子供の大人的な休日 3/9
俺たちはプールに向かう。もちろん自転車で。
自転車とは自走の車である。大人はもっと俺たちを尊敬するべきじゃないのか?
あいつらは本当に困る。車の運転が疲れるとか言う。
俺たち小学生からの挑戦状だ。自転車で戦おう。三十分後に到着するまでの競争だ。たった三十分なら、体力気力が少ない大人でも耐えられるだろう。
さぁ。本当に疲れるのはどっちだ?
勝負するまでもないだろう?大人が劣ってるに決まっている。
簡単に内容をまとめると、こんな感じだったと思う。
十分後には何も覚えていないであろう会話。そんな会話を三十分ほど続けていたら無料プールに着いた。
子供である俺たち。そんな俺たちでも汗はかく。俺たち二人は、もう汗だく中の汗だく。上手いことをいうならば、キングオブ汗だくだ。
すぐに着替えて、臭い消毒液に腰までつかる。
「つめぇてし、めちゃくちゃくせぇなぁ」
ナオトが変顔をしている。
どちらかといえばイケメン部類に入るナオト。そいつの変顔は、ブサイクには嫌味な変顔になるんだろう。
鼻を刺す香り。しかし夏と年末の大掃除にしか嗅げない匂い。それがこの匂いだ。
みんな臭いという。しかし俺はこの匂いが好きだ。なんか夏っぽくって良い。
この匂いと、むわーんとした暑さ。蝉の声。ヒリヒリする腕と顔。これが夏っぽくって大好きだ。
みんなの夏はきっと違うんだろうなぁ、とつくつぐ思う。どこまでいっても、自分は自分。他人は他人だ。
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