44話 後始末
「なんとか…いけたか?」
俺は荒い息を整えながら捻れてしまった腕を治そうと水薬を取り出し飲んだ。
やっぱり高品質の水薬は良いね、すぐに骨がくっついて傷が塞がる。
血とかは作られないから今ちょっと貧血気味だけど。
さて、討伐した証にあいつの死体を持ってかないと。
あいつ死体になれば流石に無生物判定だよな、そうじゃ無いとアイテムボックス使うないから面倒なんだけど。
よしよし、ちゃんと残ってるなじゃあ後はこいつに触れて回収すれば依頼は終わりか…。
そうして手を触れようとすると急にハーピィの体が動き俺の右腕に喰らい付いた。
くっそこいつまだ絶命してなかったのか!
暁!
こいつを喰らい付かせたまま焼き切る!
まだ死なないか、それなら俺が使える魔法全属性ぶち込んでやる!
そうして数十発ハーピィの体に撃ち込むとやっと絶命したようだ。
はぁ…くっそ水薬…ってもう在庫切れかよ。
こんな事ならもう少し補充しておくべきだったな。
はぁ…つか貧血で頭くらくらしてきた。
少し寝るか。
あ、でもこいつの死体があったら他の魔物が寄ってくるか。
アイテムボックスに収納して…霊符は…よしまだ在庫は残ってる。
結界を張っておいて、少し寝よう。
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う…うるさいな。
意識を失っていたが周りの騒がしさで目覚めた。
はぁ…なんだよ。
すると何人かの冒険者が倒れており魔物も集まっていた。
いくつかのパーティがここらへんで魔物に襲われたのか。
数人が魔物達の進行を止めているがあのままじゃ長くは持たないだろう。
ここら辺に倒れてる奴は俺の結界を見て這ってでも近づいたって事か。
少し血痕もあるし頑張って助けを求めた結果なのか。
結界を解き回りにいる冒険者達に回復魔法をかけておく。
俺の回復魔法はそこまで適性があった訳じゃなし意識がしっかりしてないから今はちょっとした止血ぐらいにしかならない。
さっきも腕にかけてみたが流血が止まっただけで腕の肉が生えたりはしなかった。
いつもなら骨折ぐらいまでは治せたのにな。
よし、これで連れて帰るまでは持つはずだ。
後は…進行を止めている冒険者を助ければ良いか。
右腕が使えないし刀は使えないな。
ここからなら暁の形を変えて弓矢にすれば…届くな。
さっきみたいに貯めずにすぐに撃つ!
冒険者の間を縫って魔物達に着弾した。
魔物の体が燃え上がり近くにいた魔物にも火が伝染していく。
いや、本当に暁浄化の力は持ってるけどどっちかっていうと相手を焼き尽くす炎って感じなんだよな。
治癒も部位同時をつなげるぐらいしか出来ないし。
いや、十分かそれでも。
それはさておき、魔物達は逃げていった、流石にあの炎を見て突撃してくる気はないようだ。
うっ…また貧血だ。
はぁ意識飛びそう。
このままじゃ空を飛んで帰るってことも出来ないしどうしたもんかな。
「ねえ」
薬草の在庫ってあったか?
「おーい」
いや、流石に無いな前に使い切ってしまった、またダンジョンで手に入れないと。
「ちょっと!話聞いてるの!?」
「うわぁ!なんですかいきなり」
「呼びかけても反応しなかったのはそっちでしょ」
つか貧血でこっちは頭がぼんやりとしてるんだ、まともな受け答えができる自信がない。
「すみません、貧血でもう意識がしっかりしてなくて…」
「あ、そういう事だったのね助けてくれて感謝するわ」
「こちらからもおすすめさせてくれ、本当に助かった」
「助けれたなら良かったです。
あなた達の仲間は治癒魔法で止血はしておきました、これ以上傷は悪化はしないと思いますが長く持つわけじゃありません。
なので早めにギルドに連れて帰って治療を受けてください」
「…分かりました、ありがとうございます」
「少し動かないでもらえるか?」
「ええ」
「治癒」
すると視界がはっきりして意識が戻ってきた。
「治癒魔法をかけさせてもらった、これで意識ははっきりしてくるだろう」
凄いな、適性のある治癒魔法はここまで効果があるのか。
これならギルドまで一人で戻れる。
「ありがとうございます、これで戻れます」
「いや、助けてくれたお礼だ」
「こちらからは、今できるお礼は無いけど私達のパーティの名前は霧の騎士って言うの、もし困った事があったらギルドを通して私たちに連絡して欲しい、いつでも力になるから」
「助かります、それでは」
風域と鉄の翼を起動してギルドへと向かった。
あ、転移使おうかと思ったけど魔力が足りなくて出来なかったのは内緒だぞ!




