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第一章 砂塵の都 第三話 パナタスに集う者達 前編

プログにあるのとは違く、長いので前、後編分けました。後、多少の改訂も…




すいません、読み直したら一部文が抜け落ちていた部分が有りました。その間に読んだ人は本当にごめんなさい。

港町パナタスはネファリウスに存在する六大陸の内でも最大の規模を誇るレアネ大陸の最も南に位置する町である。

ガネスト神国内に在る、西側の港以外を外壁に囲まれたその町はザス荒野とトガレマ大砂漠のほぼ境にあり、人口約3万5千人の六割が町の北東に在る巨大な鉱脈を保有するパナタス鉱山で働く労働者で占められている。

町の中心にある大きな広場にはガネスト神を象った下半身が馬の様な半獣半人の像が中央に置かれ、広場から東西に伸びた大通りを境に主に商人や首都から派遣された貴族が住む豪華な邸宅が立ち並んだ北部.労働者達が住む雑多な南部に区分けされていた。

広場は連日多くの露店が店を出して賑わっており、大通りにも様々な商店・酒場・宿屋が軒を連ね絶えず人が出入りしている。そんな非常に活気に満ちた一角にパナタス冒険者ギルド支部はあった。




(どうしよう…このままじゃクエスト受けられない…)


ギルドのクエスト掲示板の前に薄い褐色の肌を持つ小柄な少女が一人佇んでいた。十代後半ぐらいであろうか? ショートヘアーの髪は森の木々を写しとった様な深い緑色を称え、猫を思わせる大きな目も同様の色に染められいる。

黒い無地のシャツの上に丈夫そうな前の開けられた白いジャケットを羽織り、下には焦茶色の短パンを穿き、足には同じ色をした膝元まで届く編み込み式のブーツを身に着けている。

腰に斜めに巻かれた太いベルトの左側には蓋を閉められた円錐状の筒が二つ取り付けられ、また、腰の後辺りの部分には長さ40cm程の大振りなハンティング・ナイフが鞘に納められいた。

この掲示板の前で困った様子で立ち尽くす少女の名前はリティア・クローバ―と言い、ガネスト神国の北にある三連合国の内の一つ、エギリア国出身の7ヶ月前に冒険者になったばかりのCランク冒険者である。冒険者ランクはD、C、B、A、S、特Sランクの六段階に分かれ、特Sランクが一番高い。D〜Bまでは比較的に楽に駆け上がれる、クエストの難易度がどうであれ、一定数の依頼をこなせばいいからだ。

早い者では一年掛らずにBランクになる者もいる。しかし、それ以降のランクに上がるのは非常に難しくなる。

未確認遺跡の発見、国やギルド本部から直接年に数回下される非常に難しいクエストを複数回成功させるなどの何かしらの功績をあげなければならない。

そういった国や本部経由のクエストで生き残り、何とか依頼を成功させた者は口を揃えて皆こう言うアレは百遍死ねると。その様な事情からAランク以上の者は冒険者全体から見ると非常に数が少ない。

そもそもクエストとは何かと言えば、ようするに冒険者ギルドに寄せられた依頼の事である。小さい物は個人から大きい物では国からなど様々な依頼がギルドに日夜集めれている。

そういった依頼はギルド職員によって選別され、許可が降りた依頼がクエスト掲示板に張り出されるのだ。(もちろん仲介料金は戴いているが)

冒険者はそれを受け、成功報酬を貰う事により、日々の生活の糧を得ている。


(ミゲールさん、こんな事一言も言ってなかったじゃない…)


リティアはこのクエストを教えてくれた一回り以上年齢が違う、冒険者を引退した髭面中年男の事を思い出しながら、掲示板に張り出された紙を暗鬱とした気分で見つめていた。普段、彼女は故郷であるエギリア国を拠点に活動をしている。

