34話 白狐
よし!今日もやらなきゃいけない物を終わらせれた、という事でダンジョン攻略の再開だ!
場所自体は把握しておいたので簡単に到着する事が出来た。
今回はダンジョン内で使ってみたい物が一つある、多分地上でも使う事ができるがもし爆発でも起きてしまったら後始末が面倒だ。
その点ダンジョンはあまりにも破壊し続けなければちゃんと再生してくれるのでいくらでも実験ができる。
早速ダンジョンに入り今回はスライムの素材は大して必要ではないのですぐに階段を降りて第二階層に到着した。
さて、早速やってみるか。
俺の種族名は白狐となっている、その割には俺には狐の尻尾や狐の耳が存在しない。
確かに獣人の中には狐モチーフが居ないので当然かもしれないがどこかこの状態では妖術を使う時に何か引っ掛かる感じがある。
こういうのはイメージが必要だろう。
ってこの時のイメージはなんだ?狐の耳が出てくるイメージか?
と思い何度もイメージをしたが全く人間から変わる事がなかった。
そう何度も頭を捻っていると小鬼の突然変異体が集まってきてしまった。
やっちゃったな、でもちょうど良いや!
今回は霊符による技も使ってみたかったんだ。
進化って凄いよね、今まで霊符とかみても全く文字が読めなかったのに今はまるで慣れ親しんだ文字のように読み書きができる。
霊符を二つほど投げ技を使ってみる。
「影縛!」
すると複数体の小鬼をまとめて影の縄が縛りつけ動きをとめた。
小鬼ほどの力であればそう簡単にこの縄は千切れないだろう、このまま妖力を込めて縛り上げれば。
簡単に小鬼を絞め殺す事が出来た。
他の小鬼達は仲間の死に様をを見てか動かずこちらの様子を伺っているようだ。
でもさっきので大体の感覚は掴めた!
もう一回「影縛」
今回は周囲にいた小鬼を一気に巻き込み今度は待たずにすぐに殺した。
妖術は何も霊符が必須という訳じゃない、妖術を扱える者なら何も無いところから発動する事ができる。
ただ霊符の利点は主に三つある。
一つは霊符を他人に譲渡する事で渡された側が妖術を使えなくても妖術を行使できる点だ。
二つ目は消費する妖力の量が少なくて済む、妖術使用時に実は霊符を介さないと妖力の6割ほどを捨ててしまっているのだ。
霊符を介した場合それを3割にまで抑える事ができる。
三つ目、これが霊符の1番のメリットだと俺は思っている。
それは、構築に時間がかかる高等結界術をあらかじめ構築する事や合いの手と言われる本来二人で使う術式を一人で行う事が出来る。
しかし、やっぱり妖術を行使しても人間のままだ。
妖術を使う事が白狐に変化する条件ではないらしい。
そりゃそうか、そんな簡単な条件だったら今頃白狐で溢れかえってるか。
しかし、本当になぜ変わらないんだろうか…何か他に条件が…?
いや、待てよ。
狐というのは古来人間に化けて悪戯をすると言われていた存在。
それなら今俺の姿が変わらないのも俺が自身の体が人間だというイメージに引っ張られているからか?
ゆっくりでいい。
自分の中にある物をゆっくり解放していけば良い。
ゆっくりとでも堅実に一歩一歩自分の力を掌握するイメージで。
何かが自分の中で変わり出した気がする。
でもまだ辞めてはいけない、一歩踏み出しただけ。
何度も何度も繰り返して紡ぐイメージを。
[…種族白狐の完全解放が成功]
よし、このまま解放するイメージは崩さずに力を行使する。
するとゆっくりと自分の体が変化していくのが分かった。
ゆっくりと目をあけ近くの湖に姿を写した俺の姿は白い尾と白い耳を持った狐の獣人のようだった。
ただズボンが尾によって下ろされてしまってるのは問題だ。
すぐに魔力を込めて服の形を変化させ尾がちゃんと出るようにした。
しかし一本じゃなくて2本なんだな。
やっぱり妖狐だからかな?
特に一番感じてるのは…さっきよりも感覚が研ぎ澄まされた気がする。
音もより鮮明に聞こえ視界も理屈はわからないが自身の周囲全体を確認できている。
音に関しては人間の耳と獣の耳を持っているから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
ただこの姿はさっきも言った通り感覚が研ぎ澄まされている、それこそ研ぎ澄まされ過ぎているぐらいだ。
さっきから完結しない情報に脳が悲鳴をあげている、ずっとこの姿でいる事はできないけど戦闘を行う時に使ったりは出来そうだ。
そうだ妖術の感覚はどうだろう?
さっき手に入れた情報で小鬼達の群れが歩いてたんだ。
そうしてその先に歩こうとすると今まで制御出来ていなかった身体能力の高さが完全に支配できていてちょうど良い速度で走る事が出来た。
そうして見つけた小鬼の群れに向かって「影縛」を使うとさっきのように霊力の消費がかなり少なく済んでいてその上強度もかなり上がっているようでさっきは縛り付けておく縄のようだったが今は握ったりすれば指が落ちるほど鋭利な糸みたいだ。
このまま切り刻む!
そうして数十体ほどいた、小鬼の群れは一瞬で壊滅した。
やっぱり白狐凄いや…。
まだ時間はありそうだしこのまま次の階層で新しい妖術とか組み立てみようかな。




