牡丹の君
最新エピソード掲載日:2026/02/03
「ちょっと、聞いて。私この前偶然見ちゃったの。『牡丹の君』」
「え、そうなの?!どんなだった?」
「噂通りの容姿端麗。思わず見惚れちゃった。」
「1度でいいから、従者になってみたいわ。そして、そこから禁断の…ふふ。」
道端で娘達が世間話に花を咲かせている。『牡丹の君』とは、この広大で活気溢れる九条領を納める九条家の息子、九条紫苑(くじょうしおん)の事だ。『牡丹の君』と呼ばれる由縁は、彼が牡丹の簪を常につけているからだ。容姿端麗かつ屋敷のことに1歩も出てこないというミステリアスな生態も相まって街の女から人気があった。
「妄想だけに留めておいた方がいいわよ」
娘達の世間話に別の娘が割って入って続ける。
「心は雪のように冷たい人だから。」
この娘は、かつて『牡丹の君』の従者だった。しかし、1ヶ月と経たずにお役御免となった。彼女だけでは無い、彼に仕えた者全てが3ヶ月ともたない。
気に入らない者は直ぐに切り捨てるそれが九条紫苑という男だ。
そして、今日も九条家の大きな門の前に立つ女の子が1人。
「ここが九条家か…。よし、頑張るぞ。」
名前を日向 陽葵(ひむかい ひまり)という。この物語の主人公だ。
「え、そうなの?!どんなだった?」
「噂通りの容姿端麗。思わず見惚れちゃった。」
「1度でいいから、従者になってみたいわ。そして、そこから禁断の…ふふ。」
道端で娘達が世間話に花を咲かせている。『牡丹の君』とは、この広大で活気溢れる九条領を納める九条家の息子、九条紫苑(くじょうしおん)の事だ。『牡丹の君』と呼ばれる由縁は、彼が牡丹の簪を常につけているからだ。容姿端麗かつ屋敷のことに1歩も出てこないというミステリアスな生態も相まって街の女から人気があった。
「妄想だけに留めておいた方がいいわよ」
娘達の世間話に別の娘が割って入って続ける。
「心は雪のように冷たい人だから。」
この娘は、かつて『牡丹の君』の従者だった。しかし、1ヶ月と経たずにお役御免となった。彼女だけでは無い、彼に仕えた者全てが3ヶ月ともたない。
気に入らない者は直ぐに切り捨てるそれが九条紫苑という男だ。
そして、今日も九条家の大きな門の前に立つ女の子が1人。
「ここが九条家か…。よし、頑張るぞ。」
名前を日向 陽葵(ひむかい ひまり)という。この物語の主人公だ。