そんな彼女が何故、こんなレアネ大陸の最南端の町くんだりまで足を伸ばしたかというと、冒険者の間ではパナタス名物と言われている、期間限定のクエストを受ける為だ。

せっかく冒険者になったのに冒険らしき事を全くしていないのに気付いた彼女はミゲールに相談した所、このクエストを紹介された。

彼が言うには出没するモンスターもそんなに大した事なく、遠足気分で受けられるわりに貴重な遺跡を探索出来るというもので、それを聞いた彼女は時期が迫ると喜び勇んでパナタスへと旅立ったのである。

しかし、初めて故郷のエギリア国から外に出たリティアは勝手が違うガネスト神国で道中かなりまごついてしまい、予定していた日よりかなり遅れてパナタスに到着してしまっていた。

慌ててギルドに向かい、募集期日が打ち切られていないか確認した所、今日の夕方までというギリギリなものあったが何とか間に合った事に安堵した―――紙の最後に書かれた注意事項を読むまでは…


“……には未調査区画も存在する為、不測の事態も考えられる。よってCランク以下の冒険者の単独参加は認めない。参加する場合はBランク以上の者一人以上か、又は、Cランク以下の者と三人以上でパーティーを組む事…


そんな文字が踊っている注意事項から目を外し、リティアは掲示板の置かれた部屋を見回した。周囲には人気がなく、掲示板の反対側にある受付カウンターに座ったギルドの女性職員以外は誰もいなかった。

おそらく、このクエストに参加する者達は前日あたりに受付を済ませ宿にとっくに引き揚げてしまったのだろう。


「…せっかく、此所まで来たのに…」


彼女は顔を落とし、床を見つめ、今にも泣きそうな表情を作るとそう呟いた。これを逃すとこのクエストは来年のこの時期まで受けらなれくなってしまう。

しかし何の打開策も思い浮かばず、リティアは掲示板の前から動けなくなった。



…どれくらいそうしていたのだろうか、リティアは掲示板の前で塞ぎ込む自分に影が差しているのに気付いた。

どうやら後に誰かが立っているらしい。ゆるゆると顔を上げ、振り向き、その人物の姿を見た彼女はかなり驚いた。自分の頭二つ分程高い身長を持つ男性は髪や服装、背に担いだ大剣、至るところ全てが真っ黒だったからである。

リティアと目があった彼は今にも倒れそうなかなり疲れた声で話しかけてきた。


「…悪いが… 少し、どけてくれないか…」


「は、はい! ごめんなさい!」


リティアはそこから慌てて飛び退いた。男性はそんな過剰反応せんでも… といった感じの少し傷付いた表情になるが、クエストを確認するのを優先したのかそんな彼女を一瞥しただけで、掲示板へと視線を移した。


「良かった… 間に合ったみたいだな。」


掲示板に張られた数枚の紙を一つ一つ確認していた彼はリティアが先程まで見ていた期間限定のクエストが書かれた紙にしばらく目を留め、呟いた。

彼の様子を眺めていたリティアはその一言を聞き、ある事を閃いた。


(間に合ったって事は一人でも参加出来るって事よね…。注意事項までちゃんと読んでたみたいだし…。つまり、Bランク以上のこの人と組めば、わたしもクエストに参加出来るっ!!)


黒ずくめでかなり怪しい風体の青年だが、このまま目的にしていたクエストを受けられず、おめおめと故郷に帰還するよりはマシだと考えた彼女は意を決して彼に話し掛けた。


「ねぇねぇ君、このクエスト受けるの?」


「…ああ、そのつもりだ」


さっき自分から慌てて退いた少女が、人懐っこく話し掛けてきた事を不思議に思いながら彼は答えた。


「お兄さんのランクは幾つ?」


「Bだが… それがどうした?」


その言葉を聞いたリティアは花が開いたかの様な満面の笑みを浮かべると更に青年に言い募る。


「じゃあさ、わたしとパーティー組んでくれない?Cランクで一人じゃこのクエスト受けられないのよ…」


「すまんが… 俺の一存では決められないんだ」


「……誰かともう組んでるの」


打って変わって悲しそうに肩を落す少女。(無論、演技だが…)

