向かう。


「よく来たな」


 そこには黒い翼をはやした天使が鎮座していた。

 彼こそが堕天使であり神王の一柱である天神王ミトラだ。


「死神魔王が復活したと聞く。災難だったな」

「本当だよ。友人一人が死にかけた」


 いや、マジで朱理は危なかった。

 あと数秒マモンを倒すのが遅れていたら助からなかったよ。


「ふっ、お前自体は余裕だったのか?」

「そんな事はない」


 一対一ならもっと余裕はあったけど、状況的には厳しかった。

 特に時間制限ができた時は、短時間でマモンを倒す状況を作り出すために結構なダメージを負ったしな。


「って、そんな話をしに来たんじゃないんだった」


 とある招待状を一つ取り出しミトラに渡す。


「これは?」

「今度俺の結婚式を挙げるからその招待状だよ」


 マモンを倒してから数ヶ月経ち、なんやかんやあってシアンと結婚式を挙げる事になったのだ。

 既に同棲しているし、魂レベルで結ばれているが、こういうのは大事なのだ。

 シアンも張り切っているし。

 母さんの遺言でもあるからな。


「もしよかったら来てくれ」

「そうだな。参加させてもらおう」


 おっと意外だな。

 そこまで付き合い長くはないが、ミトラはこういうのには来ないものだと思っていた。


「意外そうだな」

「まあな」

「私は、というより私達神王は祭りとかは基本的に好きなのだ。特に好きなのはシャイターンだな」


 ああ、あのおっさんは来るだろうなと思っているが、やっぱり好きなのか。

 あのおっさんも何度かうちに来た事があるが、見た目通り豪快で気のいい奴なのだ。

 俺の飯を気に入ったのかそれ目当てで良くやって来る。

 神王の中ではレヴィアの次にうちに良くやって来るんじゃないかな?

 ハルさんとも意気投合するし。


「ベルフェストもか?」

「あいつはよくわからん。招待すれば来るだろうがすぐに寝るな」


 あの爺さんが起きている所見た事ないかも。

 でも、来るのか。

 一応招待状用意しておいてよかったな。


「ルシアはどうだ?」


 神王の中で結婚式に来るんじゃないかと思っていたのはレヴィアとシャイターンとイルミスの三柱だ。

 逆にどちらかと言うと来なさそうだったのはルシアとミトラとベルフェストの三柱だ。


「ルシアも呼べば来るだろう。あいつもこういうのは好きだ」


 神王連中は祭りが好きと。

 俺も結構好きだしな。


「そっか。ありがとう。あいつらにも招待状を渡しておくよ」

「そうするといい。それで、私に会いに来たのはこの招待状を渡しに来ただけではないのだろう?」


 チラリとミトラは俺の後ろで固まっている二人を見る。

 その二人は爺やでもセレスでもない。

 ゼンジローとサヤだ。

 結婚式の招待状を渡す以外にも二人をミトラに会わせてやりたかったのだ。

 聖人に関してはミトラが一番詳しいだろうから。

 なんせ、ミルセフィア教はミトラが対天使対策としてヒトの中から戦力になる奴を育てるために作った宗教だから。


「ああ。この二人は素質があると思うのだけど、どう思う?」


 俺から見ればいい線いくと思うのだけどな。

 特にサヤは。


 ジッとミトラはゼンジローとサヤを見る。


「フッ。まだまだだな」


 まだまだね。

 まあ、確かにまだまだだな。

 先ほどからゼンジローとサヤは一切身動きを取っていない。

 ミトラの聖なる気に当てられているのだ。

 そのせいで喋る事も動く事も出来ない。

 二人ともミトラが神王だと分かっている。

 神王がどのような存在なのかも。

 それでも礼を取ることすら出来ないのだ。

 だからまだまだ。

 逆にいえば、成長の余地は十分にあると。


「私の保有するダンジョンを使わせてやろう」

「あの死んでも生き返るとかいうダンジョンか?」


 噂でここにはその様なダンジョンがあると聞いた事がある。

 ダンジョンではなく神の試練としてだが。


「正確には魔力で化身を作っているのだ」


 そういう事か。

 魔力で化身を作り、それに魂を移す。

 そしてダンジョンで魂の修練を行うと。

 だから、死んでも消えるのは化身であって本体は無事という事なのだろう。

 魂を鍛えれば存在の格が上がる。

 それは肉体にも影響を及ぼすものだ。


 結果的には死んでも生き返っているのか。


「いつでも使えるが」

「だったら今から放り込んでやってくれ」


 今は固まっているがこの場から離れればすぐに元に戻るだろう。

 元々ミトラに会わせるのも聖人に至るための修練のためだ。

 今から放り込んでもなんの問題もない。

 幸いサヤは転移魔術を使える様になったし。

 かなり時間はかかるが。


「そうか。ゼーレスタ、案内してやれ」

「かしこまりました。ご案内します」

「あ、はい」


 ゼンジローとサヤは教皇ゼーレスタに案内されてダンジョンに向かっていった。

 二人とも右手と右足を同時に動かして歩いていっているのでミトラの気に当てられたままだが、動けてはいるので最初よりはマシだな。


「ああ、そうだ。シエルの使用も許可してもらっていいか?」

「お前の妹だったか。確か、勇者の」

「ああ。シエルは今強くなろうとしていてな。今は俺が鍛えているが、その内ダンジョンを使わせてもらえば助かる」

「素質があるのであれば歓迎する。お前から見てどうだ?」


 シエルの素質か。


「ぶっちゃけると尋常じゃない素質があるぞ」


 幼いからなのもあるが、成長速度が尋常じゃない。

 さすがに技量では勝っているが、シエルと同じ年齢の頃の俺よりも魔力はかなり大きいんじゃないかな。

 剣術もどんどん身につけていっているし。

 ゼンジローとサヤの二人掛かりでどうにかなるってところかな。


「確か真祖の吸血鬼でハーフエルフだったか」

「今はハイハーフだな」

「それは、凄まじいな」

「一度戦ってみたらどうだ。びっくりするぞ?」


 修練なのである程度は許容するが、大きな怪我でもさせたら怒るけどな。


「そうだな。機会があればそうさせてもらおう」


 その後も少しミトラと話してから俺は屋敷に帰っていった。


次回、結婚式!

まだ一文字も執筆していない。゜(゜´Д`゜)゜。

引っ越しとか別作品とか書いていたからね。仕方ない。

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