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3.まじふざけんな




あぁ、昨日のことを思い出すと胃が痛みだす。

あのあと七斗に何故私の両親が泣いていたのか、しつこく追及され言わざるおえなかった。

しぶしぶと私の余命のことを話すと七斗は顔色を悪くして隣にある自分の家へと戻っていった。


その数分後に七斗のお母さん――おばさんの悲鳴が聞こえたのは気のせいだよな、うん。



「さてっと。よし」



色々と考えながら制服を着ていたら結構時間がかかってしまった。


朝ごはんを食べるべく、リビングへ向かう。

……が、誰もいない。


多分だけど、ショックで寝込んでいるのだろう。

全く。余命宣告された当の娘はこんなにピンピンしているというのに……情けない親だなぁ。


どうせ起こしても起きないと思うので、朝ごはんは諦めることにした。


「はぁ……病弱な娘に朝ごはん無しかよ」


とか、ぶつくさ文句を言いつつ学校へ持っていく荷物を取りに部屋へ戻った。


「んーーーよいっっしょ!」


……あれだよね。いつも思うんだけど中学生の荷物ってさ、鈍器になるよね。

重すぎて溜め息でるよ。


「いってきまーす」


呟いて、家を出る。

いつもよりかなり早い時間だ。


なんの変哲もない登校。

なんの面白味もない通学路。


それがあと3ヶ月もすれば終わるなんて……

あぁ、なんて素晴らしいのでしょう!



そんなことを考えていると直ぐに学校についていた。

考え事してるとさ時間たつの早いよね。


靴を変えて、3階にある教室へ向かう。



「なんでそんなこと言うの!?」


「アキが言ったんでしょ!!」


なにやら3年生の廊下が騒がしい。

けどまぁ、私には関係ないだろう。

あれだよ、うん。

この声に聞き覚えあるけど、きっと気のせいだよね!

声が似てる人だよね!


そう暗示をかけながら自分の教室へと足を速める。

あぁ、どうか見つかりませんように……



「――あ、優李!」



くそっ!見つかった!


私を見つけて名前を呼んだのは、幼馴染の(っていうか単に、幼稚園、小学校、中学校と一緒なだけなんだけどね)由夏ゆか


髪の毛が茶色でくるんとなっているのが特徴的な可愛い系の女子。


それと、由夏と言い争っているのが亜生あき

顔が綺麗に整ってるモテモテの女子。


由夏と亜生は表面上仲が良いけど、裏では悪口を言い合ってる。

その悪口を聞いているのが(聞かされてる)私という最悪な話なのです。


あーそういえば、この間。

由夏に「亜生が私の悪口言ってるなら教えて」って言われたねー。


で、直ぐに記憶から抹消するならばって条件で嫌々教えたねー。



うふふー

まさかだけど~

それがこの、言い争いの原因?


あはははははは……


はぁ……嘘だろ!?

これ何回目だよ!

こんな無駄なことしてないで勉強しろよ!受験生だろ!?


色々と叫びたい気持ちを押さえて、由夏のところへ行く。



「なに?」


「ねぇ、優李。亜生が私の悪口を言ってたのって本当?」


目をうるうるさせながら、上目遣いで私を見てくる、由夏。

やめて、懇願しないで……


「それに関してはノーコメントで」


笑顔を綺麗に作って自分の教室へ逃げようとする――が、虚しく亜生に捕まる。


「優李。私、由夏の悪口なんて言ってないからね!

――やっと、もとに戻れたのに」


ウソツキ。この間散々、由夏の悪口言ってたくせに。

私の数少ない、塾のナイ日だったのに!


鬱陶しいものを見るようにして、亜生を見れば亜生は泣き出した。


それにつられるようにして、由夏まで泣き出しやがった。




あー…なんですか?

私が悪者ですか?


マジふざけんな!!!!!!





復讐劇の幕開けである。



結構事実だったり……ゴホッ

なんでもありません!

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