13話 治癒魔法
「戻ったぞ、ノソフ」
ノソフに声をかけつつゆっくりと風域を弱めていく。
「戻ってきたか、必要なものは手に入ったか?」
「ああ、当然」
「なら良い、さっきスミスが起きたアンタに感謝を伝えたいらしい」
そうして家に入るとさっきはよく見えなかったが身体中の色素が薄かった、アルビノってやつか?
「あ、そのありがとうございました、お陰で身体もだいぶ良くなりました、どこかの教会の方ですか?」
「いや俺は違うただのしがない冒険者さ」
会話をしつつ診眼を使う。
…やっぱり変化はないか、クラフティングテーブル起動。
さっき手に入れた蜂蜜と薬草で栄養剤を作り出す。
「これを飲んでくれ、薬草が入ってるが蜂蜜が入ってるからかなり飲みやすくなってるはずだ」
そうして手渡すと顔が引き攣っていた、そりゃそうだこの世界で薬といえばとても苦く対して効かない事が殆どだ。
この世界では医学が発達していない、きっと誰も嫌われ役を買わないんだろうな。
そんな物思いにふけているとスミスは渡した栄養剤を少し飲んでみたいですその甘さに驚いていた。俺も今少しだけ生成してみると薬の苦さは少し残っているがかなりマイルドになっていた。
「これ…本当に薬なんですか!?すごく甘くてお菓子みたいです!」
「あんまり興奮するな、今は安静にする事が絶対だ、一応スミスさんの体に起こっている事はノソフに説明してある、必要な分の栄養剤を置いていくから1日に必ず一回は飲めよ」
診眼は便利な事に大まかな必要な量を教えてくれる、スキルのレベルをあげればどんどん多くの機能が追加されていくみたいなので優先的にレベルを上げたいスキルだ。
スキルポイントを稼ぐのが結構大変なんだけどね。
「俺は一回帰る、ノソフ約束は守って貰うからな、大体治るであろう時に俺はまたここに来る」
そうして風域と鉄の翼を使っていつもの宿に帰った。
はぁ…妹…か。
………………………。
…明日の準備をしよう2週間ほずっと怠惰に過ごすのは俺が嫌だ。
中層のどこまで行けるか挑戦してみるか。
〜二週間後〜
「ノソフ来たぞ、スミスの体調はどうだ?」
ノソフに問いかけると穏やかな笑いで「答えはお前の後ろだ」と言われた。
慌てて後ろを振り返るとイタズラが成功したような幼い子のような顔をしたスミスが立っていた、すっかり元気になったようで色素のない儚さを孕んだ白髪が揺れていた。
「ツキシロさん…で良いんですよね、ありがとうございました!お陰ですっかり良くなってまだ冒険ができそうです!」
「そうか…あまり深いところは行くなよ?同じ事を繰り返すだけになるからな」
「そうですね…善処します。それはそうと兄が私の治癒魔法を見せるって約束していたみたいなので教えます、といっても治癒魔法は見せるよりも体に使ったほうが分かりやすいと思います」
するとスミスは俺の体に触れた後にだんだん魔力が流れてきた、少しずつ体が元気になっている気がする。
「今のが治癒魔法のベースとなる魔力です、こっから治癒の魔法に変換していくので…ってえええ!?」
俺はさっきの魔力の影響でもう治癒魔法を使う事が出来るようになった、属性が使用可能になるのは見るだけじゃないって事だな。
だが一応行使は出来るが…他の魔法をイメージしづらいのであまり大きな傷は治せそうにない、結局水薬頼りになりそうだな。
けど前にゲームで見た治癒魔法なら再現できそうだ、周りにさっきの魔力を浮遊させて「ヒールリング」
そう唱えると俺の囲うように回復の力を持った輪っかが生成された。
使ってみて分かったが定期的に体力を回復する技のようだ、だが魔力を以外と使うな連発は避けた方が良い。
「なんでこうも簡単に使えるんですか、治癒魔法なんて最初から才能がないと出来ないのに、才能があるんだって自惚れてた私が恥ずかしくなってくる」
「仕方ない、俺も俺でなんでこうも色んな属性が使えるのか良く分かってないから、ただこのレベルだとせいぜい骨折ぐらいしか治せそうにない、まぁもっと熟練度を上げれば部位欠損は治せるかもしれないけど」
「いやもう十分ですよ!?」
そう二週間前のあの弱りようはどこへ消えたのやら元気に俺にツッコミを入れれるようには回復したみたいだ。
なんだかノソフとスミスのやり取りが羨ましく思える。
……さて帰るか。
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