その姿に青年は珍しくうろたえ、困った顔して話を続ける。


「いや、その…何だ。結構大雑把な人だから、案外話してみればどうにかなるかも知れん」


「ホント!」


少女は再び笑顔になると青年を見上げた。


「俺もその人に誘われた口だからな。取り敢えず来たら相談してみよう。」


リティアが立ち直ると、ホッとしたのか柔らかく微笑む青年に、最初持っていた黒ずくめの怪しい男から変な格好だけどいい人っぽいと印象を変えた彼女は生来のイタズラっぽさを発揮したのか


「ありがとう!」


と言って、唐突に胸を押しつけるように抱き付いてきた。これに焦ったのは青年で、顔を引きつらせながら叫ぶ。


「いきなり何を!?」


「感謝の気持ちを現してるのよ。それとも、何? わたしにドキドキしちゃった?」


ニンマリと意地の悪い微笑みを向けてくるリティアに青年は更に言い募る。


「そういう問題じゃない!人がいるとこで抱きついてくるな!加えて、そんな台詞は育つとこ、育ってから吐け!」


「っな! これでも人並み以上はあるわよ!」


青年から離れ、どうだと言わんばかりに胸を張るリティア。

彼は主張された場所をチラリと見る。


「……何処の平均で人並み以上と言ってるのか知らないが、アンタのそれは世間的には小さ…」


「黙れ」


まるで、親の仇を眼前にした復讐鬼のソレで睨みつけてくる彼女に青年は冷汗を一筋流し、顔を背けた。

流石に自分の気にしている部分を指摘されたせいか、リティアは憮然とした表情で反撃を開始する。


「大体、あんただって何よ その黒ずくめ。下手すりゃ自警団に取っ捕まるわよ」


「この格好は俺の趣味じゃない」


「へぇ… だとしたら恋人のとか… どっちにしてもセンス悪すぎよ」


そう言い放つリティアに青年は頭を抱えた。これは彼の【相棒】の趣味であり、ここまであからさまに侮辱されて彼女が黙っているワケがない。現に…


(シュウ… どうやらこの小娘、余程命が惜しくないらしい! 叩き切ってやるのじゃ!)


青年――シュウの心の内にネーリアの怒声が間髪を入れずに響き渡ってくる。


(落ち着け、ネーリア!)


(お主がやらぬと言うのなら、我が直々に手を下してくれるわ!)


ネーリアが何かしらの術を行使しようとしているのか、黒剣から薄い黒い靄が僅かに漏れ出す。

シュウはそれを強制的にやめさせようと、戦いの時の様に無表情になり、全身に力を漲らせた。




「え…」


リティアは頭を抱えたシュウが顔を上げた瞬間に愕然とした。

そこには先程までいた、人の良さそうな青年ではなく、何処までも人形染みた能面の様な表情を浮かべた“モノ”が立っている。

纏っていた凡庸とした雰囲気が消え、彼から溢れ出す得体の知れない何かがリティアを蝕み.彼女の体は自分の意思とは関係無しに震え始めた。


(あ… あ)


シュウが全く感情の色が見えない黒い瞳をリティアへ向けた。それが、少女の緑色の瞳と交わる。


「い…や」


リティアは恐ろしかった。

ここまで感情を抱かずに“何か”を見る人間などに会った事は無かった。人間は風景・物・生物…とにかく外界にある存在を目にすれば正負どちらの方向にせよ、何かしらの感情の動きがある筈だ。

しかし、目の前の青年からそういったものは全く感じられない。怖気が走る様な何処までも空虚な瞳でリティアを見据えている。

視線に耐え切れず顔を逸そうとするが体はいう事をきかない。

目には涙が溜まり、すぐにでも決壊してしまいそうだった。

今の彼の瞳に見つめられると自分が世界にとって全く何の価値の無いものだと知らされているようで…

リティアがそう思うと、ゆっくりとシュウの片腕が動きだし、彼女のもとへ伸びてくる。

其れが少女にはまるで己の命を刈り取りに来た死神の鎌に見えた。


(真っ黒いし… あながち間違えじゃなかったのかな…)


リティアはその鎌を享受するかのように瞼を閉じる


(あーあ、短い人生だったわ。冒険者なんてやめときゃ良かった……… アレ?)


