表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を変える女  作者: 此花サギリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/119

第98話 造船修練

 望月梓(もちづきあずさ)は、海外交易や海軍活動の安定化のため、船大工の技術向上が不可欠であることを認識していた。そこで、彼女はネットショップで購入した最新型の貿易船と軍艦を港に集め、九鬼嘉隆くきよしたかに指示を与える。


 


 「嘉隆、これらの船を解体し、船大工たちに修理と造船技術を学ばせよ。ただの運用ではなく、建造から修理まで習熟させるのだ」


 


 九鬼嘉隆くきよしたかは海軍の現場経験を生かし、船大工たちの班を編成。各班には解体班、修理班、建造班が配置され、貿易船・軍艦の構造を一つひとつ確認しながら作業を進めることとなった。


 


 マラッカ港に集まった船大工たちは最初、巨大な軍艦を前に圧倒されていた。しかし、梓の設計書やネットショップから入手した詳細マニュアルを見ながら、九鬼嘉隆くきよしたかの指示で手順を学んでいく。木材の組み方、帆柱の取り付け方、舵や滑車の構造、砲台の固定方法まで、あらゆる工程が教えられた。


 


 解体班は、船体を分解する際に材質や組み立て構造を詳細に記録。船底や船体の補強部分、甲板の組み方まで、船大工たちは一つひとつ学び取った。破損している箇所や改良可能な部分を見つけることも訓練の一環であった。


 


 修理班は、損傷部分の修復を担当。貿易船の船底に生じた亀裂を木材で補強し、砲台の回転装置が円滑に動くかを確認する。砲撃の衝撃や荒天時の揺れに耐えられるよう、補強材の取り付け方や組み合わせ方も習得する。船大工たちは、失敗を繰り返しながらも、手順と理論を理解し、精密な作業技術を身につけていった。


 


 建造班は、解体と修理で学んだ知識を応用し、新しい小型の貿易船を一隻ずつ建造する任務を担当。帆の形状や船体のバランス、積載量を計算しながら、設計図通りに組み立てる。船大工たちは、梓の指示で各部品を交換可能にし、後の修理が容易になる工夫も施した。


 


 港には教育僧も駐在し、船大工たちに計算や測量の基礎を指導。甲板の長さや帆の面積、船体重量の計算など、座学と実技を組み合わせた教育が行われた。計算ミスが船の性能に直結するため、教育僧は一人ひとりの理解度を確認しながら丁寧に指導した。


 


 医療僧侶は作業中の怪我に備え、船大工たちに応急処置や簡易包帯の方法を教える。重い木材や工具を扱う作業は危険が伴うため、衛生管理と安全教育も並行して行われた。


 


 ジャワ島の港でも同様の訓練が行われた。沿岸漁村から集められた船大工たちは、漁船や小型輸送船の修理・建造を担当し、帆の操作や舵の調整など、航海に直結する技術も同時に習得した。通訳忍びが現地語で指示を伝え、教育僧が計算・測量を補助することで、言語の壁も克服された。


 


 ゴア港では、軍艦の装甲強化や砲台の精密調整を学ぶ訓練が行われた。医療僧侶の監督下で安全対策を徹底し、船大工たちは砲撃実験を通じて耐久性を確認。実戦を想定した訓練により、船の弱点や改良点を自ら発見できる力を養った。


 


 九鬼嘉隆くきよしたかは、各地の訓練の進捗を報告させ、船大工たちの技量を均質化。遠隔地で発生した船体損傷にも即座に対応できる指導体系を整え、貿易船と軍艦の安全運用を確立した。


 


 梓は、訓練報告を受け取りながら満足そうに微笑む。船大工たちは単なる修理技能に留まらず、造船全体の理論、実践、改良技術を網羅し、各港での海上活動の中核となる人材に成長していた。


 


 こうして、ネットショップから購入した船を解体し、修理と建造の過程を通じて学ぶ訓練は、海外交易網と海軍の安定化に直結。船大工たちは単なる技術者ではなく、梓の海外戦略を支える専門家として各港に配備され、マラッカ、ジャワ島、ゴアの各港で精密な船舶運用と交易活動を可能にしたのである。


 


 九鬼嘉隆くきよしたかは、船大工の進捗管理だけでなく、海軍訓練や交易活動とも連動させ、港ごとの安全と物資の流通を確保。梓はこの体制を見て、海外戦略が盤石になったことを確信した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