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はるかの日々  作者:
21/260

21.これからのマモルの日常初日

「はーい、それでは転入生を紹介します。イギリス国籍のウィリアム・護・ガーランド君です。彼はイギリスの超名門大学の学生ではありますが、しばらく日本に滞在するので歳相応の本校へ編入しました。じゃあ、ウィリアム君、自己紹介を」


「ご紹介に預かりました、ウィリアム・護・ガーランドです。長ったらしい名前ですので、ウィルと呼んで下さい。母方の父が日本人でクォーターです。聞いての通り日本語は話せますので授業も会話も問題ありません。因みにこのクラスの小野田修君とは既に友人です」


そう、マモルは修と同じクラスへの編入となった。大人の誰かによる画策である。


「しつもーん、ウィル君って大学生なの? 勉強って英語以外もめっちゃ出来るカンジ?」


「工学系なんで理系は得意だよ」


「彼女とかいるー?」


「うん、いるよ」


「がーん!」


「最近修君がロリ卒業宣言したんだけど、その真相知ってる?」


「知ってるよ」


「「「「「「教えて!」」」」」」


「ハハハ、本人に聞いて?」


その日のうちにクラスに馴染んだマモルである。


その日の昼休み、修と二人で屋上へ。


「なに、修。ユウコのこと誰にも言ってないの?」


「まだ彼女でもなんでもないのに言えるかよ。お前こそ遥姉のこと言わないのかよ?」


「あぁ、それね。イングランドでさ、特定の女の子と少し仲良くしただけで他の女の子達が凄い意地悪をするんだ。その子に。女の子ってさ、論理が通じない率が高いというか、感情的というか………ハルカに負担がいくようなことは控えないと」


「お前モテそうだもんな」


「修だってモテてるじゃないか。修狙いの子が3人は居るよ?」


「ハハハ………興味ねぇ。そんでさ、護は遥姉と結婚すんの?」


「うん、するよ。女として、人としてあんなに素晴らしい個体は他にいないよ。其れに………ハルカとは運命みたいなものを感じるんだ」


「へぇー、お前みたいなタイプのヤツが運命とか言うんだ?」


「うん。確信している。そしてボクはハルカを護るんだ。その為にもっともっと強くならなきゃならないんだ」


「遥姉よりも? 無理じゃね?」


「今はね。でも予感があるんだ。ボクはいずれ化ける。暴力の化身、魔王の如き絶対者に。そしてそうなってもボクの望みはハルカを護りハルカと共にあることだよ」


「中2かよ?」


「中2だよ?」


「「プハッ!」」


仲の良い二人である。



彼女がいる宣言をしたにもかかわらずとにかく見た目王子様、或いは天使なマモルの周りには休み時間の度に女子が集まった。そして個人情報を求めて質問攻めにする。

その殆どを上手に躱していなして流して核心部を晒さない。余りにも不快になりだすと修のところへ逃げたりしてなんとか波風立たせず初日を終えた。


二人して小野田本家へと帰宅し、着替えて早速鍛錬に入る。

通常、身体の柔軟性や心肺機能の強化維持などはストレッチやトレーニングにより別途賄うものだが、小野田流では中級までは常在戦陣が基本だ。戦陣にてトレーニング? ということで、鍛錬の中でそれらは磨かなければならない。従って、即座に組手が始まる。しかも修による不意討ちからのスタートだ。


「ブハッ、今のはヤバかった!」


「良く避けたな。大したもんだ!」


勿論修はかなりセーブしてマモルの相手をしている。それはマモルも承知のうえだ。それでも二人にとってこの組手は意義のある組手だ。

マモルにとっては言わずもがな。修にとっては将来の………後継者育成のテストケースとなる。

母との手加減組手よりも尚力を抑えた指導的組手は時に自身の技への理解の深化へと至ることがある。超高速での組手では思考が間に合わず直感が全て的な場面がままある。だから技への理解度が如何ほどかと問われれば時に返答に窮することがある。だが、この低速での攻防の中で数々の気づきに出会うのだ。

捻り込みのタイミング、連動の論理的理解、多種ある受け技の最適な適用、最低限の力で最小限の動きで最大限の効果を得る理。修にとって正に学びの場と化している。

またそうした学びを得る相手としてマモルの力量が実に適していた。

強すぎず弱すぎず、速すぎず遅すぎず、キレ過ぎずキレ過ぎない。

最適の指導対象である。


帰宅から約2時間、気付けばハルカが翔と組手をしている。二人は実に濃厚な時間を過ごしていた。

覚者たる修は涼しい顔をしているが、マモルはもう汗だくでフラフラだ。


「お、修。ボク、もう、無理」


「そうだな、よく頑張ったな。よし、風呂入ろう」


「あ、じゃあ私も!」


「遥姉、母ちゃんからもうオレと一緒に風呂入るの禁止されたんじゃないの?」


「………たまにはいーんじゃ………」


「ダメだよハルカ! いくら修でもハルカの裸見せるとか、ボクは赦さないからね!?」


「マモルちゃん………そうだね、私はマモルちゃんのだもんね。うん。私の裸はマモルちゃんだけの………うふ、うふふふふふ…………」


「遥姉がキモい」


「ハルカはキモくない!」


「そんなら遥と護は一緒に入れ。オレと修は後な」


「マモルちゃんとお風呂………さ、さぁ、マモルちゃん、行くよ? ほら、早く」


男女の相関が逆転しているかのような二人である。

後が詰まっていることもあり、風呂内での性行為には至らなかったが、マモルを遥が、遥をマモルが互いに隅々まで洗い合った。とても幸せな時間だったらしい。


その後は龍美の美味い手料理を食べ、魔素感知鍛錬をマモルも参加して行い、遥の部屋へと二人で引き取り………互いを貪りあった。

体力的には限界を超えている。それでも遥と同衾しながら何もしないなどあり得ないと強く思うマモルは正真正銘の中2である。

フィジカルモンスターな遥を満足させる程の体力も技術も持たないマモルだが、あまりにもマモルが好きな遥は短い時間で何度も上り詰めて結果満足して眠りにつくのであった。

マモルはというと、満足かつ気力体力の糸が切れたようにプッツリと意識を落とすように眠り? につくのであった。


成長期の少年には得難い環境でマモルはやがて羽化するように花開くのである。

もう少し後のことだ。

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