リティアはおかしい事に気付いた。ついさっきまで自分を飲み込んでいた得体の知れない気配が嘘みたいに消えている。

加えて、ろくにものを考えられなかった自分が、どうして明瞭に意思を発する事が出来るのだろうか?

疑問の答えを得ようと頭を廻らせようとした瞬間、左肩にポンっと軽く何かが置かれる。その衝撃に彼女が目を開くと、


「大丈夫か?」


今までの事は夢か幻かと疑いたくなるような彼女を心底、心配するシュウの顔があった。


「…………へ? きゃあっ!!」


「うおっ!」


呆然と意識を飛ばしていたリティアだが、目の前にシュウの顔が広がっているという異常事態に混乱した為か、普段は絶対に出さない女の子らしい悲鳴をあげる。

そして、肩に置かれた手を振り払うと、慌ててシュウから飛びず去った。


「…あんた、何者なの?」


リティアは再びシュウを見据え、油断なく身構えながら、右手をベルトの後ろに携えれたナイフの柄にかけ、逆手で握り締めた。

とてもじゃ無いが、彼が発していたモノは普通の人間が放つような気配ではない。

初めてモンスターと戦った時でさえ、あそこまで死をすんなり受け入れられるような畏怖をリティアは感じなかった。

シュウは眼に完全な敵意を宿した彼女を見ながら、あっちゃ〜とでも言いたげな表情を浮かべ、バツが悪そうに頬を掻いている。


(ネーリア… お前のせいだぞ…いつも厄介事を持ち込んでくれるな…)


(我はこの…生、意気な、小娘に、天罰を与、えようとしただけ、じゃ。それよりさっさとこれを解かんか!)


今、彼のイメージの中では少女姿のネーリアが鎖に雁字搦めにされ、もがきながら文句を言っている。

別にシュウはリティアに対して何もしていない。逆に助けようとしただけである。

怪しげな術を発動させようとしていたネーリアを止める為に知り合い連中からも不評な戦闘モードになってまで彼女を止めたのだ。

そんなにあの状態の俺は変なのだろうかと返答次第では斬り掛かって来そうな少女を見ながら、シュウは深く溜め息を吐いた。

その仕草が癪に障ったのか、リティアは柳眉を益々吊り上げらせ、


「答えなさいよっ!!」


と部屋中に響くような大声を張り上げた。

その声にカウンターで、事務仕事をしていたギルドの女性職員も顔をあげる。

何やら雲行きが怪しい事を悟ったのか、椅子から立ち上がると奥へと引っ込んでしまった。おそらく人を呼びに行ったのだろう。

その様子を横目で見ていたシュウは事態がかなりヤバイ方へと推移しつつある事に気付き、リティアを落ち着かせようと質問に答える事にした。


「あ〜 俺はシュウ・ファレスト。歳は21で、ミリウス神国出身の冒険者だ。好きな食べ物はマルゼの塩焼きで、嫌いな物は不味い物…」


「誰が自己紹介しろって言ったのよ!!」


「……えーとだな、冒険者になったのは二年前で、」


「そういう事じゃなくて! ああ、もうっ!! あんた、わたしの事、絶対馬鹿にしてるでしょ!!」


「さっき、何者かって聞いただろうがっ! 何を言わせたいんだっ! お前はっ!」


色々と切羽詰まってきた為か遂に逆ギレを起こすシュウ。

後はもう売り言葉に買い言葉の状態で罵詈雑言が乱れ飛び始める。

しばらくすると、痺れを切らしたのかリティアがハンティング・ナイフを抜き放った。


「此処でそんな物、抜く奴があるか!」


「うるさい!」


体の前で逆手に持った大振りなナイフを構えると、彼女はベルトの左腰の部分に取り付けれた筒へと残った左手を伸ばし、蓋を横にスライドさせた。

筒の中には細長く、刃の部分が菱形状の10cmほどの小さなナイフが十数本収められ、リティアはそこから指の間に挟むようにして三本のナイフを取り出すとシュウをきつく睨みつけてくる。

