27/32
第26話:王都への帰還
ついに、王都にたどり着いた。
かつて栄華を誇った都は、今は瓦礫の山となっていた。
崩れた城壁。雑草に覆われた大通り。
でも、私には見える。
人々が行き交い、笑い合っていた、あの日の風景が。
「……ただいま」
私は呟いた。
三百年ぶりの帰郷。
隣には、カイゼルがいる。
それだけで、廃墟が黄金の都に見えた。
「……ああ。おかえり」
カイゼルが答えた。
その声は震えていた。
彼にとっても、ここは始まりの場所であり、終わりの場所なのだ。
「行くぞ。……城へ」
私たちは歩き出した。
瓦礫を踏みしめる音が、歴史を刻むように響く。
この先に待つ真実が、どんなに残酷でも。
私たちはもう、手を離さない。
城の玉座には、全ての元凶が待っているはずだ。




