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背伸びはするもんじゃない 4/6

 道路の隅っこ。横を車が何台も通り過ぎる。


 とにかく痛い。一度、立ったはいいものの痛い。


 今後の事を考える。しかし負の感情しか生まれない。しかも痛い。


 俺は泣いてしまった。大号泣。周りに人はいる。でもそんなの関係ない。痛いし悲しい。こんなにもついていないなんて。俺が何をしたというんだろうか。こんなに優しい俺なのに。


 大号泣。


 痛すぎる。

 悲しい。


 俺は大号泣しながら自転車を押す。ゆっくり歩く。自転車を持つ手も、歩く足も痛い。止まらない大号泣。しかも家に帰っても、頼りない妹しかいない。もうお先真っ暗だ。


 神様というものを俺は信じている。他の人がどのように信じているかは分からない。俺の考える神様とは、完璧に誘導してくれる神様。それが俺の神様像だ。完璧に誘導。例えるなら、誰かがお腹を空かしているとしよう。そしたら、余っている食料がその人の下にいくように調整する。余る事もないし、なくなることもない。全部の事に神様の力が働いている。

 普通の日常。それを可能にしているのは、危険を回避して調整してくる神様がいるから存在しているからだ。だから日常は俺たちが考える日常ではない。それが小学五年生の神様像だ。


 タクシーが俺の横に停まる。


「おい。大丈夫か」


「いだい。ヒッグヒッグ。いだいです。転んで……」


「痛そうだな。乗れ乗れ」


 タクシーのおじさんが車に乗るように言ってきた。俺は泣きながら乗る。おじさんはボコボコの自転車をボンネットに突っ込んだ。


「閉まらねぇな。まぁいい」


 優しいタクシーのおじさん。


「家どこだ?」


 おじさんに言われるがまま案内する。


 家に到着した。


「大丈夫か。んじゃなぁな」


 そういうと、タクシーのおじさんは去っていった。


 タクシーのおじさん。神様。ありがとうございます。

 そんな気持ちで一杯になった。

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