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102 vs死神魔王 後編

宮本へのヘイトがすごい事にΣ(゜д゜)

「うおぉぉぉ!! 良くも佐藤さんを!!」


 先に動いたのは俺でもマモンでもなかった。

 宮本であった。

 朱理がやられたのを見た宮本は激昂してマモンに飛びかかる。


「邪魔だ」


 それに対しマモンは虫を払うように手首を振るった。


「うあああぁぁぁぁぁぁ」


 本当にマモンにとって宮本は周囲をうろちょろする目障りな虫でしかない。

 存在的にも、力的にも。

 だから払っただけ。

 それだけで宮本は遠くまで吹き飛んでいった。


「シッ」


 そして、それが第二ラウンドの始まりの合図であった。

 マモンへと一瞬で間を詰めて切り掛かる。


「おおおおおお!!」


 次から次へと。

 防御も考えずに。

 マモンを切り刻む。


「小賢しい!!」

「ぐっ」


 当然そんな事をしていると反撃を食らいダメージを受ける。

 が、そんな事はお構いなしにまたマモンに突っ込んでいく。


「どうしたぁ!! 3分で我を倒すんじゃなかったのか?」


 今の状況、どちらかと言うとマモンが優勢だ。

 朱理から奪った能力でマモンは次から次へと回復する。

 奪った能力とはいえ、使用者は神王クラスの存在だ。

 固有のオーバースキルほど力じゃないが、追加される力としては十分過ぎるほどの能力を発揮する。

 対して俺は防御も考えずに攻撃している為に何度も反撃を食らいダメージを蓄積してしまっている。

 まともに戦えば普通に勝てる自信がある。

 現に先ほどは俺が圧倒していたと言ってもいい。

 しかし、朱理の命の為にも3分以上もかけられない。

 その焦りが俺の動きを鈍らせている。


「死ねぃ!!」

「がはっ!!」


 ひたすら攻撃を続ける俺には隙が多い。

 マモンの大鎌による攻撃をまともに受けてしまい、地面に叩きつけられる。


「どうした、終わりか?」


 マモンは上空に浮かびながら余裕そうな表情で俺を見る。


「ああ、終わりだ」


 その表情はすぐに凍りつく事になった。


「あ?」


 何故なら、自身の胸部が爆発したから。


「なっ、これは!?」


 何かの攻撃かと判断したマモンはとっさにその場を離れようとするが、今度は腕が爆発した。

 正確には、腕の周囲の空間が爆発した。


「何だ!? 何をした!?」

「"爆神掌・残"。周囲の空間に"爆神掌"を無数に設置した。もちろん隠蔽性を持たせてな」


 マモンの周囲には"爆神掌"を打ち込んだ瞬間の闘気を無数に張り巡らせたのだ。

 奴に認識出来ないように隠蔽性を持たせて。

 後は、マモンがいる場所の"爆神掌・残"を起爆すればいいだけだ。


 俺が何も考えずに突っ込む訳ないだろう。

 俺がそうそう動きが鈍る訳ないだろう。

 突っ込んだのは、奴の周囲に"爆神掌・残"を張りめぐらせるため。

 動きが鈍ったのは隠蔽性を持たせるのに集中していたから。


「こんなもの、ゴフッ!!」


 それでも"爆神掌"自体にあいつを殺すだけの火力はない。

 さらに"爆神掌・残"は通常の"爆神掌"よりも多少火力が低くなってしまっている。

 しかし、何度も受ければ?

 一発でも十分に脅威なのだ。

 無視できるはずがない。


「ぐ、ふう、ふう。だいたい見えてきたぞ。失敗したな。自分の技を自分で食らえ!!」


 無視できずにマモンは"爆神掌・残"の支配権を次々と俺から奪ってしまう。

 突っ込めば、今度は俺が"爆神掌・残"の餌食になるだろう。

 だが、突っ込む。


「バカめ!!」


 バカはお前だ。

 マモンの言葉通りに俺は自分の技を自分で食らう。

暴食神(ベルゼブル)』で。

 "爆神掌・残"は純粋な闘気の塊だ。

 いくら、相手に支配権を奪われようがいくらでも捕食できる。


「なっ!? く、くそっ!!」

「おそいっ!!」


 "爆神掌・残"が俺に捕食された事で起爆せず、その事に驚きながらもマモンは咄嗟に大鎌で俺を迎撃しようとするが遅すぎる。

 "爆神掌・残"の支配権を奪う事に集中しすぎたな。


 鞘に収めた刀に手をかける。

 放つ技は対人用の奥義。


「"絶閃"」


 対人奥義"絶閃"。

 俺が唯一神王になってから編み出した抜刀術だ。

 元々、俺の刀"空切"には鞘はなかった。

 あまりにも切れ味が良すぎるため、通常の鞘には納められなかったのだ。

 では、通常じゃない鞘なら?

 俺はアルマに頼んで"空切"に合う鞘を作り出して貰った。

 普通に戦っても俺は強いが、手札は大いに越したことがないし、やはり抜刀術は強力なので、今後天使と戦う時の為に必要だったのだ。

 そして、神王になった後にアルマに鞘を貰い、この技を編み出した。

 極限まで研ぎ澄まし、磨き上げ、鋭くした一撃。

 刀を滑らせる事によってさらに加速し純度を上げる。

 単純な火力や応用力ならば"天翔烈空斬"の方が上だろう。

 ただ、人型の存在を殺すという意味ではこちらの方が上だ。


 抜刀と共に放たれた技はマモンに一切の抵抗を許さずに真っ二つにする。


「なん……だと……」


 それでもなおマモンは生きている。

 生きているが、料理は完成した。

 食べごろだ。


「食らいつくせ『暴食神(ベルゼブル)』!!」


 すかさず『暴食神(ベルゼブル)』にてマモンを捕食しにかかる。


「ばかな!! この我が、こんなガキにぃぃぃぃぃぃ!!?」


 死神魔王マモンはそう叫びながら俺に捕食され、消え去った。




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