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9話新武器 神鉄

よし…ここが例のお店だな。


俺はギルドから紹介してもらったお店の前に来てきた。


ギルドの人には何があっても責任を取らないと言われたがそんなに危険なお店なのだろうか?


正直そんなお店はここにはないと信じたいのだが入らない事には何も分からないので入ってみる。


でもなんであんな良い物を作れるお店がこんなにも端っこに押し込められているのだろう。


そう思いつつドアノブに手をかけ中に入る。


するとムワッと熱い蒸気が顔にかかって思わず顔を顰めてしまう。


「なんだ青二才、ここには子供(ガキ)の扱うおもちゃはねぇぞ…いやそのみなり冒険者か?」


きっとさっきまで作業をしてきたであろう器具を持ちながら男性は話しかけてきた。


どちらかと言うと盗賊団の族長とかやってそうな感じの人だ大丈夫なのかぁ?


「ああ、冒険者だギルドの紹介でやってきたオーダメイドの依頼をしたい」


そうしてギルドの紹介状を渡すと信じられないと言いたげな顔をした。


「嘘だろ!?あんたアレを見て依頼がしたくなったのか!?てっきり他の冒険者と同じあれ以外の物を作れと言ってきたのかと」


確かに他の人たちには凄い顔をされていたけどもしかしたらこの世界じゃ刀は弱い扱いなのかもしれない。


あれは使い方を知っている人が使うから輝くのであって素人が使えば輝きを失い鈍と化す、一歩間違えれば自身を切り刻んでしまう物も多い。


前者に関しては全ての武器に言えた事だろうけど。


「そんなに刀の評価は低いのか?」


「ああ、この世界じゃ刀を使うよりも剣を使うのが正しいとされている、一時全ての武器を自由自在に操ると言われて著名だった冒険者が刀を使ってみたんだがそれだけは自身を切り刻んでしまったらしくそれ以降刀は扱いづらく自身を傷つける物だと思われているんだ」


どんな武器でも操る…胡散臭いな、話の時系列的に故人っぽいから俺が気にすることでもないか、しかし自分を切り刻むなんてどんな使い方をしたんだ?俺も最初の頃は切ったけど少しの切り傷だけだったぞ。


異世界ってやっぱ違うんだな。


「それは…単に使い方が悪いだけだろ刀は使い手に依存する、剣みたいに我武者羅に振ってれば良いわけじゃないしな」


「それに関しては同意見だ小僧、お前は未熟そうに見えて案外悟ってる部分があるんだな、俺にはどっか知らない世界から大人が宿ったように見えるよ。


まぁ荒唐無稽な推測だがな」


この人意外と鋭いな、もし俺の出生を聞かれた場合転生者だとバレるわけにはいかない、あの人たちと同じようにどこか遠くの国からやってきたことにしておけば問題はないよな?


「さて、何を使ったオーダーメイドにしてやろうか?この俺にかかれば使えない素材なんてものはないぜ」


「頼もしいな、ではこれを使って俺に合う武器を生んでくれ」


「……70点ってとこだな」


「は?」


急に点数を言われて俺は意味がわからなかった70点?良いのか悪いのか微妙なラインだ。


「周りの大人から言われた言葉を付け焼き刃として話してるだけだ、小僧本人の言葉じゃねえ」


「うぐっ」


確信をつかれてしまい漫画のような声が出てしまった。


「だが嫌いじゃねぇ今まであった奴らよりはまともだ。


話を変えるがこれはどこで採取したんだ?こんな素材見た事がねぇもしこんな物が取れる場所をお前が知ってるとしたらこの国の貴族(お偉いさん)はお前を拷問してでも吐かせるぞ」


まじかよ…神様がくれた物はやっぱり普通じゃなかった!


