真夏の悪魔 5/6
少ししたらまた音が聞こえる。あいつらには恐怖心というものがないのだろうか。それとも、俺の事なんて眼中にないのだろうか。
悪魔との圧倒的な力の差を感じる。
プーン。
プーン、プーン。
プーンプーンプーン。
もう、耳障りだとも思わない。あいつはやはり俺よりも格上。マジでリスペクトだ。
ゆっくりと首を左右に傾ける。それと同時に、これまたゆっくりと右手で悪魔を握り潰そうとする。
これであいつをヤレるなんて思っていない。この行為はあいつをヤル為の助走。準備運動だ。
今の俺はきている。俺自身、俺の第六感を感じている。より一層の深み。その為に呼吸をより一層整える。
鼻から息を吸い込み、口からゆっくり息を吐きだす。
臭い!?
息が少し臭い。
ヤバい。より一層の深みに入ろうとしたが、それが逆に仇となった。マジでより一層だ。
第六感が薄れていく。先ほどまでの集中力がどこかへ行ってしまった。
俺は頭を抱えた。誰が予測できただろうか。そんな事が出来るのは神か仏ぐらいなものだろう。少なくとも人類には難しい。すでにこんなに息が臭くなっているなんて……。
俺の集中力が持っていかれてしまった。
皆様もそうだろう?会話の途中で相手の口臭が気になったらどうだ?その時、一瞬でもそっちに気がいくだろう?つまりはだ。集中力がそこで切れてるって事だ。
悪魔を倒すために高めた集中力。お陰様で、不快音ですら気にならなくなり始めていた。それなのなにだ。
俺の息が、すでにあんなに臭いなんて……。
プーン。
悪魔の音はまだ聞こえ続けている。
人生とはうまくいかないものだ。
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