一話 初めに
俺は真桐 蒼 どこにでもいる普通の高校生だ。この物語はそんな普通の高校生の日常を描く話である。
ジリリリリーン!!
静寂な部屋の中に目覚ましの音が鳴り響く。
「ふわぁっ…何だもう朝かぁ〜」
俺はいつも朝、早めに起きてサッカーの練習をするのが日課になっている。
俺は動きやすい格好に着替え、家の近くにある公園へと向かう。
そして、公園に着くと慣れた動作でボールを蹴る、これが俺のプライベートでの日常だ。
10分くらい練習をしたあと家に戻り、朝ご飯までまだ時間があるので学校の準備をする。
準備の途中で妹の声が聞こえた。
「蒼兄朝ご飯だよ〜!!」
「分かった!すぐ行く!」
と俺は妹に聞こえるようにやや大きめな声で答える。
食事の途中で妹の真桐 雫 (まぎり しずく)が言った。
「そーいえば今日、始業式だね。」
「そーだな。今日から学校となるとテンションが下がるなぁ〜」
「それはただ、蒼兄がめんどくさがり屋なだけでしょ!」
この会話もいつもと変わらない。
これも日課だ。
俺の通う高校は"飛葉高校"ここら辺の地域で1番頭のいいトップ校だ。なぜか分からないけど俺は主席で合格してしまった。
そんな事を話してるうちに学校に着いていた。
学校の門をくぐると同時に急に肩が重くなった。
「何だ、優かよ」
「親友にそんな態度はないでしょ、蒼!」
急に肩を組んできたのは志摩 優 (しま ゆう) 親友だ。でもこいつのムカつくところは超モテるとこ。
マジでこいつはモテまくり。腹立つほどに。
こいつの顔は女の子と見間違うほど美少年。
特に笑顔がヤバイ!
俺達の後ろでキャーキャー騒いでる女子達がいやがる。
「このヤロー青春を謳歌しやがって〜」
「蒼もモテるよ〜」
「へっ!同情なんていらねぇ〜」
俺は少し泣きそうになりながら優と歩き出した。