夏休みの敵はあいつ 3/5
妹はすぐに起きて歯を磨きに行けるタイプの人間だ。
でも俺は違う。
「もう時間だよ!」
目覚まし時計の音。薄っすらとは聞こえている。聞こえているんだ。だから起きようと努力する。だってそうしないと怒鳴られるから。でもこれは空耳かもしれない。俺の意識が少しずつ薄れていく。
「早く起きなさいって言ってるでしょ」
空耳ではなさそうだ。それなら早く起きよう。
この目ざま時計のブチ切れるタイミングはいつも不規則。だから困る。
スイッチが入る前に起きたい。そりゃそうだろう。朝いちばん。気持ちよく起きたい、という気持ちはある。まぁ、この気持ちが弱いから困るのだろう。
曲者の目覚まし時計。これが薄っすらと聞こえたら十秒ルール発動だ。このルールは単純だ。十秒以内に体を起き上がらせる。そうすればよいだけだ。なぁ。簡単だろう。
「起きなさい。朝だよ!」
すでにそこそこデカい声だと思う。しかし俺の脳の奥の方へ薄っすらと聞こえる程度。しかし確かに聞こえた。音はキャッチした。さぁこい。もう起きなければいけない。よっし。起きるぞ。
でもすぐには起きれない。すぐに起きれるのが妹だ。でも俺は妹じゃない。俺は俺だ。だからあいつみたいに素直に起きれない。だから作ったんだよ。例のルールを。俺はそれを発動する。
「いち、に、さん、よん」
俺は心の中で数える。あとは九秒あたりで体を起こせばいい。
完璧な作戦だと思っただろう。これを発見した時、俺は俺自身が怖くなった。天才がいる。しかも他人じゃない。俺自身が天才だった。マジでこれを発見した時は震えた。
しかしこの作戦にはまさかの穴があった。
天才と恐れられた俺。
知将と崇められた俺。
編み出した作戦には穴があった。不倫芸能人のように、サルも木から落ちることがあったのだ。いや、不倫芸能人は飛んで火にいる夏の虫かもしれない。まぁそんな事はどうでもいい。
とりあえず、決定的な穴があったのだ。
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