27話 獣人
「ん…んあ?」
昨日は、ああ。
みんなのために色々やってたんだった。
魔力の消費は殆どないけど精神的な疲労が凄かった、そっちの疲労は魔法とか水薬でも無理だからな。
さてとみんなの様子はどうかな。
洋服は、そのままで寝たかそんなに汚れてないしこのままで出れるか。
「え?」
屋敷から出て街を見た時驚いて立ち止まってしまった。
なぜなら獣人が皆生き生きとして家の補強などをしていたからだ。
何故だ?スキルの見立てでは立ち直るのに日数がかかるはず。
俺のスキルが間違えた?
「あ!ルア様お目覚めになったんですね」
一人の獣人の青年が俺の近くに笑顔で近づいてきた。
「これは…どういう事だ?見立てでは少なくとも数日はかかるはず昨日の今日で回復するのはおかしい」
「そうですよね、でも昨日の水や料理を食べて家に戻って寝たらすぐに体調が回復して。
私達もわからない状態ですが動けるに越したことはないので!」
昨日の水と料理、そして家…。
獣人は身体能力が高い分必要な栄養が多く必要な種族のはず。
でも、食べる量は人間と大差がない。
…まさか魔力を栄養として消費できる体質なのか?
それならば魔力を殆ど持たないのも理解できる。
…気になる、その仕組みを探求してみたい。
「本当にこの世界は面白い事が多いな」
「え…ルア様?」
しまった、口に出してしまったか。
「いやこっちの話だ、それよりも皆は?」
「確認できる中だと獣人は殆ど回復していて街の人々はまだ回復に時間がかかるらしいです」
「そうか…それはそうとこの街に洋服をつくる技術を持つ者はいるか?」
「え?居ますが…なぜ?」
「周りを見てみろ」
「あ…」
昨日は気づかなかったが正直服が古く破れているものが多い。
男性なら良いが女性は、目のやり場に困る。
「す、すいません!早急に取り掛かります!」
「あ、布はこれを使え後獣人で回復した男性をを集めてくれ」
そうして残していたスライム布を渡した、これでスライムの在庫は0。
流石にそろそろダンジョンに行かねば。
そんな事を考えていると一羽の鳥が近くにやってきた。
餌が目的?
「ツキ…じゃなくてルア君、きっと街の復興に取り掛かり始めてると思ったからこちらから信頼できる兵士と文官に加えて職を失っていた者達を送っておいたぞ!」
…はぁ?
え、この声はジーニーさんだ。
未来予知ができるのかと言いたくなるし、よくそんな都合よくそんな人たちいたな。
あーダメだこれ、情報量多くて頭から火が出る。
「ルア様ー」
「ああ、連れてき…ええ!?」
彼の後ろには自分より何倍も大きい獣人の男性が十数人と軍隊のようにいた。
迫力凄…てかこれ俺の方が弱くない?
すると彼等は皆額を地面に擦り付けていた。
「ルア様…我らに何かようでしょうか、どんなことでも聞きますので…何なりとお申し付けください」
ああ、前の領主の影響か。
「おい!お前はなぜ額を擦り付けない!」
「え、でもヨルさんが…」
「いいから!」
「静粛に!」
すると一瞬で静まり返った。
初めて使ったけど本当に静かになったな、って今回は状況が状況か。
「皆、面をあげよ」
「ルア様…しかしそれは冒涜になります」
「領主の命令に背き額を擦り付ける方が余程冒涜ではないか?」
「っ…分かりました」
はぁ…一度対面で話すだけでもここまで大変なのか、一から認識を変えてもらわないとな。
「よし、じゃあこれからみんなで荒地を畑に戻していこう!まずは自立できるようにしていくんだ」
そうすると獣人達は皆慌てたように農具をとりに行ってくれた。
「ルア様は本当に変わっていますよね」
一人残った獣人を連れてきた青年がぼそっとつぶやいた。
「確かにね、自覚はしてるよ」
すると青年は青ざめた顔をして慌て出した。
「申し訳ありません!無礼な事をしました」
…前の領主とは言えここまで怯えられると逆に怒り湧いてくるな。
「無礼じゃないし、遠慮や気遣いは行きすぎると嫌味になる事を理解してほしい」
「…ではどうすれば?」
「怯えずにどんどん意見を言えば良い、いやだと思ったなら言うからその都度変えて行けば良い」
元よりそんなに敬遠される事に慣れていないのだ同じ人の形をしていてちょっと魔力がないだけの存在なのだからそんな下の存在と決めつける必要もない。
だが…人はいつでも何かの上には立ちたい生き物。優劣をつける所が人間の利点であり欠点でもあるな。
「では、質問させてください何故私達を対等に扱おうとしてくれるのですか?」
「…何故それを聞く?」
その質問は来ることは分かっていたけれど、いざされてみると。
胸の辺りが痛いような苦しい感覚がする。
「いえ、私達は魔力を持ちません、しかも私達には魔獣の性質が現れています忌々しい魔物の一部を持っていて不快に感じないのですか?」
「じゃあ質問に質問で返すようだが獣人と魔物の境界は何だ?」
「それは…」
「一つは対話が出来ることだ、彼等は本能に従い見境なく襲う。
二つ目は人らしい感情がある事、彼等は怒りの感情しかない。
それに魔獣の一部を持つからなんだ?選んでなった訳じゃないだろうそこに何の罪がある?
その理論が通るならお前達は前の領主のせいで苦しめられたと言って人間という共通点があるからと俺に復讐する権利がある、だからお前の言ってる事はめちゃくちゃだ。
この世界から俺が差別をなくすとかそんな大層なことを言える勇者じゃないが少なくとも俺の手が届く範囲ではそれは許したくない
生きることすら難しい生活を送ってきたとは思うし希望を持つ事をを許さない世界だがゆっくりでも良いから俺に対しては気軽に話してほしい」
…やっぱり俺は彼女と違って感情を隠せない、本当に未熟でまだまだ子供だ。
彼の方をみると彼は涙を流していた。
「あ、ごめん!強く言いすぎたか?」
すると彼は頭を横に振り笑顔を向けてくれた。
「ありがとうございます、初めてですこんな人に出逢ったのはお願いします」
「…君名前は?」
「レオです」
「そうか、レオ俺の手伝いをしてくれるか?」
そうして差し出した右手を彼は力強く掴み。
「はい!」
と言った。
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今回は会話が多くなってしまいごめんなさい。




