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100 vs死神魔王 前編

祝!本編100話目!!

 死神魔王マモンはオーバースキル『強欲神』の保有者だ。

 その能力は奪う事に特化している。

 事前にレヴィアから聞いたのはそれだけだ。


 交差する刀と大鎌。

 その余波だけで周囲の環境に多大な影響を及ぼす。

 地は窪み、空は裂け、木は吹き飛ぶ。

 周囲の空間すら安定しない。

 神王クラス同士の戦いとは、それほど強烈なのだ。


「"エナジードレイン"」

「"エナジースティール"」


 しかしそれは周囲への影響でしかない。

 俺にとって厄介なのはエネルギー吸収攻撃だ。

 いや、俺も攻撃とともに相手のエネルギーを吸収しているのだが、相手もまた、俺のエネルギーを奪って我がものにしている。

 自分と同じ事をされているだけだが、厄介なのには変わりはない。


「"冥府の呼び鈴"」


 距離をとったマモンは俺の周りに巨大な呼び鈴を出現させる。

 それは、口を俺に向けて囲っていて、まるでドラゴンがブレスを吐くかように魔力が収縮していく。


「"シナジースティール"」


 さらに、避けられないようにする為にマモンは俺の体の操作権を奪った。

 一瞬で取り戻したが、それでも動きは止まった。

 俺に向かって、あらゆる方向から超高濃度のエネルギー収縮砲が放たれる。

 が、しかし、俺には放出系の技は効かない。

 エネルギー収縮砲を問題なく捕食する。

 それと並行して術式を組み立てる。


「"メテオストライク"」


 そして、俺の魔術の中でも最も強い部類の物理魔法を使う。

 宇宙から隕石を召喚し、マモンの頭上に落とす。


「"マジックスティール"」


 しかし、その隕石の軌道は途中で変更し、俺に向かって落ちてきた。

 ちっ、追尾機能を持たせた事が祟ったな。

 それにしても構築後の魔術も奪うか。

 面倒だな。

 左手を上空に向け、隕石と接触すると同時に捕食する。

 そして、そのままマモンに向けて吐き出す。

 落下してきた時と同じ勢いで放たれる隕石。

 マモンはそれを大鎌で一刀両断にした。


「……流石は神王なだけの事はあるな。少し舐めていた」

「それはどうも。そっちも封印されていた割には動けているじゃない」

「ぬかせ。遊びは終わりだ」


 小手調べを終わりか。

 だいたい能力はわかったけれど、それはあちらも同様だろう。

 油断は出来ないな。


「"白神招来"」


 俺は変身能力を使う。

 黒かった髪は真っ白になり、逆に白かった角は漆黒となる。

 そしてその眼は紅く染まる。

 変身と言っても見た目はそれだけしか変わっていない。

 普段の俺の色違いだ。

 姿だけ見ればあの時の。

 俺が暴れ狂う直前の姿だ。

 しかし、今の精神は問題ない。

 言うなればこれは力の解放。

 その力はより戦闘に特化した力になっている。

 これは俺の戦闘モードである。



 さてと、白鬼モードの俺は強いぞ。

 覚悟しろよ。



 ー▽ー



 戦いはさらに激化する。

 先ほどの一連の流れで互いに魔術はほぼ無効だとわかったので自然と白兵戦になる。

 偶に牽制で遠距離攻撃するくらいだ。


「シッ」


 大上段からの振り下ろしをマモンは大鎌で受け止める。

 そして、そこから刃の付け根部分で刀を絡め取ろうとするが、その瞬間に刀を捕食する。


「なに!?」


 そこからさらに一歩踏み込み、


「"爆神掌"」

「ぐぉっ!!」


 掌底打ちと共に収縮した闘気を打ち込んだ。

 吹き飛ぶマモンにさらに追撃しようとする。


「小癪な!!」


 即座にマモンは体勢を立て直し大鎌を振るう。


「"反鏡"」


 それに合わせ、俺は刀の切っ先に闘気を集中させ解き放った。

 ハルさんが俺の"爆神掌"を参考にして開発したらしいカウンター技だ。

 扱いは難しいがかなり有用な技なので真似させてもらう。

 マモンの攻撃は"反鏡"によってそっくりそのまま反射される。


「ぐっ!!」

「"爆神掌"」


 ダメージを受けた上に大鎌がカチ上げられたのでその隙だらけの胴体にもう一度"爆神掌"を打ち込んだ。


「どうした、そんなもんか?」


 戦いは激化しているものの、次第におれが優勢になっていく。

 確かにマモンは強い。

 しかし、やはり封印されたのは奴にとって問題だったのだろう。

 それなりに鈍っている可能性がある。

 それでも油断はできないが。


「ぐっ、くそがっ!!」


 悪態をついてはいるものの、マモンはまだまだ健在だ。

 "爆神掌"は強いし使いやすいからお気に入りの技だけど、必殺の技でもない。

 残念ながら、ストック出来る"爆神掌"は何の変哲もない純粋な闘気の塊だ。

 単純な威力はあるものの能力によるダメージの底上げは出来ないので必殺と言うほどの火力はでない。

 日常での保存性と即応性と考えるとここらが限度なんだよな。

 もっと強い"爆神掌"を打てない事はないけど、それだと一から構築しないといけないし。

 さすがに戦闘中にそんな暇はないし。

 まあ、それでも少なくないダメージを与える事が出来るので使いやすい事には変わりない。


「オォォォォォ!!」


 マモンが叫び声を上げる。

 ゆっくりと中空に浮いていき、スー、と暗黒の衣装を纏った巨大な死神が現れた。

 というか、巨大なマモンだ。

 巨大化というよりも、自身を核とした召喚に近いな。

 実際に中央部分にマモンがいる。

 にしてもデカすぎないかな?


「冥府に落ちろっ!!」


 その手に持ったマモン同様大きくなった大鎌を俺に向かって振り下ろす。

 全ての存在を刈り取るように。

 避けられる。

 が、それだと後方にいるゼンジロー達に当たってしまうなこれだけ大きいと。

 仕方ない。


「"天翔烈空斬"!!」


 俺が最も信頼し、最も威力のある技を放つ。


「グオォォォ!!」


 空をも斬り刻むエネルギーの奔流は巨大マモンを全て飲み込む。

 後に残ったのは小さい、いや通常サイズのマモンだ。

 巨大マモンは消滅した。


「はぁ、はぁ、はぁ。く、くそがぁ!!」


 ギリギリと歯ぎしりを立て俺を睨むマモン。


「お前じゃ俺に勝てんよ。大人しく死ね」

「ふざけるな!! 我を見下しおって。必ずお前を殺してその力を奪い取ってやる!!」


 マモンが周囲に巨大な魔法陣を出現させる。

 召喚魔術か。

 そして、そこから現れたのは、大きな骨のみのドラゴンであった。






まさか、100話も投稿する事になるとは。

まあ、通算ではすでに過ぎているんですがね。忘れてました。

それでもやっぱり嬉しいです。

このまま完結に向けて頑張っていきたいと思います。

引き続き超人さんをよろしくお願いします。

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