六話 食事会2
「あれ?あなた同じクラスの?」
ぶつかった女の子がそう言った。
「えっ?…」
俺は隣にいた優に話しかけた。
「おい、この子って同じクラスなのか?」
俺は女の子を傷つけないように小声で聞いた。
「えっ!?蒼それは失礼だよ!!」
優は大きい声で驚いた。
「ばっか!女の子に聞こえるだろ!俺の気遣いを無駄にしやがって!」
「あっ、ごめん」
優が謝ると俺の後ろで殺気を感じた。
「私を知らないって?同じクラスなのに…」
「い…いや違うんだ。君のような素晴らしい女性を知らない訳ないじゃないか!」
俺は慌てて答えた。そして優に小声で聞いた。
「あの子の名前は?」
「椎名 沙奈 (しいな さな) 学年でも一位二位を争うほどの美少女だよ!」
「沙奈?どっかで聞いたことあるような…」
俺は頭の中で引っかかった何かを探していると、椎名 沙奈が怒ってきた。
「何を話してるのよ!」
ここでまだ椎名沙奈に一度も話してない優が間に入った。
「まぁまぁ落ち着いて。そろそろ皆が来るから…」
優のおかげで事はおさまった。
「椎名沙奈…どっかで聞いたことあるような…まぁいいか。」
しばらくして全員が集まった。
「よし、じゃあ出発!」
委員長の三浦さんの声で皆が電車に乗りこんだ。駅を何本か過ぎたところで降りた。
「うわぁ〜けっこう都会だなぁ」
「まぁ僕らのところからしたらね」
俺と優が話しながら歩いてると道行く人が俺らを見ていく。たぶんほとんどが優目当てだろうけど…これだからもってる奴はずるい。
そんな事を考えていると三浦さんが話しかけてきた。
「さすがだね。お二人さんは」
「どうして?」
優が答えた。
「通行人のほとんどがお二人さんを見て行くよ?」
「まぁ優みたいなイケメンやろーがいるからな。」
「蒼もイケメンだよ。」
「うるへい!情けはいらねぇ」
「お二人さん仲がいい事で」