3話 冒険者登録
「そういえばあなたの名前はなんというのですか?」
レッドゴブリンの襲撃を鎮圧するのは手伝ったお礼として街に連れて行ってもらっているのだがそこにお嬢様ものっているらしく危ないためローランさんも一緒に乗っている。
ソフィアさんは結構おしゃべりみたいだ乗り込んでからずっと話しかけてくるから自然と色々分かってしまった、好きな食べ物や色、飲み物、音楽なんの魔法が使えるのか彼女について少し詳しくなってしまった。
すると突拍子もなくローランさんに質問をされた、彼女自分のことばかりで俺のこと全然聞いてこなかったもんな、いやそれはそれでいいんだけど。
「シュウ=ツキシロです」
本名で答えた、ここで偽っても意味はないしね……いや偽る方が良かったか?でも呼ばれた時にわからなくなるし良かったんだうん!
少し本名をそのまま伝えた事を後悔したが正当化してやり過そう。
「シュウ=ツキシロ……我らの国にはなかなか無い名前ですねそれどころか風貌も我が国のものでは無いですね、別国の出身で?」
「ええ、まぁそんな感じです海を超えた先の国が出身ですね」
それっぽい事を言って少しはぐらかしておけば信じてくれるだろう小さめの嘘なら意外と人は信じてくれる、流石に別の世界から来ましたなんて言えないからね。
「ねえ!海の中ってどうなってるの!」
ソフィアさんが急に食い気味に聞いてきた、それもテーブルから身を乗り出して結構顔が近い。
「えっと自分が知っている限りは暖かい海だと珊瑚礁があったり海藻があったり気候によって海は変わります後川は全部海に繋がってると言われています」
「そうなのね!勉強になるわ!」
そうしてソフィアさんにたくさんの質問責めにあった、例を挙げるとすればなんで夜と昼があるのかや物が勝手に腐ったりするのはなぜかとか水が無くならないのはなぜかなど現代知識を使えば答えるのは造作もなき事だが説明するのがかなり大変だった。
途中から計算問題になってたし、簡単だったけど。
ふとローランさんをみると申し訳そうにしていたその後すいませんと謝ってくれた。
対するソフィアさんは疑問が解決できたので気持ちよさそうな顔をしている。
それから少し時間が経って街に到着した。
「ではありがとうございました、またいつか」
「ええ、シュウ殿またいつか」
「またいつか会おうね!」
そうして手を振りながら街の中に入っていった。
入場料として銅貨3枚を支払った。
因みにこの銅貨はローランさんに交換をしてもらったあいにく神様がくれたのは金貨しかなかったからね。
金貨の入った袋を見せたら凄い顔されたけど。
しかしやっぱり街となるとかなり賑わっているな、あちこちで人の話し声や買い物する人たちの明るい声が聞こえてくる平和な証拠だな。
さて…冒険者ギルドは……あった。
意外と分かりやすいところに置いてあった、案内の看板もあちこちにあるから良心的。
と思いながらドアを開けて入ると少しだけ後退りをした。
中には多くが体格の良い男、女性もいるがそれでも気配だけで強者と分かるそんな人たちに一斉に見られて少し怖くなってしまった。
しかし夢の冒険者のためなんだ!と恐怖を振り払い受付に向かうと受付の人は普通だったそうじゃなきとちょっと困るけど。
「こんにちは、今回はなんの要件で?」
「えっと冒険者登録をしたくて」
「了解いたしましたこれが冒険者の注意事項です」
早速渡された書類に目を通す
要約すると
・冒険者ギルドは貴族などの階級の影響を受けない
・冒険者は一ヶ月に一つは依頼を受けなければならない
・依頼による死亡及び怪我については冒険者ギルドは一切責任を負わない
・冒険者同士の争いは禁止(危害を加えられた場合又は下記を違反され行った場合は不問とする)
・他の冒険者のものを奪ってはいけない
・ランクはF〜SSまで
・もし上記の事に一つでも違反した場合罰金または謹慎処分が行われ最悪資格剥奪
ってところかここでの資格剥奪は少し意味が違くもう冒険者になる事が出来ないって事だでも予想通りのルールだ。
「読み終わりました」
受付の人に話しかける
「ちゃんと読むんですね、殆どの人はあまり読まずに次に行ってしまうのです」
受付の人が最後の方を少し悲しそうに言った、ってかなんで契約内容とかちゃんと読まないんだよ、後で怖いことになりかねないのに。
「すいません話がそれました、そしたら次はこの書類を書き終わった後にこの水晶に触れてください」
置かれた書類に記入するのは自身のLvや魔法の属性内容だけだった。
どうしよう、全属性って書いちゃおっかな…いやそればだめだなんかまずい気がする、火と土と水ぐらいにしておくか。
Lvに関してはもうそのまま書いてしまおっと。
そしたら次は水晶に触れるんだだったよね。
手を置くと水晶の色が赤色に変わったすると受付の人の顔が驚いた顔をしていた。
「水晶が赤色に…魔力量がかなり多いんですね…って三属性!?今までそんな人見た事ないです!記録にもなかったような…」
危なっ全属性って書いてたらとんでも無いことになっていたな後ろで冒険者達がざわめきだしたのでちょっとうるさい。
「こほん、少々取り乱しましたすいませんでは今からギルドカードを発行してまいりますのでお待ちください」
すると僕が書いた書類を何かの機械に入れ小さいカードになって出てきた。
「ではこちらに血を一滴垂らしてください」
一緒に渡された針で自分の指を刺し血を垂らすちょっと痛いけど我慢我慢。
「ではこれで契約完了です、魔力量や属性から見てDランクからスタートです」
そうしてカードを受け取った。
やっと念願の冒険者になれた!これからもっと楽しむぞーそんな事を考えつつ今日泊まる宿探しを始める俺だった。
「それでソフィア様、どうします?」
馬車のキャビンの中でローランがソフィアに問いかける。
「ええ、明らかにどこかの国の王族であるのは間違いなさそうね、しかも私達の国よりはるかに発展した」
「しかしそんな話は聞くことがありませんきっと亡国なのでしょう」
「それでいても凄まじい技術だわ、最初の方は私達も解明できているものだけれど後半はちょっとした意地悪で私たちが解明できていない問題を聞いたのに理屈もちゃんと教えて納得しちゃった」
「彼はきっとこれから大きな影響を及ぼすでしょう、我々としては取り込んでおきたいものですね」
「そうね、ローラン部下に彼の動きを見張ってもらう事はできるかしら?」
「仰せのままに」
「シュウ=ツキシロ、また会えるといいわ」
キャビンの中の空気は緊迫した空気であり重々しかったとその時近くにいた騎士達は言う…。
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