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世界を変える女  作者: 此花サギリ


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第96話 海軍育成

 望月梓(もちづきあずさ)は、国内外で豊穣教と交易網の基盤を確立した後、次の戦略として海軍力の強化を決断した。海外の交易都市や港湾都市との交易路を守り、将来の海上戦略に備えるため、最新技術の新型貿易船と軍艦をネットショップで取り寄せ、国内で整備・建造する計画である。


 


 責任者には、若くして才覚ある将帥、九鬼嘉隆(くきよしたか)を任命した。梓は九鬼嘉隆に告げる。


 


 「嘉隆、海軍の育成と指揮を君に任せる。船は最新型、交易船と軍艦を揃えた。訓練計画を作成し、士官・兵士の教育も徹底してくれ」


 


 九鬼嘉隆は深く頷き、即座に港湾都市に集められた若者たちを選抜した。彼らは航海術、砲術、艦隊戦術、陸戦戦術まで、一貫して学ぶことになる。訓練は朝から晩まで行われ、艦上演習や模擬戦を組み合わせ、実践的能力を磨くことに重点を置いた。


 


 梓は新型貿易船と軍艦の性能を確認するため、自ら港に視察に訪れる。貿易船は積載量の最大化と航行安定性を重視、軍艦は砲台配置や防御装甲、船体速度を徹底的に改良した最新型である。九鬼嘉隆は艦長たちに指示を出し、砲撃訓練や帆操作、夜間航行訓練を繰り返させた。


 


 「梓様、士官たちは航海術と砲術の基礎を習得し、模擬戦でも精度が向上しています」九鬼嘉隆は報告する。


 


 梓は微笑み、さらに指示を加える。


 


 「交易船と軍艦は、海外交易路での護衛だけでなく、港湾都市や島嶼部への支援活動も行う。医療僧侶・教育僧・通訳忍びたちを安全に輸送できることが最優先だ」


 


 訓練は数週間をかけて難易度を上げる。悪天候下での航行、夜間の帆操作、敵を想定した模擬砲撃、兵士同士の連携演習を組み込む。九鬼嘉隆は各艦に責任者を配置し、部下の習熟度を細かくチェックする。港湾都市周辺の村落では訓練用港が整備され、村民は模擬戦や航海訓練を見学する。村民は梓の指導による整備された港や艦船に感嘆し、豊穣教の海上守護者としての梓の名声がさらに高まった。


 


 ある日の演習では、ジャワ島周辺の島々を舞台に模擬戦を行う。貿易船隊は物資輸送、軍艦隊は護衛を担当。忍び通訳が現地語で港町や村落の民に事前連絡し、村民の安全を確保したうえで演習が進められる。艦隊は巧妙な戦術で模擬海賊の襲撃を撃退。村民は梓の海軍力に感嘆し、豊穣教への信仰も深まった。


 


 梓は訓練の成果を確認するため、自ら軍艦に乗艦し航海演習に参加。帆操作、舵取り、砲撃指示、陣形移動を体験し、九鬼嘉隆の指揮力と部隊の熟練度を実感する。部下たちは梓の前で模擬戦を行い、精度の高い連携を披露した。


 


 さらに梓は海軍の訓練と同時に、海外交易路の拡張も指示する。マラッカ、ジャワ島、ゴアへの航路を安全に確保し、現地の村落や都市で医療僧侶・教育僧・通訳忍びの活動が滞りなく行えるよう、貿易船と軍艦の艦隊を定期的に巡回させた。これにより、交易網と情報網の統合が完成し、海外における豊穣教の影響力が飛躍的に拡大した。


 


 訓練数ヶ月後、海軍は完全な戦闘能力を有するに至る。貿易船は安全に物資を運搬し、軍艦は護衛および戦闘に対応可能。九鬼嘉隆は梓に報告する。


 


 「梓様、海軍は全艦隊の訓練を完了しました。貿易路の安全確保、模擬戦での連携、兵士たちの熟練度、すべて計画通りです」


 


 梓は満足そうに海を見渡し、言った。


 


 「これで国内外の交易網、医療・教育・通訳活動の支援、海外戦略の防衛は盤石となった。嘉隆、君には海軍のさらなる発展を任せる」


 


 九鬼嘉隆は深く頭を下げ、決意を新たにした。こうして、梓の海上戦略と海外交易網は、強力な海軍の支えにより盤石となり、豊穣教の影響は海路にまで広がったのであった。



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