二話 クラス替え
優と歩いていると、人だかりができている場所があった。
「あれ?何であそこに人が集まってんだ?」
「蒼って本当に天然だよね。アレはクラス発表で自分のクラスを見るために集まってるんだよ」
「そーいえば今日、始業式だったなぁ」
始業式のことすっかり忘れてた。優と会わなかったら、一年生の教室に行くところだったわ〜危ねぇ…
「蒼、僕達も見に行こう!」
「あぁ」
クラスはまた優と同じだった。俺的には優と同じならあとはどうでもいいのだが、優が「女子もチェックしよう!」なんて言い出したから少し時間がかかった。
俺達が教室に入ると男女共にたくさんの視線がきた。たぶんほとんどが優に向けた視線だろうが…何か自分で言ってて泣けてきたぜ…
一時間目はかるい自己紹介だった。
俺は変な注目を受けたくないので無難に
「俺は真桐 蒼です。好きな物はマンガと金です。普通にクラスに溶け込みたいと思うのでよろしくお願いします。」
言い終わったあとに女子達が耳元で話しあっていたのでガチで泣きそうになった…。
志摩の自己紹介は笑顔で言っていて女子達がキャーキャー言っていた。
「はぁ〜」
「どうしたの?蒼が落ち込むなんて珍しいね」
「初日で女子に嫌われるって俺ちがう意味で天才だわ。」
「あんなてきとーな自己紹介するからだよ。あからさまにめんどくさいオーラがでてたよ。でも女子達がかっこいいって言ってたよ」
「お前いい奴だなぁ〜。これはモテるわ。モテまくりだわ。俺を気遣って嘘をついてくれるなんて」
「えっ?今のは嘘じゃ…「着席!!」
優の声が教師の声でかき消された。
「あっ!やべっ!また後で」
俺は急いで自分の席に座った。