無意味な旅行 2/9
着替えは何日分持って行こうか。俺はシュミレーションする。
「何日分用意すればいいの?」
「あんたさっきも言ったでしょう」
ここまでなら良い。しかし、万が一でも父親がその会話に入ってみろ。
「何を聞いていたんだ!いい加減にしろ!お前は留守番だ!」
ここから父親に怒鳴られ続けるであろう。怖すぎる。
このやり方はダメ。絶対にダメだ。ダメ絶対だ。
ダメダメダメダメダメ絶対、ダメダメ絶対、ダメ絶対。という言葉を頭の中で連呼する。早口言葉のようで気持ちがいい。
未来が視える。名付けて、父親未来ヴィジョン。これは俺の特殊能力だ。父親に忠誠心を持つ事と引き換えに手に入れた能力だ。
どうしようかなぁ。とりあえず二日分のシャツとパンツを持っていこう。そうすれば事足りるはずだ。だっておばあちゃん家には洗濯機があるんだ。だからきっと足りるはずだ。
母親と父親も準備をしている。何回も車の往復をしている。大人は大人で大変だ。
「準備できた?出来たら車に乗っといて」
「おっせぇなぁ。まだか」
母親の声と父親の声。本当に父親は小言しか言えない。もう少しユーモアのある父親であってほしかったよ。
父親の言葉から準備が終わったのが分かる。俺の準備ももうすぐ終わる。一日分しか見つからなかったパンツ。なんで無い?しかし探すのをやめて諦めよう。
それでは、車に乗っておばあちゃん家に行こうではないか。
おっと。忘れていた。酔い止め酔い止め。
俺は車酔いをバンバンにするタイプ。繊細人間。だから酔い止めは必須アイテム。酔い止めを飲む。そして残りはカバンに入れる。
さぁ。出発進行だ!
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