17話 終幕?
〔エルド視点〕
今回の大会での優勝賞品として皆が噂している物はあのロベール家の直系の娘であるソフィアさんとの婚約らしい。
僕の家は平民の生まれで弟がいてみんなの言う平凡な暮らしが出来ていたがある日父が病死してからは暮らしが一変した。
母は毎日のように働いていつも体を酷使してから家に帰ってくる。
勿論僕も他の場所で働いているのだがそれでも母に苦労をかけているのは変わらない何せ4人家族だったわけだ、僕ら二人を食わせていくのは相当大変だったはずだ。
だからもしここで優勝して婚約を勝ち取れれば母にも楽をさせてやれると思った。
幸運な事に昔から力は強く、父が病死するまで父と模擬戦をしていた為戦闘経験は少なくともある。
だから負けるわけにはいかないのだ。
そんな思いでライバルを倒してとうとうロベール家のジャンさんと戦う事になった。
不思議な仮面をつけていたがその立ち振る舞いからして今までの人とは違う強さを持っている人だと分かった。
実際驚くほど強かった、きっとあのまま、まだ倒せていなかったと思い追撃をされていたらきっと負けていただろう、あの残像しか追うことが出来なかったあの技によって。
しかし警戒を解いてくれたため不意打ちが決まり加えてこの人魔法の性質を見破る事が出来ていた為もう大剣を首の近くに持ってきた時この人は……笑った。
「人はな、自分が見破ったと思うとそれがたとえ嘘だとしても本当だと強く信じるんだよそれにとどめの一撃は1番の隙だ」
意味が分からなかった、そのまま大剣を振るう。
いや振るったはずだった、腕の先の感覚がない…まさか。
僕の両腕は大剣ごと吹き飛んでいた。
〔リョウ視点〕
危なかった、正直賭けだったがなんとかなった。
俺も正直限界だった、雷が体に当たって平然としていられる方がおかしいのだ、これ以上長引くと俺は確実に負けるだから一か八かの賭けに出たまさか腹部を貫かれるとは思わなかったがわざと気を緩ませた演技をしたお陰で大きな隙を作る事が出来た。
エルドの大剣が首に当たる前に俺は魔法を使った。
炎魔弾の七発目だ。
本来モチーフにした魔弾の射手では七発目は大切な物を貫くが俺の場合は少し違って魔力消費がかなり激しい代わりに貫通率や威力が桁違いの物を撃てるようだった。
けれど俺は撃たなかった、魔力を消費しすぎしてしまうと大きな隙が出来るから。
故にストックすると言う選択肢を取った。
それならば魔力消費はかなりなくなる、次の期間がかなり遅くなるのが難点だが大抵六発目で決着がついていたので問題なくかなりストック出来ていた。
エルドに使った弾のストックは合計10個、速度を上げる為の一個と攻撃用の4個を組み合わせ両腕なので10個だ。
簡単に七発目を使わなかったのが功を奏したみたいだ、父から言われた事を覚えておいてよかった。
『人は自分が見破ったと思うとどんな嘘でも信じるんだ。それにとどめの一撃は最も大きな隙だ』
さて、もう決着をつけよう。
「エルド、君の戦いはとても楽しかった、さよなら」
そうしてエルドの首を刀の柄で思いっきり叩いて気絶させた。
あ、やべもう限界だ。
そうして俺の意識は暗闇へと落ちていった。
目を覚ますと体の傷は全て完治していた。
「ジャン様、優勝おめでとうございますこの後祝福の儀がありますがまずは会場に出て表彰を受けてきてください」
なんとか依頼は達成かな…正直かなりきつかった。
でもかなり収穫はあったと思う。
もう一度戻ると観客の盛り上がりが最高潮になっていた。
すると受付の人に案内され、ジーニーさんの所まで行き優勝者がつける冠を被せてもらった。
正直緊張してジーニーさんからの祝福の言葉はよく覚えていない。
でも依頼された事とは言え優勝出来た事は純粋にとても嬉しい。
そうしてこの後は報酬の話になり一度部屋へ行き報酬を何にするかを相談するらしい。
俺はもしかしたら新しい魔法を手に入れる事が出来るかもしれないという事やスキルのレベル上げの方法などを知れるかもしれないという希望を抱いてかなり気分が高揚していた。
しかしここで本当なら更なる警戒をしておくべきだったのだろう。
勝って兜の緒を閉めよと言うように、こんな力と力のぶつかり合いは観客の興奮を引き起こす事ができるが、また引き寄せたくはないものまで引き寄せてしまう。
俺は慢心していたのだろう、神様のお陰で異世界にこれた事と冒険者に慣れた興奮によって。
ピシッとガラスにヒビが入った時の音が響いた。
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今回は初めて登場キャラクターの視点を書いてみましたがいかがだったでしょうか?一度書いてみたところかなり筆が進んだ為これからも取り入れていく為少々書き方が変わるかもしれませんがよろしくお願いします。




