便秘と下痢の化学反応 10/10
獲物を捕らえたと持った瞬間、俺の肛門は便器の中まで我慢が出来なかった。しかし勘違いはしないでほしい。ズボンに漏らしてなければ、パンツに漏らしたわけでもない。
ほんの少し。ほんの少しだけ便器の外に漏らしてしまったのだ。ここはポジティブな考えよう。そう。ズボンじゃなくてよかった。本当に良かった。
今回はこれで済んだものの、次回は分からない。最後まで緊張感を持たなければいけない。俺もひとつ成長しただろう。この積み重ねが大事なんだ。この失敗を忘れるなよ、俺。
滝のように出たウンチ。今までの苦労を全て吐き出してくれた。これにて、第一回ウンチ我慢大会は終了だ。
はぁ。やっと終わった。俺はトイレの天井を見上げた。殺風景な天井ではあったが、俺を見届けてくれた戦友でもある。ありがとう。
スッキリとした俺は母親の元へ向かう。
「もう大丈夫?」
「うん」
病院の自販機に振って飲むゼリーが売っている。母親にねだると、簡単に買ってくれた。
大人の階段を一歩登った俺。帰りの車の中、俺はふと思い出した。申し訳ないが、仕方がない。
便器の外に少しはみ出たウンチ。掃除するのを忘れてしまった。
まぁしょうがない。人は知らず知らずのうちに、傷つけ傷つけられている。人は、人と人の間に生きている。それが人間だ。
ゼリーのジュースを飲む。一気にじゃない。味わうようにひと口ずつ。
車から外を眺める。星一つない、汚い足立区の空。
さらばだ。下痢と便秘よ。
今日は、汗まみれのビチャビチャの頭と下着で、おやすみなさいだ。
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