57話 ドレス選びの為に
…とうとう来週に迫ってしまった。
時間は意外と早めに過ぎるわけで、ヨルやレオの二人から街の人々の領民の人々の様子やルーシーやジュリア達とちょっとした演奏会?のような物をしたり資金稼ぎの為に時間を作りダンジョンに入り素材を売却したり、オヤジの所に顔を出したりしているとすぐにその時になってしまった。
「ねえ、エマ今忙しい?」
すると彼女は不思議そうな顔をして「いえ、ちょうど用事が終わったので大丈夫ですよ」
良かった、女性目線から見た時の俺の服装とか確認しておきたかったんだ。
「明日さ、姉妹国で貴族達のパーティがやるんだけど、そこで多分俺の初恋の人に会うんだ、だから変な服装で会えなくて…」
するとエマさんが驚いた顔をしていた。
「ルア様、初恋の人がいらっしゃったんだですか!通りでお見合いを全部断っていたんですね」
「ねえ、ひどくない?俺にだって初恋の人はいるよ?」
「っ申し訳ありません」
「いや、そんな重く受け止めなくても大丈夫。
エマに聞きたいのは女性から見てその魅力的?みたいな似合いそうな服を選んでみて欲しくて」
「ああ、なるほどしかしルア様は貴族ですからやはりオーダーメイドで仕立ててもらうのがよろしいかと」
「そっか、因みにオーダーメイドってどれくらいのかかるのかな」
「そうですね、金貨10枚から金貨20枚でしょうか」
10万から24万程度って所か前の世界のフルオーダーのドレスコードがそれぐらいだったはず。
それに今は貴族としての収入と素材を売ったお金が結構貯まっている。
少し高くて尻込みしてしまいそうだがこう言う時に使わないと損だよな。
オーダーメイドというのは利点もかなりある、売られている物よりも動きやすく何より品質が良くなる、少しの間しか使えない安物を買うよりは長い間使える物の方が結果的には安くなるな。
それに、やっぱり彼女に会うなら頑張っておめかししないと。
「それなら払えそうだ、何かおすすめの場所はあるか?」
「それでしたらアリス様がよく利用しているお店が王都にあります、そこがよろしいかと」
アリスさん御用達のお店か、それならきっと貴族相手にもなれているだろう。
「分かった、そこに案内してもらえるか?俺はもう準備ができているからいつでも大丈夫だぞ」
「了解致しました、では参りましょう」
「服装とか大丈夫か?」
「私はルア様の侍女です、この服装で問題ないかと」
そういう物なのか?確かに貴族でも街で従者を連れている人が多かった。
それなら。
「分かった、それじゃあ行こうとりあえず王都へ向かえばいいかな」
「はい、それで大丈夫です」
そうして玄関から外に出てから俺は鉄の翼を唱えた。
「ルア様?」
「歩くより飛ぶ方が早い、それじゃあ捕まって」
「え、ちょっ!ルア様!?」
エマをお姫様抱っこして鉄の翼と風域で飛ぶ。
「ル…ルア様こんな魔法を持ってたんですね」
「ん?ああ、依頼者が風魔法を使えたからそこで教えてもらった、この風域と鉄の翼はオリジナルだけど」
「ルア様、あの風魔法で空を飛ぶというのはとても難しい事なんです、それこそ風魔法で空に浮かべるというだけでかなり自慢になります、それに加えて空を飛ぶなど…」
なるほど…あの時ノソフが口をあんぐり開けてたのはこれが理由だったのか。
「ま…まぁ出来ちゃったんだからしょうがないじゃん」
「ルア様って本当に規格外なんですね…改めて実感致しました」
ま、まぁ神様にチートを貰っちゃったからね、しょうがないよね。うん。
「しかし空からの景色はこんな風になってたんですね…本当に綺麗です」
「本当だね…」
この景色を彼女にも見せたいな…そしたらあの人は喜んでくれるかな、逆に高くて怖いって言われちゃうかな。
いや、彼女にもう良い人が現れてたらそれも叶わないかもしれないのか、そうだよな俺と彼女あくまで前世で関係があっただけだ、今世では何も関係がない。
「…ルア様、きっと上手く行きますよ」
「?どうした?エマ急に」
「いえ、女の勘ですよルア様」
「バレたか」
「ふふっ」
してやったり!と言った顔をしてエマは微笑んだ。
そんな事をしていると王都が見えてきた。
「それじゃあ降りるよしっかり捕まっててて」
ゆっくりと風域を弱めて門の前に降りた。
「こんにちは」
そうして門番の人に挨拶をして身分証明を…。
「か…風魔法で空を…?しかも飛んできた…?ありえない…宮廷魔術師でも…」
「あの!王都に入るので身分証明を!」
「あ…?ああ、はいでは身分を証明できるものをお見せください」
「どうぞご確認ください」
貴族就任時にもらった家紋の刻まれたバッチを門番に渡す。
そういえば何気に俺今回が初めてだな、門番の前に降りるの。
「はい、確認が取れました、そちらのお嬢さんは?」
「私はルア様の従者です」
「なるほど、分かりました、では通って大丈夫ですよ」
さて、それじゃあ。
「エマ、ナビゲートを頼むよ」
「はい、お任せください!」
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