8話 武器
「炎魔弾!」
俺は探索のスキルを獲得したので上層の八階までは簡単に移動する事ができた、しかも罠や宝箱、大量発生が起きる場所までも分かってしまった。
攻撃には全く使えなくダンジョン限定とは言ってもなかなか汎用性の高いスキルだと思う。
そして今は上層12階、ここではLv10越えのモンスターが当たり前その代わりにドロップ品が少し高価だ。
最近知った事なのだがダンジョンの壁はとても硬いが鉱石が多く眠っている事が多く深く所だとかの有名なオリハルコンなんかも出てくるらしい、上層でも鉱石は悪くないので最近作った使い勝手の良い魔法を使って採掘をしようと試みているのだがさっきから横穴が開くだけで一向に鉱石が出ない。
すると後ろからきた冒険者が鞘から剣を抜いてダンジョンの壁を切り付けると鉱石が出てきた。
…………穴があったら入りたい。
剣を取り出してダンジョンの壁を斬り始める、この剣の切れ味が良いからか鉱石が大量に出てきた。
そうしてどんどん位置をずらして鉱石を回収していく、当然モンスターは襲ってくるが炎魔弾で簡単に倒せている。
そうしてどれくらい時間が経ったのだろうかかなり腕に疲労が溜まり始めたのか剣が空振り倒れてしまった。
ベキッ。
なんか嫌な音なったような気がするんだけどまさかね…。
…凄い綺麗に壊れている、こんなに綺麗に壊れる物なのかと言いたくなる程綺麗に壊れた本来刃の方が折れるはずなのに柄が途中で折れていた。
なんでやねん。
新しく武器を買わなきゃいけないなぁ…後神様壊してしまってごめんなさい。
そうして武器がない状態でも魔法でも戦えるがなるべく早く武器を手に入れたいので探索を使って階段の位置を確認してからどんどん移動していく。
探索のおかげで外に出るのに10分と掛からなかったのでまだ外は明るかった早速ギルドでアドバイスをもらおう!
「新しい武器ですか…?ツキシロさんの魔力量に耐えられる武器となるとオーダメイドになると思いますが」
「そうですか、何かおすすめのお店とかありますか?」
「それに関しては我々一個人の意見を伝えるわけにはいきませんのでオーダメイドを依頼した際にわかりやすいように模造品がギルドの左の入り口を進んでいくとありますそこに番号が振られているので一番自分に合っていると判断した物の番号を伝えて貰えれば紹介します。
念の為言っておきますが模造品は一定距離持ち歩くと警報が鳴りますし模造品が定位置に戻るように魔法がかけられていますのでご注意ください」
「分かりました、でも少し見てきます」
そうして指示通りに進んでいくとたくさんの武器が置いてあり博物館のようだった、さすがオーダメイドと行っているだけあって全て評価は良好、生半可な物は作られないって事か。
他にも冒険者がいるがみんな個人個人で武器を持ってこれじゃないと言いたげな顔をする人もいればこれだと決まったような顔をしている人もいた。
みんなが持ってみて多くがこれだと決めた武器があった。
試しに持ってみるが俺にとってはこれじゃないと言われている感じがする、それ以上に俺にあっているものがあると言われている気がした。
俺は剣とかじゃなく軽いナイフとかの方がいいのかもしれない、それかアレがあれば一番良いんだが流石にこの世界にはないよな。
そう思いつつ進んでいると一番奥にかなり雑な置き方をされている模造品があった、それは遠くにありちょっと見えにくいがあれはもしかして…。
そう思った時は無意識に走っていた、そうして前に立ってみる。
やっぱり…これ刀だ。
前の世界で小さい頃から運動は平凡だったが親の意思で護身術として剣道にずっと通わされていた、竹刀の使い方をわかりかなり腕が立つようになってからは父に木刀で思いっきりボコボコにされたなあの二人、元気にやってるかなぁ?
ってそんな思い出に耽っている場合じゃない、持って見よう。
そうして手に取ってみた時完全にこれだ!という感覚があったグリップは合っていないが使い慣れた物だこれ以上に良い物はないだろう番号は…67番か忘れないうちに受付に戻ろう。
「お帰りなさい、何か良い物は見つかりましたか?」
「ええ、67番の人をお勧めしてください」
すると周りの冒険者と受付の人が何言ってるんだこいつみたいな目で見てきた、なんでそんな風にみられるんだ?
「分かりましたが…本当に良いですね?」
「はい…そうですが」
「分かりました、地図とギルドの紹介状を渡しますのでそれで向かってください…くれぐれも後悔しないようにしてください」
なんでこんなに大丈夫かこいつみたいな顔をされるのか分からないけどとりあえず向かってみるか。
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