無意味な旅行 3/9
母親の運転でおばあちゃん家に向かう。ちなみに父親は免許を持っていない。正確には、持っていたが今はない。大人の事情ってやつだ。
うちは足立区。おばあちゃん家は越谷。時間にすると一時間かからないぐらいだ。
車はノンストップで走る。車内に会話はない。俺は外を見る。母親はまっすぐに一点を見つめて運転。父親は寝ている。妹も俺と同様、外の景色を見ている。大体、どこの家族もこんなもんだろう。
ちょっと気持ち悪くなったぐらいのタイミングでおばあちゃん家に着いた。着くなり、おばあちゃんのお出迎えだ。
よく来たねぇ、といういつも通りの会話。そのあとは父親とかと話をしている。どれぐらいかかったとか、道は混んでいたとか、とにかくどうでも良い会話をしている。これが噂に聞く世間話というやつだろう。
世間話。これはコミニュケーションをとる為には必要なアイテムだ。小学生の俺たちでも使っているアイテムの一つだ。
俺は大人しくカバンを自分でもって家の中に入る。
ここだと俺は最高のいい子を演じるしかない。ちなみに内弁慶という訳ではない。俺にはいい子であり続けなければいけない理由がある。それは簡単だ。
シマウマがライオンを怖がる。シマウマはなぜライオンを怖がるのだろうか。答えは単純だと思う。ライオンがシマウマに危害を加えるからだ。
俺とおばあちゃんの関係も一緒だ。いつからおばあちゃんが怖いのかは忘れた。しかし怖かったエピソードは尽きることがない。今回の宿泊でもエピソードが増えるであろう。あぁ。怖い。
そんな気持ちを知らないおばあちゃんは、俺たちにニコニコと話かけてくる。もちろんこちらもニコニコと応答する。おばあちゃん家では最重要アイテムの世間話だ。
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