かなりの危機的状況にシュウは顔を青褪めさせた。支部の中で傷害沙汰を起こした日には、ギルドから冒険者の資格剥奪の憂き目にあってしまう。


(これで大義名文がたったようじゃな。即刻、切り捨てるのじゃ!)


彼の心境を無視するかのようにネーリアがふざけた言葉を吐いた。多分、彼女にとっては大真面目だろうが、そんな事をしたら更にランクアップして賞金首になる。

シュウは頭痛を我慢するように片手で頭を押さえると、


(お前は少し黙っててくれ…)


ネーリアを捕らえている鎖の拘束を強めるイメージを送った。


(な、何をするのじゃ…くぅぅぅっ! シュウうああぁぁっ!や、やめ! く、鎖がへ、へんなとこ…ろにううぁぁ!やぁぁぁっ!)


取り敢えずこれで静かになるだろうと考えていた自分が甘かったのか、余計に喧しくなったネーリアの声が響いてくる。

その声に本当に頭痛がしてきたシュウは相棒の事を完全に意識の外へと放り出し、リティアへと注意を向けた。

敵意剥き出しで険しい表情を浮かべる彼女にいつの間にか、薄緑色の淡い光が現れ、流れるように足や手の周りを循環している。

その様子を見たシュウは一転して無表情になると身構えた。


「精霊魔法… お前精霊術師か」


「そうよ。今頃後悔したって遅いからね」


シュウは徒手空拳のまま、リティアの体を駆け廻っている光へと視線を移す。


(最悪だ…)


いくら何でもシュウ一人では、精霊術師を周囲に何の被害も出さずに無傷で取り押さえる事など不可能に近い。

かといってネーリアとの契約で得た身体能力を倍増させる力を使っては加減が効かず、下手すると荒野のガナズより、酷い末路を目の前の少女が辿る事になる。

ネーリア自体を使っても今の彼女が何をしでかすか…

正に八方塞がりな状況に諦観の域に達したのか、あっさりと戦闘態勢を解除し、死んだ魚の様な眼で天井を見上げ、


(… 俺は何か悪い事をしただろうか?)


と涙ぐみながら現実逃避を開始した。




(こいつ!)


全くの無防備でいきなり天井を見たまま動かなくなったシュウに、完璧に舐められてる!!っと感じたリティアは左手に持った投げナイフを投擲しようと腕を振り上げたが――


「こちらです!!」


急に部屋に響いた第三者の大声に止められた。

視線を声がした方へ向けるリティア。そこにはいつ戻って来たのか、女性職員がカウンターの先に設けられた事務スペースの左奥のドアの前で、誰かが来るのを急かしているのが見える。

その様子を視認した時、リティアの顔から血の気が引いた。


――此処は何処だ?

ギルド支部の受付前


――今、自分は何をしようとしている?

完全に無防備で武器を構えてもいない男に精霊魔法まで使って攻撃を…


客観的に見てどちらに非があるかは言うまでもない。


(ヤバいっ!!)


“資格剥奪“の四文字が頭に浮かび、逃げ出そうと身を翻そうとした瞬間――


「おおっと、逃げんのは無しだぜ。嬢ちゃん」


身が軋むような凄まじいプレッシャーが、低い男性の声と共に襲いかかってきた。


三話 後編へ…

ブログだと、携帯のせいか一つの記事に約千五百文字程度しか入らず自分もそれを区切りに話を作るせいか泣く泣く表現を削っています。

こちらではそういった区切りがないので、多少、改訂を行いながら載せて行きたいと思います。

プログにあるのと多少違くてもスルーして下さい。話の大筋を変える様な改訂はしないので…

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