子供の大人的な休日 4/9
評判の悪い消毒液ゾーンを通過する。もうプールが目の前だ。こうなったらやる事は一つだろう。
プールに飛び込んだ。
「そこ!飛び込むな!危ないだろう!」
俺たち二人は怒られた。監視員に早々に怒られる気分。これを考えた事があるだろうか?
最初は怖い。最初は誰でも未経験だ。だから怖い。
未経験オンパレードの赤ん坊は凄い。全部が未経験だ。そういう意味で、俺は赤ん坊をリスペクトしている。
監視員に怒られるのは初めてではない。つまりはだ。
怒鳴られるだけ。恐怖もない。痛くもかゆくもない。変な後ろめたさも一切ない。
俺たち二人はひたすら泳いだ。とにかくとにかく泳いだ。まずはクロール。そして平泳ぎ。この二つで、何回二十五メートルを往復しただろうか。
俺たちは二人とも背泳ぎをしない。その理由は簡単だ。曲がって人にぶつかっちゃうからだ。水泳のうまい同級生は凄い。だって背泳ぎをしてもまっすぐ泳げるんだ。凄すぎる。
一度、背泳ぎを真っ直ぐ泳げる天才に教えをこうた事がある。彼女は言った。そんな事は考えた事がないと……。
天才は存在する。
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