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1.あら、まじですか?

ちょっと現実逃避をしたかったもので……(遠目)



今、余命宣告を受けた。



私の命は残り三ヶ月だそうだ。


一緒に病院に来たお母さんは、私の余命を聞いた瞬間にその場で泣き崩れ、訳のわからない言葉を嗚咽と一緒に吐いている。


余命宣告を受けた張本人の私は、泣きもせず、喚きもせず、遠くを一点に見つめていた。


胸に不思議な感情が渦巻いている。


宣告を受けて。一瞬悲しくなった。

けれど次にきたのは喜び、嬉しさ。


私は、今15歳だ。

これからまだ楽しいこと、嬉しいこと、学ぶべきものが沢山あると言うのに……


それに、私が死んで家族や友人を悲しませると思うと胸が痛む。


ま、一年もたてば私のことなんてスッカラカンに忘れてしまうだろうけどね。


だって、所詮そんなもんでしょ?

……自分で言っておいて結構悲しい。



あと、なんで嬉しいかと言うと。



ぼっちだから。



はい、そこ!哀れみの眼で見ない!

いやいや、嬉しい理由これだけじゃないよ?

まだまだ沢山あるからね!



まぁね、ぼっちって言っても一人も友達がいないって訳じゃないよ?


同じ部活の人と(……あれ?引退したから同じ部活だった?まぁ細かいことはいいや)それなりに仲が良いし、クラスにも他愛ない会話をする程度の友達くらいはいる。


いるよ?

うん。いるけどね……

やっぱり、寂しいんだよなぁ。


それなりに仲がいい人は結構いるけど、その人達には私より仲がいい人がいる。

そんなに気にしてる訳ではないが、気にしてない訳でもない。




私は“一人”でなくても“独り”なのだ。

……わかるかな?




それと、只今15歳。現在中学3年生である私は、受験生だ。

部活も引退した私の目の前には“勉強”しかない。

他にあるのはプレッシャー、親からの眼……とりあえず、楽しいものは無い。


なんの楽しみもなくただただ勉強するとか、辛い。うん、本気で辛い。


進路の相談をするほど仲の良い友達もいないからさ……

一人で悩んで一人で決めなきゃいけない。


「あー、くそっ!友達作るんだった!!」

なんて、一人でぼっち発言もしていた。

叫んだ後、余計虚しくなったのは言うまでもない。



最近なんか色々嫌すぎて、死にたいだの消えたいだの気付いたらボヤいている様だ。

そんなこと言っても逃げれる訳じゃないなんて解ってる。うん、解ってるよ?

解ってるけどさ……


勉強が嫌すぎて日に日に虚ろになっていく眼。

相談や一緒に息抜きをする友達もいない。

真面目に飛び降りとかしようかな?なんて考え出していた所だ。


余命宣告を受ける妄想も何度もした。

この間ついに夢にまでみてしまい「あー……、色々終わってんな。私」と、少し悲しくなった。


そうそう、気付いたら手にカッター持ってたこともあったなぁ。

あれ、ね。うん。


ちょっ!そこ引かないで!

いい心療内科知ってるよ?とか言わないで!

その眼やめて!

私、明るい子だよ!?

苦笑いもやめて!!!!

本当に、真面目に悲しいから!



はぁ……



まぁ確かに、ちょっと危ない感じに病み始めてきていた。

(はい、そこ。ちょっとじゃないだろとか突っ込まない!)


でも、そんな私に希望の光(余命)が!

……って、私なに喜んじゃってんの!?


でもね、うん。

正直な話。

……嬉しい、超嬉しい。

確かに、少しは悲しいよ?胸も痛くなるよ?

でもさ……逃げれるんだよ?

勉強に、プレッシャー、面倒な女子の関係、将来……などなどなど他にも色々なことから。

もう、本当に、真面目に、最高に嬉しい!!





え、なに?不謹慎?

あはは♪確かにそうかもね。


今、謝っておこうか。心のなかでだけどね。

お母さん、お父さん。貴方達の子どもはこんな子どもに育ってしまいました。

しまいには、余命僅かなんて本当に苦労させる子どもだね。

ごめんね。

うん、なんか、ドンマイ♪



「………ぅ、…―う、ゆう?……優李ゆうい!?」


「ふぇ!?あ……、お母さんか。なに?」


お母さんの顔が涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃになっていて、一瞬誰かわからなかった。


私がぼーっとしている間に色々説明されていたらしい。


まず、私の病気は現在の医療では治すことが出来ないこと。

治ることはなく、進行を遅らせる薬すら開発されてない。

手術をして治った前例もなく、むしろ手術して死んだ前例の方が多いこと。


等々。他にもお母さんが色々言っていたが段々嗚咽が混じり始めなんて言っているかわかんなかった。


ま、これだけでも充分だからいっか。


……ほうほう。

ということは、入院しても意味はないってことだね。


じゃあ


「……私、入院したくない」



医師とお母さんが話しているのを遮り(話しているというか、お母さんが泣いてるだけなんだけど……)呟いた。


お母さんは、私の言葉を聞いて更に泣き出した。


……お母さんや。私より泣いてどうする?


一方医師は、「わかりました」と気まずそうに言いカルテを書き始めた。


意外となにも言われなかったことに驚き、しばらくあっけらかんとしていた。





さて、と……

明日からどう生きようか?



もともと短編予定だったのですが

書いてて楽しくなったので

もっと、現実逃避してみます!!!

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