「それは…うちの家に伝わる家宝の刃で俺はよく知りません、俺の家じゃ代々子供に守刀としてそれを継がせますから」


「こんな魔力伝導が良くて全属性にも対応できる鉱物を用意できるとかあんたの家は王族が何かだったのか?悪いが俺は鉱石鑑定を持ってるもんでそこに狂いはない」


専門的なスキル…俺の鑑定よりも調べれる物は限られるがより精密に高度な鑑定ができる物だ。


「まぁ言いたくない事は言わなくて良い、とりあえず手の大きさを測らせてくれオーダーメイドだきちんと合うように作らねぇと」


そうして手の大きさを巻き尺のような物で測られるそれを設計図のようなものに写している時にこちらに話しかけてきた。


「さっき小僧が答えられなかった30点が何か教えてやる


それはおまえにとっての武器がなんなのかって話だ、当然こんなのを考える冒険者はいねぇと思うが俺らにとっちゃ大事な事だ俺の考えだがしっくりくるなら自分の言葉に変えて使いやがれ。


武器とは使用者の魂の片割れだ、命を預け共に成長していくもんだ、特に小僧みたいな冒険者はな、だが最近の若いやつはそんな事を考えてもいねぇ壊れたら新しいものを買えば良い別にずっと使わなくても良い。


俺はそんな愚者共を見てると虫唾が走る武器はそんなもんじゃない共に成長するためのもんだろうとそう思うから俺は最初に冷たい態度を取るんだ」


…そう言う事だったのか、確かに今の人達は武道に使う物を大切にしない俺の世界でも同じ事だ、大事に使う人はもちろんいるが雑な手入れをしている方がまだマシで全くしない人もいる、昔と今じゃ考えが違うのはわかるが歴史あるものを無下にするのは間違っていると思う。


そう思うとこの人の考え方はとてもしっくりくる。


「さて、最後は俺の感情が入っちまったな、小僧どう思った?」


「確かにそうだと思ったよ、今じゃ昔と考えが違うのは分かっているが武道を蔑ろにするのは間違っていると思うし武器が魂の片割れ共に成長していく物と言われて俺の中にあった突っかかりが少しとれた気分だ」


「満点に近い回答ができるようになったじゃねぇか小僧良い顔になってるぜ」


そう言われて顔を触ってみると少し顔が強張っていた、昔から何か考え事をする時必ず起きている事だ。


「さて、設計図は出来た、後は型に流し込んで作るだけ小僧はどこかで時間でも潰してろ夕方ぐらいにまた戻ってこい」


「分かった、それとアンタの事はなんて呼べば良い?」


「別になんでも良い、俺はお前のことを小僧どう呼ぶがな」


「じゃあ俺は親父と呼ぶ俺の武器の生みの親になるんだからな」


そう言って俺は扉を開けて外に出る、さて冒険の依頼でたまったお金でちょっと贅沢でもしますかね。


そうして少しお高いご飯屋さんで楽しいひと時を過ごす俺だった。


「全く青二歳のくせに」


そう呟く鍛冶場の男、ワーグナーはそんな言葉とは裏腹にとても嬉しそうな顔をしていた。


「さてあの小僧に頼まれていた物を仕上げねぇとな」


そうしてその近くには何年振りかの楽しそうな槌を振るう音が聞こえてきた。


〜夕方〜


「ほれ、出来たぞ小僧」


夕方になったので鍛冶屋を訪れるとちょうど終わったらしく机の上には鞘が載っていた。


「鞘に関してはサービスだ、しかし試してみたところかなりの切れ味だ、生半可な鞘じゃ入れた瞬間に切り裂かれるだろう。


だから前のオーダーメイドで余った風魔法の魔石で浮かすような作りにした、これなら刀が鞘を突き抜けることはないだろうし何より刀が取り出しやすい。


さて肝心な代金に関してだが…」


そう切り出された時に値段を言われる前に俺は声を遮っていた。


「金貨3枚渡しておくよ、チップの意味も兼ねてね」


「なっ…刀にそんなに出して大丈夫なのか!?」


「自信があるんだろう、この刀を見た感じまだまだ進化できそうだその時はまたよろしく頼むって事で」


「…ああ!その時はいつでも言え!小僧!


そして名前をつけてやろうと思うんだが何か希望はあるか?」


そう言われて少し考えてみる、発展の意味をつけたいけど…良い外国語は浮かばないし発展とつけるのもなんか嫌だそれならいっそ…


「神鉄…なんてのはどうだ?」


親父に名前の案を入れてみる。


「神鉄…確かに鉄の中でも最骨頂のこれにならつけても問題ないかもな。


じゃあ神鉄とともに強くなってまた戻ってこいよ!」


「ああ!ありがとう親父」


そう言って俺は扉を開けてギルドに報告に行くのだった。

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