39話 模擬戦 決着
ルーシーとの双剣での模擬戦が始まってすぐに俺はとても驚いていた。
コインが落ちると同時に地面を切り彼女の突きを受け止めたのは良かったのだが、こちらが反撃を入れる隙もなくすぐ次の攻撃が来てきた。
しかも一撃一撃がとても重く軽くいなす事は出来ず、息を止めて踏ん張らなければ押し負けてしまう。
普通双剣って力が分散する物じゃないの!?
こちらから一撃を入れようとすればすかさず攻撃が飛んできてしまう。
元々双剣自体ほぼ初めて使ったような物だというのもあるかも知れないが。
彼女の動きはなんとか追えない事はないが双剣にかかる力が強すぎて、素の力だけでは受け流したり受け止めるのが限界だ。
ルーシーは侍女としての技術を身につけただけじゃなく戦闘技術も身につけていた事に驚きだ。
まぁいざって時の護身技術としては満点だけどね。
しかし、彼女の動きに未だ適応で来ていない。
身体能力で速度を…いや、身体能力を上げただけじゃ技術には追いつけないな。
それなら一か八か[新武術]使ってみるか?
阿頼耶識で調べた感じ身体能力強化と同時に体の使い方の技術が上昇するようだ。
まぁ全ての武器に言える事だが体の使い方が大切なので多少でも彼女の技術に追いつけるだろう。
使い方はいつも通り…イメージをすれば。
すると彼女の動きがさっきより格段に追いやすく、攻撃の軌道を見極めれるようになった。
凄い、さっきまで目で追ってギリギリ防御するのが精一杯だったのが今は余裕を持って避けれている。
これなら、反撃を入れれる!
しかし、当然俺が彼女に反撃しても彼女に軽くいなされる。
でもさっきよりも彼女にどんどん攻撃を加えられている!
このまま押し切る!
何度も何度も攻撃を加えてようやく彼女の服の裾を少し切ることに成功した。
すると彼女は一気に俺から距離をとった。
「凄いですね、ルア様先程とは全く動き方が違う。
もしかしてルア様は相手の技術を模倣できるのですか?」
「いや、流石に模倣系統のスキルは持ってないかなでもルーシーの技術を見て少し学ばせてもらった」
「そうですか、ならこのまま長く続けるのは良く無さそうですね。
…一気に決めます!」
そうしてルーシーの姿が消えた途端とてつもない悪寒に襲われた。
これは…自身が対処出来ない危険な時の感覚だ。
そう思った時俺は双剣を投げ捨て、無意識に霊符を使い自分の周りを結界で囲っていた。
「影舞連刃!」
するとルーシーの姿が5体ほどに分身しその分身から一気に双剣の連撃が来た。
幸い結界は破れなかったが、あちこちにヒビが入っている。
これがちゃんと双剣の技術を磨いた人の威力か。
しかも分身したように見えたのは凄まじい速さで動いたせいだろうな。
でも真武術を使った状態での動体視力でも追えないって、あのまま双剣で受けようとしていたらゾッとする。
「ルーシー、俺の完敗だ」
そうして結界を解き、両手をあげて降参のポーズを取る。
「何故ですか?まだ勝負はついてませんが」
「俺は双剣を投げ捨てて結界を使った、つまり俺は双剣同士の模擬戦でやってはいけないルール違反をした訳だ。
俺の反則負けだろう。
第一このままやっても、本気になったルーシー相手に俺がやり合えるとは思えないし」
とゆうか、さっきまでほんわかしてた雰囲気が一気になんか何人か人殺してきたみたいな雰囲気になって怖かったし。
「でも、途中から本気で殺しにかかってなかった?」
するとルーシーは震えだし「申し訳ありませんでしたあああああ!!」と土下座を始めた。
あ、言わないほうがよかったかな。
「いや、ちょっと意地悪しちゃっただけだから逆に俺ルーシーの服の裾切っちゃったし…むしろ俺がやらかしてるから大丈夫だよ」
「し…しかし」
「顔をあげなさい」
「は…はい!」
はぁ。
怖かったけど同時に凄い楽しかったから別にそんな怒ってないんだけどな。
「しかし、ルア様凄いですね。
最初はまさに初心者といった動きでしたのに、途中から私の攻撃に対応しつつ反撃を入れ始めて私も少々楽しくなってしまい、ちょっと本気を出してしまいました」
あ、さっきのお淑やかな雰囲気に戻った。
「もしかしてルア様は、見た武芸などを習得できるスキルや加護があるのでしょうか?」
あ、やっぱり加護あるんだ。
俺もらえなかったな。
いや、それは高望みすぎるな。
「いや、俺はそんなスキルも加護も持ってないよ。
さっきのもルーシーの動きを見て見様見真似でやってみただけだし、結局全く太刀打ちできなかったし」
するとルーシーはポカンとした顔をしていた。
「ルーシー?」
「えええええええ!?!?」
「うわ!?びっくりした」
いきなり大きな声を出されて少し怖気付いてしまった。
「ルア様!私の動きを見ただけであそこまでやれたというのですか!?」
「う…うん」
「そんな…私のスキルの技術を見ただけで奪われるなんて」
「あー、いやスキルを真似できてる訳じゃないから落ち着いて…」
「はっ!失礼致しました」
さて、あまりここに長いしてはいけないしそろそろ帰ろっかな。
「さて、ルーシー帰ろっか?」
「えっと…帰りもアレですか?」
「もちろん、さて帰るよ」
「ちょっ、ちょっと待ってください!心の準備があああああああ」
うん、大丈夫。
俺も凄い恥ずかしいから、無理矢理考えないようにしてるだけだから。
そうして少し飛んで戻ってきたと思ったらエマとジュリアが怯えた様子で、その前に立っていたのは。
アリスさんだった。
ペラさんはアリスさんの後ろで額に手を当てて呆れた様子で。
アリスさんは、わぁお。
こんなに怖い笑顔ってあるんだな。
…これ、またやらかした?
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