00 神話1
目指せ、等身大異世界トリップ!と言う事で、さほど爽快感はないと思いますが、お楽しみ頂ければ幸いです。
一部、流血表現を含む場合がありますので、苦手な方はご注意ください。
世界が一つ終わろうとしていた。
空が割れ、海は枯れ、命は萎れて行った。
希望は露と消え、絶望は友よりも身近であった。
人々の瞳から光は消え果て。
流れる時のままに全てが亡くなろうとしていた。
壊れゆく世界の中。
一人の若者が天に祈りをささげた。
十夜、百夜。
一夜も欠かさずに天にささげられた祈りは、ついに神の御許に届いた。
終わる世界に、なおしがみ付く脆弱な人の子に神は憐みの一瞥を投げた。
神の眼差しは、温かな日差しとなり終わりゆく世界にわずかな希望を生み出した。
若者は、また祈りをささげた。
百夜、千夜。
一夜も欠かさずに天にささげられた祈りは、やがて神の御心を動かした。
終わりゆく世界に、わずかな希望を見出した愚かな人の子に神は聖なる言葉を与えた。
神の言葉は、恵み深き雨となり壊れゆく世界にひとときの安らぎを生み出した。
若者は祈る。
神よ、どうかその慈悲をもって我らをお救い下さい。
神よ、どうかその威光によって我らを導いて下さい。
若者は祈る。
神よ、どうかお救い下さい。
清らかなるその祈りは、途絶える事なく神にささげられた。
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