16話 決勝戦
とりあえずここまでの準備をしておけば良いかな。
今回はアイテムの持ち込みは禁止されていない、だがあまりにも多いアイテムを使ってしまうとアイテムボックス持ちを疑われてしまう。
別に大した問題ではないが刀を使っている以上正体が俺だと裏付ける証拠になってしまうかもしれない、それに最高級水薬なんての使ったら一発でバレそうだし。
なので今回持ち込むアイテムは上級水薬3本にしておいた、これならポケットとかに入れててもおかしくない量…だと思う。
それと少し自分の使える魔法の詳細を確認しておいた、今回の試合では出し惜しみは無しだ、魔法を使うのをためらって負けたら本末転倒だし、流石に僕の魔法まで把握してる人はいないでしょ。
よし、準備完了だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー試合ーーーーーーーーーーーーーーーーー
いよいよ彼との対戦か、けどやっぱり妨害はされるんだな。
何度も鑑定で能力を測ろうとするがその度に妨害されてしまいスキルなどを確認する事ができない。
「そろそろ始めましょうか、ジャンさん平民である私が由緒正しき家であるロベール家のあなたと戦える事を光栄に思います」
「いえいえ、さて君の名前を聞いても良いか?ここまで勝ち進んできたんだかなりの実力者だろうからね」
「私の名はエルドと申します」
「そうか、エルド互いに全力を出し合おう」
そうして開始の合図が鳴った。
すぐに身体強化をかけてすぐに仕掛ける!
刀と大剣の刀身がぶつかり合い大きな金属音が鳴り響く。
やっぱり反応してくるか。
「ふっ!」
危な!?
すぐにカウンターを入れられギリギリのところで避ける。
技術無しでこれかよ!こりゃスキルに何か速度を強化するやつがあるな。
「風域」
からの、「炎魔弾」
一気に六発空中からぶち込む!
「雷光、貫け」
煙から雷が飛んでくる。
これは…上位魔法?だが属性に雷はなかったような。
しかし雷によって煙が晴れた時に見えた事で納得した。
成程、精霊魔法か、しかも上位精霊…。
精霊魔法は魔力を介さない為魔法に対する耐性を持っていたとしても貫かれる。
さっきの雷光も一つだな、慢心して当たれば致命傷だった。
その証拠に衝突した壁が黒く焦げている。
「驚きました?平民の私が上位精霊を宿していることに」
「ああ、驚いたまさか魔法を全部打ち消されるとはな」
さっき明らかに炎魔弾が空中で爆発した、こういう空中戦も想定していたんだろうな。
「上位精霊を宿していることに驚きはないんですね、でも良いです互いに本気で行きましょう」
……確かにな上位精霊を宿しているのは予想外だ、大剣を持って攻撃してたのはこの精霊魔法を隠すためのフェイク。決勝戦で本気で勝つために隠していたのだろう。
流石にもう本当に殺す気で挑まないと無理そうだ、俺は精霊魔法に対する物は持っていない使われすぎると負けるのは明確。
どれだけ使われずに戦えるかだな、早速月城流の出番ってわけか。
「付与水風」
さっきのジャンがやっていた事の応用だ、水と風を同時付与して振動させることで切れ味はかなり向上する。
「二重付与…さすがですね」
エルドも本気なのか辺りに雷のような物が見える、付与は本来なら隠れながらする物なんだろうけど、出し惜しみはなしだ、本気でやろう。
月城流、「疾風」!
俺が今使っている月城流はどちらかと言うと一撃一撃は弱いが連続で相手を斬る剣技だ、それ故に次の動作へ繋げやすいのと身を守るための技がかなりある、雄一の欠点は一撃が弱いので相手に見切られて仕舞えば不利になる。
でも俺は父さんに体ボロボロになるまで打ちのめされたんでそんな俺の斬撃を見切るのは難しいだろうな!
エルドへ距離を詰めて一気に斬る。
「っ!稲光」
雷が俺の肩に直撃し一気に俺の肉を灼く。
でもここで退いたらまたイタチごっこだ、それならやり方はある!
「時雨!」
エルドの服を掴みこちらに引き寄せてエルドの下半身に五連撃の斬撃を繰り出す。
今使った月城流の型は基本的に三連撃となり上 中 下のように素早く切り込んでゆくそしてほとんどの技の最後の体の向きは月城流の技であれば別の技と繋げる事が出来る。
それ故に相手に動く隙を与えずに相手を倒す事ができる。
だがこの時雨は例外だ、五連撃の斬撃をどう打ち込むかは技を使う人によって変わってくるつまり他の技と比べて月城流の技を繋ぐ事が難しい。
しかしそれは逆に言えば月城流以外の技と繋げる事ができる。
だから俺は刀を持っていない方の手に風魔法で風を集める。
いくら風とは言え凝縮されればかなりのエネルギーを持つ精々2秒程度の凝縮だが、エルドを気絶させるのには充分だろう!
エルドに反撃の隙を与えないようにエルドの腹に思いっきり風をぶつけて吹き飛ばしおまけに炎魔弾で追撃をしておく。
ドカンと大きな爆発音がして吹き飛ばした壁が大きく崩れた。
もうこれで終わりか?そろそろ俺も限界だし上位水薬で回復を…。
グシャ。
嫌な音がすると同時に俺の腹部に痛みが走る。
「グッ…ァ」
苦悶の声が漏れる、流石にこんな事はした事がないから耐性がない。
「私の勝ちです!諦めて降参してください」
エルドの体は雷で覆われていた、成程考えたな。
風を直撃させる直前に全身に雷を纏って衝撃を抑え今度は大きな槍のように変えて死角から俺の腹部を突き刺す。
でも俺だってこれに対する手段は持ってる!「炎魔…
「無駄ですよ」
エルドはもう俺の目の前に迫っていた。
「ジャンさん、貴方のその魔法七発目撃てないんですよね?ずっと観察してましたが必ず貴方は六発目を打った時すぐに撃たずに時間が空いてから撃っていた、つまり貴方は七発目を撃てない、そして再度装填するのに多少の時間がいる、無論連続で撃つことは出来るのでしょうけど魔力を大幅に消費するからしない。そんな状態の貴方ですから簡単に間合いを詰められました」
そうしてエルドの持つ大剣が俺の首元に来て俺の首をもうすぐ刎ねるだろう。
だがそんな中俺は笑った。
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